インターネットでの発信は私が発信しているブログから動画配信が主流になり、SNSでは長文での投稿が嫌われる傾向にあり、スマホの画面キーボードで短文を打つことができれば十分という認識の方も多いと思います。
さらには、音声によるテキスト変換の技術も向上しているので、外での使用は難しいシチュエーションもあるかも知れませんが、今では私のように物理的なキーボードを使って長文の入力をすることに興味のない方もいるかも知れません。
ただ、学習でのレポートを作るなど、限られた状況下ではキーボードを打って長文を入力することを必要とする方もいます。そのためにノートパソコンを持ち出す人がいたり、スマホやタブレットと合わせる目的でワイヤレスキーボードを持ち出す人もいるのですが、AndroidOSの入ったスマホやタブレットと外付キーボードを合わせる場合、使える入力方法に一定の制限が出てきてしまいます。
普通の方は、両手で入力するキーボードから「ローマ字入力」を行なっていると思いますが、そのままでも設定を入れ替えることで「かな入力」を行なうことも可能です。かな入力の場合は英字が印字された三列のキーボードだけでは全てのかなが入力できないので、一番上の数字キーにもかなが割り振られていたり、記号のところにも割り当てられているので、ノートパソコンなど特殊なキーボードの場合配列がめちゃくちゃになっていて、外付けキーボードもちゃんと選ばないとせっかく覚えた入力方法が満足に使えなくなる恐れもあるのですが、とにかくスマホ・タブレットと外付キーボードで日本語入力はできます。
あと、これは余談ですが日本語ワープロが誕生した時期、各メーカーから製品が出てきましたが富士通のワープロでは「ローマ字入力」「かな入力」だけでなく、独自配列の「親指シフト入力」というものがありました。この入力方法は現在製品としては出ていないものの、この入力方式を使い続けるユーザーらによって細々と多くのハードで「親指シフト入力」が使えるようなアプリが出続けてきました。Windows・Macのパソコンはもちろんですが、Linuxにもエミュレータがあり、Androidが出てくる前のMicrosoft Windows CEでも使えるエミュレータが提供されてきて、現在Androidで使えるものもあります。その点については、現状でどうしても外でも親指シフトを使いたいという方のニーズは今のスマホでも捉えていると言えます。
ただ、基本的にはパソコン・スマホ・タブレットのどの端末でも、ここまで説明してきた日本語入力方法以外の入力方法も実現できるはずなのですが、親指シフトほど熱心なユーザーが存在しないマイナーな入力方法を行なっている人にとっては、どうしても制限ができてしまうのです。
ちなみに、私の現在使っている入力方法は、基本ローマ字入力の仕組みを使っているものの、ローマ字入力とは全然違った法則性を持った「ローマ字定義ファイル」を特定の日本語入力ソフトに読み込ませることによって実現しています。ローマ字をキーで叩いて日本語を画面に出すために、日本語入力アプリの設定を見ると以下のような定義がされていると思います。
a→「あ」
sa→「さ」
ki→「き」
yu→「ゆ」
me→「め」
mi→「み」
si→「し」
これらの日本語は、いわゆる「変換」をしなくても日本語入力モードになっていれば、私たちが学校で覚えたローマ字をキーボードから入力すると英字を入力しながらもかなとして表示することができるのですが、全く別の法則で日本語のかなを登録することで、自分なりに便利な日本語入力ができるのですが、この「ローマ字定義ファイルの全書き換え」という機能は、残念ながらAndroidなどのスマホ・タブレットでは設定できないようになっています。
大昔にはパソコン用の日本語入力ソフトでも「松茸」や「WXG」など、過渡期にはそうした設定が簡単にできる日本語入力ソフトがあったのですが、こうしたソフトを駆逐した「ATOK」には残念ながらこうした機能は付いていません。
今のところ、そうした機能が付いた日本語入力ソフトは、Googleのパソコン用「Google日本語入力」とLinuxで使える「Mozc」のみになってしまっています。Android用の「Google日本語入力」というアプリもありますが、こちらの方にはローマ字カスタマイズ機能は搭載されていません。そんなわけで、持ち出すハードの中には何としてでもMozcの使えるLinux Mintの入った端末を入れたいと思ったのです。
実際のところ、ここまで書いてもどこが便利なのかのイメージがわかない方もいると思うので、以前書きましたテンキーとパソコンをつなげて日本語を片手だけで入力できる方法について紹介したエントリーのリンクを載せます。この他にも、両手で打つためのキーボードの右半分・左半分のキーを使った片手入力をセットすることもできるので、利き手で別の事をしながら入力は反対の手で入力するような場合に活用しています。こうした自由さは、私が最初にパソコンを購入したはるか前からあったものですが、そうした事が知られていないというのは大変に残念であるとともに、今でもこうした入力方式を使い続けることができる状況に感謝しながら自由な日本語入力カスタマイズを楽しんでいきたいと思っています。