電気自動車で車中泊の旅はできるのか?

国内の自動車メーカーはひところ脚光を浴びていた水素自動車のかわりに、さまざまな電気自動車を製品化しつつあります。先物買いというべきなのか、日産のリーフという電気自動車は予定台数がすべて予約受付分で売れてしまったそうです。確かに、日々家庭のコンセントで充電をし、近場への通勤や買い物程度の利用に限ってならそうした電気自動車も実用になるのでしょうが、果たして車中泊をするための車として電気自動車はどうなのかということについて考えてみたいと思います。

まず、車中泊の旅で道の駅や高速道路を中心に有名な観光地を移動するような場合、どの程度電気自動車を充電するステーションが出来ていくかということによると思います。夜になって寝る際に、電気だけで動く自動車で旅をするならば、駐車場所に翌日分の電気を充電できるスペースがないと逆に困るでしょう。これが様々な駐車場で普及していくようになると、動力用の電気だけでなく、夜を過ごすのに必要な電力まで供給可能になってくれば、今まで車内で調理をするのにどうしようかと悩む必要なく、電子レンジや炊飯器、電気ケトルなどの家電製品を気軽にもって行けるようになるでしょう。道の駅や高速道路のサービスエリアあたりで、全ての駐車スペースにそうした設備ができるようなら、電気自動車で車中泊の旅をしようと思う人たちも増えてくるのではないかと思います。

ただ、その場合でも全国津々浦々で充電施設が普及するにはまだまだ時間がかかります。そんな問題点を一気に解決する手段として、現状ではコンセントから充電する方法が主ではありますが、そうした方法に加えてさまざまな電気自動車のバッテリーを共通化することにより、使い切ったバッテリーの一部を充電済みの電池に交換するように今あるガソリンスタンドが対応することで何とかなる可能性があります。使った分だけ充電をした電池と取り替えられるような電気自動車の電池の仕様共通化があればこうしたやり方で対応が可能です(バッテリー交換式のタクシーがすでに運用されています)。しかし、今は世界中で多くのメーカーがしのぎを削っているところであって、デジカメのバッテリーさえ共通化できない状況から考えると、このような空想は無意味かも知れません。ただ、今後のガソリンスタンドが生き残りを賭けていく中で、この形式のバッテリーなら全国どこへ行っても充電済みのバッテリーをすぐ交換できるように用意するといった動きがあれば、それにともなって車のメーカーも変わっていく可能性もあります。私個人が考える電気自動車の進化というのは性能云々ではなく、いかに全国どこでも電池の充電や交換ができ、ガソリン車と同じように安定して日本中走れるようにするかということにあると思います。

そういう意味では、メーカー同士の争いでゴタゴタしているうちに、従来のガソリン車のように燃料を充填して走る水素自動車の方が普及していく可能性もなくはありません。技術的な問題が水素自動車には多く、早く簡単に作ることができる電気自動車にシフトし、新し物好きの人たちに消費してもらうというのがメーカーの考えていることなのでしょうが、あえて遠出に不便な乗り物を買う人が大量に出てくるのかというのは実に不透明です。個人的には今電気自動車を買うだけの資金があるのなら、クリーンディーゼルの車を買ってエコドライブをしながら好きなところを回る方がよっぽどいいのではないかと思います。そうしてディーゼル車を乗りつぶした頃には、電気自動車にも何らかの普及に向けた進化が出てくるでしょうし、水素自動車も実用化のめどが立つかも知れません。とりあえず今の段階では車中泊用としては、電気自動車はとても使えるレベルにあるとは言えませんが、先述した通り、日本の全ての駐車場がオートキャンプ場のように車外からの電源供給可能な施設になるかも知れません。私は、そうした環境整備がどこまでできるかが、電気自動車で車中泊の旅をするための条件だと思っています。


カテゴリー: 車中泊・車関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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