「地獄の深夜バス」から「快適な寝台夜行バス」への転換ができれば旅行には大きな変革となるのでは?

国土交通省は、2024年11月19日に高速バスのフルフラット座席に関する新しいガイドラインを発表したそうです。私はバスの座席をフルフラットにすることによって、事故が起きた場合の影響が心配な部分はあるのですが、社会的な流れの中で深夜バスの利用環境が良くなるのなら、どんどんやって欲しいと思っています。

一口に夜行バスと言っても、その内容というのはかなり違います。まず、座席が観光バスのように4列シートのバスは隣席との間が狭く、もはや寝ることを拒否するような環境であるだけでなく、隣の乗客から痴漢行為を受ける可能性もあるので、全ての人が安心して使うことは難しいと思います。ただ、私の住む静岡から出たり、静岡へ向かう夜行バスは殆どが従来型のバスを流用しただけの4列シートなんですね。これだとよほど神経が強い人でないと目的地まで熟睡することは難しく、翌朝から観光をするにも疲れてしまいます。

今後、大都市のビジネスホテルでも海外からの観光客との競争になる中で、少し前なら5~6千円くらいで泊まれたところが、平気で一万円以上かかることも珍しくありません。そうした状況の中で夜行バスの環境も変わっていくことが望まれます。

今あるのは、4列でなく3列で全ての座席と座席との間に通路があるようなタイプのバスですが、これなら少なくとも隣席の知らない人との接触は避けられます。しかし、前後の空間が狭いとリクライニングをする場合、例えばそれが途中から乗って行く場合には後ろの乗客に迷惑を掛けないかというストレスになってしまいます。

そうした状況の中で国土交通省がガイドラインを出してきたのだろうと思うのですが、走行中に寝るので完全にフルフラットになってしまうともしバスが交通事故を起こしてしまった場合に体がシートに固定しにくくなるかも知れないので、シートに工夫をして背もたれをそれなれに倒すことができ、さらに最大限座席を倒した状態でカーテンを使って他者とのコンタクトを遮断するようなスペースを確保できるような夜行バスが一般的になれば、隣の人のいびきがうるさければ耳栓をし、車内の明かりが気になるならアイマスクをして、何とかバスの中で寝る体勢が取れるだけでもかなり違います。

当然、長時間の乗車になるわけですからエコノミークラス症候群にならないくらいのシートは必要ですが、そうしたシートが夜行便で当り前になってくれば、移動しながら快適に一夜を過ごせる乗り物として、今よりも更に注目が集まるようになると思います。

ただ、車内の快適さを求めれば求めるほど、バスの定員が少なくなり、バス会社の収入という点では魅力が薄れることは確かです。ただこれも、最近の路線バスでは一台のバスにもう一台の「客車」を連結する「連節バス」が走っていますので、このバスに高速道路を走らせる事ができれば(現在は連節バスは高速道路は走れないようです)、また状況は変わっていくだろうと思います。

今後、夜行の列車について新しいものが出てくるどころか、今走っている車両もかなり古いものなので、いつ無くなってもおかしくありません。バスの中の寝台をどうするのかという問題はあるものの、多くの乗客を乗せて乗客が快適に過ごすことができるような知恵を関係される方に考えていただくことで、新たな旅の形としての「夜行バスによる車中泊からの観光」というリーズナブルな旅の形も現実味を帯びてくるのではないかと想像します。バスの自動運転とともに寝台の進化が行なわれることを期待したいですね。

カテゴリー: 車関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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