夜間のヘッドライトの常識を再確認

ネットニュースでご覧になった方も少なくないかと思いますが、夕方から夜間車を走らせている時に、ヘッドライトはどのように付けたり消したり、上向きにしたり下向きにしたりするべきなのかという事について今までの自分の常識とは違うことを感じるとともに、全面的に自分の行動を変えていく必要性というものも感じてしまいました。というわけで、ここでは自分の備忘録的な意味が強くなるかも知れませんが、具体的に書いて行こうと思います。

まずは、道路交通法の中にある「灯火」についての項目です。2019年3月現在の内容を以下に示します。

(引用ここから)
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(車両等の灯火)
第五十二条 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
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(引用ここまで)

まず、注意したいことは夜間というと完全に前が見にくくなった時間を想像しがちですが、法律では「日没時」からということをうたっています。日没後であっても周辺はまだ十分に明かるいということはあるのですが、ここで言われている事の裏を読むと、必ずしも目の前を明るくすることだけが目的ではないということもあります。

例えば、二輪車のヘッドライトは日中・夜間に関係なく付いていますし、自転車でも新しいものでは日中でもヘッドライトが点灯する仕様になっています。特に自動車と比べて小さくて認識がしずらい自転車や二輪車については、点灯することによって自分の存在を周りに示すという意味あいがあるからこそ、昼間にもライトを点灯させるわけなのです。

自動車においても、夕方に「早めのライト点灯」というような標識があるのは、決して自分が見えないからではなく、他人の目から見て自分の車をより強く認識させ、事故を防ぐためという意味あいもあるということです。それこそ法律に明文化されている通り、その日の日没時間を過ぎたら点灯することが大切です。今では何もかもドライブレコーダーで記録されうる時代ですから、夕方に事故を起こしてしまった場合、すでにライトを点灯させているか否かで過失の割合も変わってくる可能性があるかも知れません。さらに、運送業で軽トラやワンボックスを利用する一部の会社では昼間からの点灯を義務付けて運転しているところもあるようです。駐車時のライト消し忘れには要注意ですが、もらい事故を受ける可能性を減らすためには必要なことなのかも知れません。

次に、ロービームハイビームについてですが、私自身も今まではロービームが基本で、ハイビームにはめったにすることがありませんでした。それは過去の経験上、ハイビームのままで走っていると正面を走っている車からはまぶし過ぎて前が良く見えないことになり、パッシングやクラクションで注意されることが実際にあったので、ロービームを基本にしていたのです。

しかし、相手がまぶしいと思えるような状況を察知した時にのみロービームにするのが基本だということが、法律の(2)の中で書かれています。「他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作」とありますが、さすがに消すのは停止している時くらいしかできないと思うので、走りながらだとハイビームからロービームにすれ違う前に切り替えることで十分にはなります。

もとより、点灯する目的には相手に自分の車を認知してもらうということがあるわけですから、ハイビームにしておいた方が遠くからもよく見えますし、また運転している方でもハイビームにした方が歩行者の急な動きを遠方から察知することができるので、高速道路や自動車専用道路などの幅の広い道路や、山道など対向車がめったに来ない道ではほぼハイビームでもいいということにもなるでしょう。ただ、交通量の多い繁華街や国道などではいちいちハイとローを切り替えるのも大変ですし、そこは従来通りロービームで変えずに走るのは問題ないでしょう。

さらにもう一つ、自分もついついやってしまったのが、交差点の信号にかかって止まっている時に、前方の車に対する配慮から、つい停まっている時にライトを消灯させてしまったのですが、これも自分の車の存在を周辺に示すという意味においてはいけない行為になります。ライトを消していることで自分の車の存在に気付かない状況で強引に前に割り込もうとしてきた車がいたとしたら、ライトを消して待っている側としてはぶつけられ損だということにもなりかねません。

さすがに信号待ちをしている時にハイビームとロービームを上下に何回も切り替えていたら迷惑がかかるだけでなく、煽り運転や喧嘩の引きがねにもなりかねませんが、ロービームのヘッドライトを付けたままでも問題はほとんどないと思います。逆にライトを消した車の存在の方が対向する車から見ると、ライトを付け忘れてそのまま走ってくるのではないか? と思えて恐ろしいと思うところもありますので、「日没から点灯させたライトは車を停めるまで消さず、対向車が来ない道ならハイビーム」というのが今現在の安全基準に照らして問題ない行為であるということを今回実感した次第です。

今のところ点灯のタイミングが遅れたくらいで警察に停められたことはありませんが、それこそ夕方の事故の際に点灯していたか否かというのは大きな賠償請求のポイントに今後はなっていくであろうと思っているので、早めの点灯と車がいなければハイビームという行動で未然に飛び出しのための事故を防ぐことも事故削減についての一つの方法だということを覚えておきたいと個人的には思っています。


カテゴリー: 車中泊・車関連コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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