数年前に引っ越しを行ない、広い家から狭い集合住宅に移りました。別に計画的にということもなかったのですが、その時に荷物用のコンテナルームを借りて移そうとも考えていたかなりの量の本と音楽・映画などのソフト、撮りためたビデオテープ類などの殆どを産業廃棄物として処分しました。
引っ越し先に持ってきたのは、一部のCDと、パソコンで作ったデータおよび動画・写真などの入ったDVD・CDくらいですが、それもあまり見ることはありません。たまには、「もし今、前購入した本や映像ソフトなどがあれば」とも思っていたのですが、最近のニュースで作家の荒俣宏さんが数万冊の蔵書を廃棄物として処分せざるを得なかったという話を聞き、あれほどの著述家の方が集めた希少本さえもゴミとしてしか扱ってもらえない現実を見る中で、泣く泣く処分したものについての悔しさが和らぐような気がしました。
それこそ、まだインターネットのない世界においては、本・雑誌・音楽・映像のソフトを集めまくり、かなりの散財をしてきたように思えます。月の自由になるお金がほとんどそうしたソフトに化けるという感じでもあったのですが、それでも見たいものというのは見られないまま過ごしてきてしまったと感じることがあります。
膨大なコレクションは、誰かが系統建てて集める必要はあるかと思うのですが、その仕事は普通に生活している人にとっては無謀です。例えば、公的でも私的でも使命感を持って集めている方がいる場合、断舎利を考えているなら無償で提供するくらいの感じでゴミとならない方法があるのなら、そうして処分すれば良いでしょうが、残念ながら私の持っている趣味・嗜好のグッズはほとんどが必要のないものだという風に考えた方が良いのかも知れません。
ただ、そうは言っても自分の現在の状況を見ていくと、好きな音楽を聞き、好きな映画をとことん見るような事は、自分でお金を出して各種ソフトを購入していた時よりも充実しています。それは、インターネット接続とセットで、ネット配信で楽しめるサービスがあり、さらには本棚も必要なく自分で必要な本を手に入れることができる電子書籍が普及したおかげであると言えるでしょう。
昔は、自分の好きなアーティストのアルバムをLPで購入し、コンポからカセットテープに録音して繰り返し聴いていましたが、月に一枚のLPを買い録音用のカセットテープを買うだけで月3,000円くらい飛んで行ってしまいます。そんな中で映画を見に行ったり音楽・演劇などのライブに出掛けるということになると、お金はいくらあっても足りないということになってしまいます。
個人的には一期一会の出会いがあるライブには今後も出掛けたいと思っているのですが、先日のネットニュースを見ていたら、来年あたりにU-NEXTが音楽配信をするかも知れないという話もあったので、今後はネット経由の配信中心でいいのではと思っています。私の場合ですがU-NEXTとAmazonプライムの両会員になって支払う費用は、大体月2,500円くらいです。さらに、U-NEXTの場合、電子書籍の購入にも使える1ポイント1円で使えるポイントが毎月1,200ポイント出るので、雑誌は読み放題で月額料金以上はかからず、どうしても気になった新刊書を月1冊購入するくらいの感じでエンタメ系の欲求を満たすことができるというのは単に料金面だけのメリットではないものもあります。それが、「片付けを必要としない自分専用のライブラリがバーチャル空間で持てる」ということです。
現在、スマホ・タブレット・パソコンに加えて自宅の大画面テレビでも、さらに先日購入したビデオプロジェクターを使ってもオンデマンドのソフトライブラリにはいつでもアクセスできるので、今後新しく本棚を買う必要もなければ、DVDなども本当に配信される可能性のないものを除けば買う必要はなくなります。
実は先日、昔からずっと見たいと思っていたのですがなかなか見られなかった昔の映画をオンデマンドで見ることができました。これも、「ソフト購入」「再生用の機器購入」というような部分をすっとばして、今持っている視聴環境で使えるというのが良いと思っています。
ただ、これから家にあるその手のものを処分しようと考えておられる方は、ネットオークションなりフリマなどに出品してみて、買い手が付くようなら売ってその分を自分の懐に入れるように考えた方が良いと思います。私の場合はそういう事をする時間的余裕がなかったので、ほとんどのソフトはゴミ扱いになってしまいましたが、長いスパンで持ち物を減らせれば良いと考えている環境の方であれば、「ネットで全く売れないものはゴミ」という感じで考えつつ、小遣い稼ぎのつもりでフリマやオークションを楽しむのも良いと思います。