2018年5月17日の夜、ショッキングなニュースがテレビを見ていたら飛び込んできました。これは車中泊をするような場合でも人事だと思うわけにはいきません。どんな事件かご存知ない方のために簡単に説明すると、とある都市のネットカフェの個室に入っていた男性が、同時に来店し空き部屋を挟んだ隣の部屋に入っていた男が発する音に敏感に反応し、持っていたナイフでその男性を刺してしまったという事件です。
逮捕された男性は報道によると「些細な物音にイライラしていた」そうで、「イライラが限界に達して、リュックからナイフを取り出して外に出た」とのこと。ちょっと考えられない理由ではありますが、多くの人は程度の差こそあれ、同じように公共の場所などで特定の人物の出す音や声にイライラした経験があるのではないでしょうか。
例えばそれは聞き慣れない人が聞いたら何が起こっているのか確認してしまいそうな赤ちゃんの泣き声かも知れません。ただこの状態は昔から「泣く子と地頭には勝てぬ」という言葉がある通りで、たとえ現場から赤ちゃんとその親御さんを退出させることができたとしても、周りからヘンな目で見られることを覚悟しなければならないでしょう。そんな中、私がつい最近遭遇したのは図書館でかなり大きな声で独り言をつぶやいているご高齢の男性で、その方は住宅地図をコピーしようと思ったようですが、著作権の関係でページの全てをコピーできないことを職員の人から説明されると急に声を荒げて職員に対してその怒りをぶちまけ、ついには安倍政権が悪いとまで言い出しました(^^;)。
ただ、その人に対応している職員の方は最後まで地声が大きい事についての注意をすることはなかったので、その点は敬服しました。お年寄りがなぜ大きな声で喋るかということを考えると、その理由はズバリ耳が悪いため自分の声も大きく出さないと自分の声が果たして相手に聴こえているのかわからなくならないようになってしまうので自然と声が大きくなることがあるそうです。
これはお年寄りでなくても、周辺の騒音がすごかったり、部屋の中で掃除機を掛けたりしている中で話さなければならなくなると、小さな声で喋っても相手に伝わらないので声を大きくしますが、その方は常に大声で喋らないと相手に聞こえているかどうかわからないための事だと思えば、怒りの感情よりも常にパワーを上げて喋らなければ生活ができないというのは大変だなと正直思います。しかしそれは知っているから言えることなので、その男性には今後くれぐれも自分が意識して出しているわけではない、地声の大きさと独り言のクセが他人のかんに障ってトラブルにならないことを願わずにはいられません。
ただ、こうした誰の耳にも明らかな場合なら自分でできるだけ静かにするなどの対策はあるわけですが、今回最初に紹介した事件のように、独り言や周辺の人にも嫌がられるような音を出しているわけでもないのに、ちょっとした自分の出した音が他人に気に入られないだけでも暴力を受けたり、逆に自分で思ってもいないながらも暴力を奮ってしまう可能性がある社会に今の日本はなっていることが改めて今回の事件でわかったような気さえします。
もしそれがこちらが音の被害を受ける立場であったら、交通事故のように避けられないケースが有るトラブルとは違い、自分の考えさえしっかりしていれば争いは必ず避けられます。後から言いたいことが沢山出てくることは承知の上で、自分で我慢するなりお店の人にその音を聞いてもらってそれも止むなしという判断を受ければ部屋を変えてもらうなりいくらでも暴力に訴えない解決策はあるでしょう。もしそれでも状況が変わらなかったら自分からその場を去ることも考えてみましょう。相当理不尽な形で音によるストレスを感じていても、ひとたび暴力行為を起こしてしまえば先に暴力をふるった方が悪いという印象は拭いきれなくなるかも知れません。特に旅先での行為はつい普段とは違ってくることもあるかも知れませんので、注意して軽はずみな行動は控えましょう。
また、その反対にこちらが全く音を出している意識がなかったり、本当に音を立てていないのにちょっとした動きにも敏感に反応される方に切れられる場合もあるかも知れません。この場合はさすがに普通の人が気を付けて何とかなるというものではない部分も出てきてしまいます。こうした傾向は人が多く集まれば集まるほど出てくる可能性がありますので、行楽シーズンの道の駅の車中泊でとにかく対人関係のトラブルを受けたくない場合は、宿泊場所を決める段階から人が来そうにない所に移動するしかないとしか言いようがありません。
それでも、車で移動できるというのは、何か不気味な予兆を感じたらその場から離れることが車ならできるので、逃げ場のないネットカフェよりも恵まれていると言えるかも知れませんが、どちらにしてもこうした人間同士の行動からトラブルに巻き込まれないような知識を得る努力は怠らないようにしたいものです。