デジタルデバイスによって生じる不具合は人間が作る?

今の世の中は急速にデジタルデバイスを使った各種サービスが浸透しつつあります。スマホ以外何も持たなくても、わからない事は全てスマホで調べることができ、買い物についてもスマホの中に入っている情報を利用して決済するおサイフケータイやクレジット決済で済んでしまいます。乗り物を利用する場合もスマホに入っている情報のQRコードを機械にかざしたり、おサイフケータイの仕組みを使ったりしてチケットがなくても乗車することができるようになりました。

ただし、こうした事はスマホを持っていない人には使えませんし、スマホを持っていたとしても使うことができないスマホの扱いについて疎い人にとってはストレスの種でしかありません。しかし飛行機の格安航空会社などはチケットの申込や発行を全てユーザーの方でやってもらうことによって格安な価格を実現していることもありますので、今後安く飛行機に乗りたいような場合は、デジタルデバイスについてその扱いにユーザーの方から慣れて行かないといけないような事になります。

そんな中、先日起こった福岡空港での全日空機の中で起こったニュースはデジタルデバイスの扱いに慣れているはずの10代後半のユーザーと、システムについて熟知しているはずの航空会社の係員が同時にミスを犯した結果、座席がない人が一名飛行機に乗り込んでしまい、その結果飛行機が飛ばずに引き返すという問題が起こりました。ここでは、そのニュースを読み解くことによって使い慣れているはずのユーザーや係員でもミスを見逃してしまうデジタルデバイスを使ったシステムの落とし穴について考えてみたいと思います。

今回問題になった乗客は、飛行機のチケットをスマホの中で完結するチケットレスの仕組みを使って入手していました。ここで問題になるのが、そのチケットは2枚取られていて、一枚はスマホの持ち主である10代後半の息子さん、もう一枚が彼の父親の分でした。

飛行機のチケットというのは名前と年齢を入力して購入するので、チケットが発券されていればその都度確認されるので最悪息子さんと父親のチケットが入れ替わっていたとしても一枚のチケットで残りの一人がゲートを通ることができますが、今回の場合は息子さんが間違えて父親の分のチケット情報(バーコード)を使ってゲートを先に通ってしまいました。当然、その後にゲートを通ろうとした父親は同じバーコードでゲートを通ろうとしたため止められるわけですが、係員が予約内容と本人とを照合した結果、本人であることに間違いないということで、何故父親がエラーになったのかの確認を十分しないまま父親を通してしまったのです。

当日はキャンセル待ちも出るほど機内は混んでいたため、搭乗時間を過ぎてもゲートの通過記録のない、本来息子さんが乗るべき座席の権利はその時点で失効し、キャンセル待ちをしていた別の人に座席が振り分けられることになりました。するとどうなるかというと、しっかりとシステムによって確認されたわけではない父親が座る席がなくなり、そのまま立っていたところ客室乗務員に見付かり、今回の騒動になったわけです。

今回の騒動で誰に責任があるかと言えば、しっかりとスマホの中にある自分の分の搭乗情報を出さなければならないのに、間違って父親のチケット情報を使って飛行機に乗ってしまった息子にあるとは言え、やはり父親をそのまま乗せてしまった航空会社の職員であることは間違いないでしょう。システムに問題がなくゲートが開かないというのはやはりそれなりの理由があるわけで、時間がかかってもどういう経緯でチケットを入手したのかを聞いていけば、二人が飛行機に乗る前に息子が間違って違う個人情報で先に入ってしまっていることはわかったのではないでしょうか。

私自身も両親と飛行機に乗ったことがありましたが、その際はあえてチケットレスにせず、予約内容をプリンターで打ち出してから空港に向かい、空港で紙のチケットを発券しました。一人で飛行機に乗る場合はチケットレスにする場合もありますが、スマホ自体が落としたり水没したりして使えなくなった場合の対処方法について不安があるので、その場で発券してすぐ乗るような場合以外は出せるものなら何か紙による情報を持っていたい派です(^^)。昨日東京で起こった大規模な停電というのも、これだけデジタル情報が私たちの生活の中で重要度を増す中で、大いにストレスになり得ますし、慌てないためにも何らかの対策を考えておいた方がいいのではないでしょうか。

いざという時にはアナログ的に記録された情報が役に立つこともあるのわけで、私の場合ですが、特に自分だけでなく家族で出掛ける場合には時代遅れと言われることは承知の上で、チケットレスが基本の場合でも、チケットを発券してもらうことも今後考えるかも知れません。事前に紙のチケットを用意できない場合は、ネット経由で取った搭乗のための情報について、パソコンやスマホの中に入ったものをあえてプリンタから契約の控えだけでも出しておき、いざという時にその紙を係員に見せるなどして対処してもらえるようにした方がもしもの時のこうしたトラブルは避けられるのではないかと思います。

もし現地でスマホから発券し、プリントすることができない場合は、問い合わせ番号だけでもどこかにメモしておくとか、スマホの予約画面をスクリーンショットで撮影してクラウドにアップしておくとか、別にデジカメを持っていれば画面ごとデジカメで撮影しておくなど、スマホが亡くなったり壊れて使えなくなったりしても何とか情報を現地で出して交渉できるような準備も必要ではないかと思います。


カテゴリー: 旅行・交通関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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