未来の交通手段としての「BRT」が走る場所

テレビ東京系で放送されている「ローカル路線バスの旅Z」の塩釜~恐山の回をかなり遅れて見たのですが、路線バスで旅行をする苦労がしみじみとわかります。同じことを鉄道でやろうと思えば、特急でない普通列車だけでも相当進むことができます(恐山まではバスを使わなければなりませんが)。本来は様々な交通機関を融合させて行くようになっているのですが、とにかく大変なのが全てバスを使うため大手のバス会社だけでなく町や村などが運行しているコミュニティバスの運行情報が必要になるのですが、さすがにそうした細かい路線については観光案内所へ行っても情報が得られず、実際に現地へ行くしかないというところが(基本的にスマホでの路線検索は番組のルールとして禁止されています)番組の見どころになっています。

この番組はいかにしてゴールまで辿り着くかという過程を見せるのが第一だと思いますが、今回の番組で指定されたコースというのは2011年に起こった東日本大震災の後でどのようになっているかということも見ることができたのも一つの収穫でした。特に今回の番組でなぜ「塩釜~恐山」というルートが実行可能だったのかを考えた時、かなりの長距離を走っているバスがあったからなのではないかという風に思いました。というのも、JR前谷地駅から気仙沼駅を経由して盛駅までかつて路線があった鉄道が不通になっている区間を代替のBRT(バス高速輸送システム)が運行していて、番組のルールでは本来鉄道の代替であってもバス路線だからということで乗車することが許されていたのでした。

この路線バスは、普通の路線バスとはちょっと違っていまして、鉄道の線路だった場所をバス専用レーンにして停留所を増やし、できるだけ鉄道と同じように交通渋滞の影響を受けにくいように作られていて、きっぷについてはJRの普通列車と同じと考えることで、JR線の普通きっぷでの乗越や、いわゆる普通列車乗り放題の「青春18きっぷ」でも乗れるようになっているのです。

しかし、番組内で紹介されていたのですが本数は鉄道ほど多くなく、さらにバスの定員にも限りがあるために鉄道と比べると不便な点はあります。それでも現在の状況を考えると、この方法で一旦切れてしまった交通網をつなげるしかなかったのではないかとも思えます。

今回BRTの様子を少しだけですがテレビで見せてもらい、機会があれば通しで乗ってみたいと素直に思えました。それまでの交通機関が変わる原因というのは色々ありますが、単に鉄道が廃止されてのバス転換とは違い、むしろ未来にはこのようなバス専用通路を走るBRT路線が全国で増えてくるのではないかと考えることもできるので、そのメリットディメリットを実感できるのではないかとも考えられます。

現在の日本では、例えば大きなイベント、コンサートやスポーツの試合が行なわれる際、シャトルバスが運行させる事があります。それらイベントの中で特にスポーツの試合の終了後にはシャトルバスに乗れたとしても周辺道路が渋滞することにより終電に間に合わないような事が起こっているのですが、もしそうしたシャトルバス用の専用道路が駅まで整備され、それこそ一般道に入らずに専用道だけで完結するような事ができれば、現在の技術でも自動運転での運行も可能になると思います。何よりレールを敷設しないということになると災害にも強く(専用レーンに被害が出ても一般道を迂回することができるので)、過疎化した集落への交通にも期待が持てるのではないでしょうか。

実際問題、あの地震がなければ実現し得なかったBRTなので、複雑な想いはありますが、だからこそその経験をバネに、日本各地に広がる新たな交通機関としての期待を掛けられる路線になっているということも言えるのではないかと思います。また機会があれば、改めて乗りに行って、このブログでもその様子を紹介したいですね。


カテゴリー: 電車・バス | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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