NHKは受信料という形でテレビを設置している家庭からお金を取っていますが、今後はテレビを持っていなくてもNHKの番組を見たいと思った場合、現在の地上波視聴料と同じ額の料金がかかることにこれからなっていくことが明らかになりました。
ちなみに、現在はテレビがなくインターネットで動画などを見られる環境にある場合、ウェブサイトやスマホ用のアプリ提供という形でサービスを行なっている「NHK+」を利用することで、メッセージが入って見にくいことはあると思いますが、NHK総合とEテレ(NHK教育)の地上波のほとんどの番組を同時配信でリアルタイム視聴できるようになっています。ニュースでは、今後「NHK+」自体の新規登録ができなくなる可能性についての言及がされつつ、今年の10月からは現在受信契約者のみの特典である一週間分の見逃し配信の利用および、同時配信を含めてのものに変わるそうなので、今後インターネット経由で正式にNHKの番組を見るためには受信契約(地上波)と同様の料金支払いが必要になるということなのです。
つまり、自宅にテレビはなくてもチューナーレスのモニターがあったり、パソコンやタブレット、スマホでNHK地上波テレビとの同時配信および見逃し配信を見るためにも受信料と同額の負担が必要になるので、ユーザーの行動は分かれるのではないかと私は思っています。
ちなみに私は、地上波だけでなく衛星放送も見られるようにしていて、古いテレビでは見られないはずの4K放送も単独の外付け4Kチューナーをメルカリで買って画質はそれなりですが4K放送独自のコンテンツまで楽しんでいますので当然NHKも衛星放送契約をしています。今のNHK+はBSや4Kの放送については同時配信や見逃し配信の対象外なので、あえてお金を出してテレビを見ることを選んでいます。
ネットフリックスなどの有料配信は、いつ料金が上がるかわからないというところもあるので、今後の状況によってはNHKテレビのコンテンツと比較して高いと感じるような価格設定になるかも知れません。そういう風に、テレビ受信料を払ってテレビだけでなくNHKのテレビの見逃し配信を見たいという考えを持っているというのが一つの方向でしょう。なお、その場合は今払っている受信料だけの負担でインターネットの配信サービスは使える方向で考えられているそうです。
逆に、インターネット接続料の支払いを基本にして、必要な配信にお金を払うと決め、NHKの番組は必ずしも見ないので必要ないとしながらも、テレビのコンテンツは何とか工夫して見たいと思うような人です。即時性のあるニュースを見たいという場合、民法のニュース専門チャンネルをブックマークするか、アベマTVのニュースチャンネルを使えば、大きな災害・事件が起きた場合にテレビがなくても、テレビからの情報とそこまで遜色なく情報を入手することができます。
最近は地上波テレビで放送されないスポーツ関連のコンテンツもありますので、日常的に受信料を払わないことにして、必要な時に有料のコンテンツにお金を出して見たいものは見るというスタンスは当然出てきますね。
もう一つあるとしたら、今まで挙げたようなテレビによるニュースを全く見たいと思わず、動画コンテンツなどにも全くお金を出す気はないという人たちでしょう。以前、NHKがパソコンやスマホなど、インターネットを使えるハードを持っている人にも受信料を請求するのでは? という話題が出て騒動になったことがあります。ただ、今回の報道ではあくまでパソコンやスマホを使ってNHKの番組を見たいと思った人に今の地上波受信料と同じ料金を払わないとサービスを利用できないとするものなので、ネットは利用するもののテレビに関連するものには興味はないという場合にもNHKから料金を請求されるということはないと思います。
今回の変化によるポイントは、果たしてどれくらいテレビのないご家庭で(チューナーレステレビしか家にないご家庭を含む)ネット経由でのNHKテレビのコンテンツを契約する人が出てくるのかということですね。NHKでは2025年度の受信料収入のうちネット受信料は、年間で1万件・およそ1億円を見込んでいると言うことですが、果たしてそううまく行くのかどうか。私自身はNHKの全てが嫌いということではありませんが、言論の多様性という点では疑問に感じることもあります。ジャニー喜多川氏の問題がUKの公共放送であるBBCの特集番組から日本に逆輸入されて大きな問題になりましたが、日本の公共放送であるNHKも権力におもねることない報道姿勢を持っているかというのは、一部にはあってもそうしたくない人も中にはいる感じがしていて、全面的に信頼できるかどうか判断が難しいところがあります。
現在のテレビに対する批判の中には全てが正しいものではないと思いますが、きちんとした報道姿勢であったり、安心して見ることのできる質の高い番組を作って評価を受けていけば、テレビ受信機がなくてもネット経由でNHKの番組を見たいと思う人が増え、ネット契約が増えていくのだろうと思います。そうした事ができるかが、ネット利用者に利用料を払ってもらえるかどうかの鍵になる気がしてなりません。
NHKの問題は一つは独立行政法人のように官でもなければ民でもなく監督機能が十分に機能しない事です。国の組織であれば曲がりなりにも国会の監視がありますが、現状は不十分です。
そして組織の肥大化です。当初の目的から組織自体の維持存続がその目的となっている。
NHKがワンセグまで受像機として視聴料を徴収するようになってワンセグ機能は搭載されなくなりました。
ただ政治的姿勢でNHKを不要とする向きもありますがそれは違うと思います。そもそも厳正中立などあり得ない。右翼から見れば中道も左翼、左翼から見ればやはり中道は右翼です。反共からすれば反共以外は共産主義なのです。
ネットでも視聴料を徴収するならば衛星放送も見れるようにしてもらいたい。衛星放送はそれなりに質の高い番組もあります。
一方広告収入で維持される民放も苦境です。キー局は次第に不動産収入で広告収入の不足を補っていると言えるのでは。
早晩キー局同士の統合もあり得るでしょうし、地方局の破綻は避けられないと思います。ただデジタル化時点で衛星放送に一本化すれば費用は半分で済んだと言う話もありました。ただ地方局は地方の有力者と関係が深いので維持されたと言う話でした。
製作費の問題もあり、俳優陣もTVから配信に活動の場を求める傾向にあるようです。
ネット配信化する中でNHKがどのように取り組むかには関心を持ってみていきたいと思います。
ケータイオタクさん コメントありがとうございます。
NHKが嫌いな人はテレビを捨てて、ネット配信はNHK以外のところから情報を得るということも今後はやる人が多くなってくると思います。そんな中、やはりNHKには番組作りをきちんとして、コンテンツとしてお金を払ってでも見たいと思えるものを多く作っていって欲しいですね。衛星放送のリアルタイム配信については私も同じ意見です。世界のドキュメンタリーや紀行番組は過去のアーカイブと合わせて見ごたえがあるので、そうしたものの見逃し配信で見られると良いですね。
あと、こうした流れが当り前になるとあえてテレビチューナーを手に入れなくても中速くらいでスマホの中の動画が快適に見られる通信環境があるなら、スマホ・タブレットでどこにいても家と同じように情報が入れられます。災害時や旅用ということだとタブレットでテレビの同時配信を見られるようにしておくと、何かの時にみんなで同じものを見られるようになるので、そんな事も考えながらネット配信について考えておくことも大事だと思いますね。