火への意識を忘れることの恐さ

札幌市の大きな爆発事故は、爆発を起こした事務所に入っていた全国チェーンの企業の株価にも影響を与えるほど、インパクトが高く、その影響も大きなものになりました。今回の事故を誘発した原因として語られていることは、消臭スプレー缶を何と100本以上もガス抜きのため穴を開けていたということと、その状態で窓を閉め切ったまま作業をしていたと思うので、かなりガスが室内に充満していると思われる中、ガスの湯沸かし器のスイッチを入れてしまったことで室内のガスに引火した可能性が高いことが考えられます。

今回の事故は冬には暖房を使うことが必要で、外に暖かさが逃げないようになっている家がほとんどであろう北海道で起こったことなので、他の地方で同じ事が起こってもそこまでの大爆発は起こらなかったかも知れませんが、それにも増して思うのが、現代を生きる私たちに「火」への危険を感じる事がなかなかなくなっているということもあるのではないかと思うのです。

世界的な喫煙率の低下によって、家庭にマッチやライターのある家がなくなり、お子さんが火遊びでマッチやライターを使って火事になってしまうことは減ったと思いますが、逆に考えると安全に火を使うような機会がないため、火事や爆発が起こるケースも出てきたように思います。今回の爆発も、マッチやライターではありませんが、湯沸かし器のスイッチを入れたことにより口火の部分がライターと同じような形で室内に充満したガスに引火したとしたら、まずは窓を開けて十分ガスを屋外に逃してあげる必要があります。100本以上のスプレー缶を出すというのはちょっと考えられないことですが、全てが終わってタバコに火を付けるなんてことはやらないものの、湯沸かし器を付けるということは、マッチやライターを使うことと同じことだということは、今回の事故で多くの人に認識されたことでしょう。さらにこれから寒くなってく季節には、静電気でも火花が飛ぶこともありますので、火の始末をしっかりしていたとしてもガスが室内に充満する状況というのは大変危険になりますので、多少寒くなっても十分な換気を心掛けるようにしないと、自分の意図しないところで火事を起こしてしまうことが今後も出てくるでしょう。

火を扱うことについては、このブログで紹介するキャンプ用の火器について紹介しています。キャンプ用の火器を室内で使うことが推奨されていないのは、下手をすると今回のような規模にはならないかも知れませんが、急に大きな火が付いて火事の原因になったり、覗き込んだ顔や髪の毛を焼いてしまったりする可能性があるからではないかと思います。さらにキャンプ用の火器はちょっとしたことで倒れてしまうと、それがまた火事の原因になることになります。ちなみに、室内で使うことの多いカセットコンロはそれ自体が倒れる可能性は低いとは思いますが、2台をつなげて大きな鉄板を載せるような使い方をするとボンベが熱くなって爆発するような事故にもつながりますので、使用説明書に則った正しい使い方をしないと危ないことも出てきます。

最初、札幌の爆発のニュースを聞いて、かつて静岡市の繁華街で起こった「静岡ゴールデン地下街ガス爆発事故」を連想しました。爆発の第一報が入った当時、第一の小さい規模の爆発を受けて現場に入った消防隊員が、二回目に起こった大爆発で殉職をされた方が出たことを覚えています。今回の爆発後のニュース映像では野次馬を制する消防隊員の方だと思われる怒号に近い声も聞こえましたが、爆発の原因が何だかわからない状態で現場に近づくというのは、さらに大規模な大爆発に巻き込まれる可能性もあります。自分で火を扱う時だけではなく、たまたま火事や爆発の現場近くにいるような場合も、甘く見ないで早めに安全なところに逃げるということも覚えておきましょう。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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