茶こし付ティーポットボトル

水やお湯を真空断熱ステンレスボトルに入れておき、飲むのはボトルから直接でなくカップからというスタイルは少々面倒に思われる方もいるかも知れません。しかし、旅先でその都度豆を挽いたコーヒーを楽しんでいらっしゃる方は大勢いらっしゃいます。私の場合、住んでいるのが静岡という土地柄もありますが、日々煎茶を飲むのが当たり前になっていて、ずっとインスタントやペットボトルの飲み物が続くのもどうかと思うので、旅先でもちゃんとしたお茶を飲めるように急須と水筒が一緒になったアイデア商品を用意しています。紹介する「茶こし付ティーポットボトル」は静岡以外では売っていないのですが、インターネット通販では手に入るようです。そうはいっても、使うのになかなかクセのある商品でありますので、使い方などを紹介していこうと思います。

このボトルを使う上での大きな問題は、その耐熱性にあります。カタログ値では耐熱温度が80℃となっているのです。つまり、沸騰したお湯であるとか、給湯器から直接あるいは間接的にでもすぐボトルの中に入れてしまうと壊れてしまうだけでなく危険な目に遭う可能性もあるということです。さらに、このボトルはプラスチックということで保温性もありません。購入される場合はまずはこの点をちゃんと認識する必要があります。

なぜこのような仕組みになっているかといえば、ボトル自体の企画を静岡茶商工業協同組合という業界団体が監修しているため、美味しいお茶を美味しい煎れ方でという方向性を追求しすぎているからではないかと個人的には思います。一般的に煎茶を煎れる際には、沸騰したお湯をある程度まで冷ましてから急須に入れないと香りが飛んでしまい、おいしくなりません。その温度はせめて80℃くらいまでと言われていますが、玉露になるともう少し低く60℃くらいまで冷まさないとその美味しさは出てこないと言れています。

というわけで、熱湯しか用意できなかった場合、ボトルに入れる前に冷ます必要があります。私の場合は前回紹介したsnow peakチタンシングルマグにお湯を入れてしばらく放置してからボトルに入れるようにしています。写真のようにボトルは先端が取り外しできるので、茶こしの部分に茶葉を入れてフタをし、ひっくり返してしばらく待ちます。写真には砂時計がありますが、これは一分計で、好みの濃さに応じて何回もひっくりかえします。できあがればボトルからそのまま飲んでもよし、カップに移し変えてもいいでしょう。茶葉から煎れるということで、だいたい3煎目くらいまでは楽しめるというのもインスタントの飲料やコーヒーとは違う点だと思います。

こうしたことがめんどくさいと思う場合は、水から煎れることもできます。この時はだいたい10分くらい抽出に時間がかかりますが、時間だけ気にするだけでいいので、夏には冷たい水を使って作ってみれば、ペットボトルのお茶と比べて実に格安でおいしいお茶をいつでも楽しめます。さらに、お湯で煎れる場合の温度問題を解消する手として、真空断熱ステンレスボトルにお湯を入れておいたものを一晩そのままにしておくという方法があります。この場合、カタログ値で保温性能が高くないもの(いわゆる安物の保温ボトル(^^;))をあえて使うという手段も使えます。つまり、お茶をおいしく飲める温度が60℃~70℃だとすると、沸騰したお湯であっても長い時間の経過とともに徐々に冷めていくわけですから、前日の夕方に給湯器から補充した熱々のお湯が、翌日の朝にはお茶としての適温まで自然に下がっていることを利用するわけです。地元の煎茶専門の喫茶店では、前日に用意しておいた魔法瓶のお湯を使って適温を作り出していましたので、やり方としては全く同じです。専用の急須を持ち運ぶのもいいかと思いますが、ボトル兼用として使えるというのはやはり便利です。一回煎れたお茶は時間経過とともに酸化し、風味や色にまで違いが出てきてしまいますので、美味しいお茶にこだわりたい場合はなるべく飲む時に煎れるようにし、その都度飲みきるのがいいと思います。旅先ではペットボトルのお茶専門という方、ぜひ一度、葉から煎れるお茶を試されてみてはいかがでしょうか。


カテゴリー: ボトルに関する話 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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