AQUOS PHONE WX04SH1台か3回線を別々に持つか その2 データ通信とスマートフォン

 WX04SHの私が考える最大の特徴は、ソフトバンク網の高速データ通信(データ量による制限あり)とは別に、特別な追加料金なしに無制限にPHSデータ通信を使え、他の端末でもPHSのテザリングでネットを使うことができるということでしょう。ドコモの通信網を使った低額のデータ通信とは速さも同じくらいだしあまり変わらないと思われる方もいるかも知れませんが、少々内容は違います。大規模な基地局に通話もデータ通信も集中する携帯電話は、基地局が直接被害を受けなくても、前の東日本大震災下の東京の時のように多くの人が通話やデータ通信を試みようとしてつながりにくくなりました。PHSの基地局は小規模なものが多数配置されているので、一つの基地局にユーザーが集中することが少ないので、携帯電話に比べると多くの通信が発生する状況でも通話もデータ通信も携帯電話と比べればつながりやすいのではないかということが言われています。

 ただ、ウィルコム自体がソフトバンクモバイルの傘下に入った今、今後ウィルコムの通信網が日本全国で広がっていくのかどうかはかなり不透明であることは多くの人が心配するところです。つながりやすくなっても、自分のいる場所によっては圏外になってしまうのではしょうがありません。特にデータ通信については公衆無線LANのアクセスポイントが使えるならば、そちらの方がよりつながりやすく高速で制限なしに使えるわけですし。そういった事も考えながら、まずはWX04SHのデータ通信について見ていきましょう。

 ここでは安価に利用できる「ウィルコムプランLite」の内容を見ていきます。基本はソフトバンクの3G方式で、1GBまでは高速通信が可能です(1GB超過後は128kbpsに速度低下します)。紹介したようにPHS通信(最大400kbps)では本体での通信だけでなく外部機器でも使えるテザリングが追加料金なしで使えますが、ソフトバンク3Gの通信ではテザリングはできないようになっています。またそれ以外の通信方法として、ソフトバンクが提供する公衆無線LAN「ソフトバンクWi-Fiスポット」も利用できるようになっています。これが月2,980円(加入時のキャンペーンの動向により1,980円で6ヶ月や、条件によって24ヶ月利用も可)というのは、使える回線の種類の多さという点でも普通にスマートフォンを持つことを楽えると大変魅力的です。その他、スマートフォンの機能としてワンセグやおサイフケータイのサービスも使えるので、その点でも他社のスマートフォンから移行しやすいようになっています。

 これに対してあえて3台持ちにする場合、データ通信を扱うメインになるのはSIMフリーやドコモ白ロムのスマートフォンです。この条件を満たすスマートフォンなら、月に千円を切る価格でデータ通信ができるMVNO業者のSIMカードが使えます。データ通信のサービスについては多くの業者がしのぎを削っていますが、安い上にできるだけWX04SHで使っている通信の条件に近いものということになると、IIJmioのサービスにBICカメラの特典が付いたドコモLTE接続の「BIC SIM」のミニマムスタートプラン(月額945円)がいいのてはないかと思います。通信のスピードは200kbpsが基本ですが、実測でもアクセスが集中する状況にならなければ場合によっては200kbps前後のスピードが出ると言われていて、私が使った感じでもそれほどスピードの低下は見られません。さらに毎月500MBの高速クーポンがあり、アンドロイド用のアプリからその都度使用するかどうか切り替えができます。ずっと高速通信を使わないと、最大2ヶ月分の1GB分まで繰越可能になっています。WX04SHでもPHSでの通信を中心に使う方もいるようですが、こちらの方でもスマートフォン内だけで通信し、動画やネットラジオを使わないのなら高速クーポンを使わなくても何とかなる場合が多いので、WX04SHのソフトバンク3Gの通信環境より劣る部分はありますが、低速の最低速度はBIC SIMと同じような感じになるのではないでしょうか。また、BIC SIMのもう一つの特徴は、wi2 300 という月額380円の公衆無線LANサービスが追加料金なしで使えるということです。IDとパスワードが契約時に発行されるので、BIC SIMを使っているスマートフォンだけでなくWi-Fi接続しかないタブレット端末や、ノートパソコン、ゲーム機でも使えるというのがボイントです(ただし、複数の端末での同時利用はできません)。

 通信カードの選定に加えて、当然ながらスマートフォンの選択も重要になります。おサイフケータイが使いたい場合は機能が付いたスマートフォンにしなければなりませんし、本体のみでテザリングができるものも限られますが皆無というわけではありません。私の使っているPanasonicがドコモから出していた「ELUGA power P-07D」はワンセグや赤外線通信こそありませんが、防水機能が付いたおサイフケータイ付きスマートフォンで、特別に設定を何とかしなくても、本体のみでテザリングができてしまうスマートフォンです。これで、PHSとMVNOのデータ通信カードとの違いはありますが、山間部でも圏内であることが多いドコモ網のデータ通信と、公衆無線LANが両方使えるというのは、使う人によっては魅力あるプランにうつるかも知れません。ただ、問題はPHSのデータ通信を単体のPHS電話機で使う場合、最大月額2,800円の追加料金がかかり、さらにPHS電話機に入っているブラウザでの通信だけでなく、HONEY BEE5をパソコンのモデムとして使う場合は更にプロバイダ料金がかかるということでしょう。結局のところ、PHS通信を主に使いたい場合はWX04SH一択でしょうが、携帯電話の3GやLTE、公衆無線LANが使えず、PHSしか使えない時にだけPHS通信を使ったネット接続を使うことを考えている程度なら3台持ちのプランも面白いと思えるのではないでしょうか。

 なお、私はいったんGmailに届いたメールをウィルコムのメールアドレスに転送しています。こうすることで、スマートフォンに通知される前にウィルコムの端末の方にメールの内容が入ってきますし、もし携帯電話の通信そのものが通信集中により使えない場合でも、Gmailのシステムさえ止まっていなければ、PHS網を使ってメールが届くので、最低限の情報をPHSの基本料金のみで入手できます。ブログや掲示板の投稿でも、メールの送信だけでネットにアップできる方法もあるので、最悪メールだけでも使えれば何とかなるという考え方もあります。本人認証などでどうしてもサイトへのアクセスが必要な場合もありますが、その場合はPHS電話機に内蔵されたブラウザでも何とか表示および操作ができますし、パケット代は使った分だけの定量制で2,800円に達するまでは0.105円/パケットで推移しますので、、その辺で我慢出来るかが3台持ちにする上での条件になるでしょう。


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