災害対策というのは本当に難しいと改めて思った今回の日本列島に出た津波警報についての対応でした。東日本大震災で高台に避難できずに失なわれた多くの人命の記憶は今も多くの人の中にあり、そのための避難場所として盛り土がされた場所が多く作られているのですが、そこにはただ広い空間が広がっているのみで、場所によっては日差しを遮るものがありません。
昨日は日本全国でかなり気温が上がり、兵庫県丹波市柏原では観測史上最高の41.2℃を記録しました。ただ、そのニュースが霞んでしまうほど、その日の朝急に起こった、ロシアのカムチャッカ半島東方沖で起こったマグニチュード8.7の大地震の影響で日本の大平洋岸に出た津波警報は、複雑な地形によって何度も津波が起き、さらに一回目より二回目の方が大きくなるなど、なかなか津波警報が解除されず、朝方から避難した人たちは一日中日差しが強く気温も高い場所で警報が解除されるのを待つような形になってしまいました。
津波によって命を落とさないために高台に避難するというのは大事な事ではあるのですが、今回の場合は扇風機やクーラーもなく、さらには日差しを遮るものもない避難場所で日中のほとんどの時間をじっと警報解除を待つだけの時間を過ごすことになったため、熱中症での命の危険が出てきてしまったのです。
今回の場合、日本国内での地震の揺れはなく、ライフラインが遮断されているわけではないためプレハブの防災倉庫に大型扇風機やスポットクーラーを入れておき、非常用のコンセントにつないで、さらにはテントやタープを出してある程度暑さを和らげるための処置はできたと思うのですが、恐らくそうした装備を持っていなかった場所も多くあると思いますし、もし日本国内で大きな地震が起き、ライフラインが寸断された中でこうした冷房装置は動かせるのか? (その場合発電機やガソリンの備蓄も必要)になります。
逆に、東北や北海道の真冬に同じ事が起こった場合、極限の寒さにどう備えるのか? という事についても考える必要があるでしょう。本当に、今回は何の災害も起こらなくてもその日差しだけで災害級の状態になってしまっていたので、今後はこうした複合的な避難場所で命の危険を防ぐためにはどうするのかということについても考える必要があるのではないかと強く思いました。
そんな中、今回の避難してきた人たちの多くは、車の窓に日差しを遮るシェードを付けて、エアコンを付けたままアイドリングして車の中で過ごすような感じで過ごしていた人もいました。今回はあくまで日本国外で起こった地震による津波警報なので、それほど長期間の影響はないと思われたかも知れませんが、それにしても一日中ずっと車の中にいると、エコノミークラス症候群になってしまう可能性もあり、個人としての対策も考えたいところです。
私の場合、さすがにエアコンを長時間動かすのは無理なので、DCモーター駆動のサーキュレーターとポータブル電源を持ち出し、保冷剤を入れたクーラーボックスにペットボトル飲料をたくさん入れて避難し、気化熱を利用したタオルを使いながら体を冷やしつつ警報解除を待つような事はできるかと思いますが、日陰を作るというのは今の装備ではできません。
今後は、車に付けて日陰を作ることのできる「カーサイドタープ」の導入についても考え、その中に以前から用意しているコットとメッシュのインナーテントを設置するような事についても考えてみたいですね。この組み合わせなら車での夏キャンプもできそうですし(積極的にやりたくはありませんが)、今後に向けての対策についても色々考えてみたいです。