前回の投稿は防災ラジオについて紹介しましたが、これはインターネットが使えなくなった場合の情報を入手するための手段です。私たちは、車に乗って移動する時間を持っている人でなければ、なかなか日常的にラジオを聞くという習慣がありませんので、日頃から、スマホのアプリにあるradikoでも良いので、どんなラジオに慣れておくことが必要ではないかと思います。NHKであれば、一時間ごとに天気予報やニュースの時間があるので、入手したい情報の種類によっては、ラジオを付ける時間が決まってきます。
また、おすすめラジオとして紹介した、単三型電池2本で長時間使える小型ラジオであれば、スマホのように始終バッテリーの残量を気にしながら使うこともないので、その点は有利です。ただ、情報を視覚から入手したいと思う時もあるかと思います。しかし、停電になってしまうとなかなか家にあるテレビを動かすのは難しいものです。私はポータブル電源を持ってはいるものの、大型テレビはそれなりに電気を食うので、大事なポータブル電源にためた電気をテレビを見るためだけに使いたくはないので、他の手段を使ってテレビを見ることを考える必要が出てきます。
と、こういう話をしていて思い出すのが、昔ガラケー最盛期にはとんでもない機能を持つガラケーが出てきていたことです。そもそも、携帯電話にカメラを付けるということが当時は画期的でした。ガラケーはいつでもインターネツトに接続できるので、そのガラケーで撮った写真はいつでも他人に送ったりみんなで共有できます。こうした製品が出る前は、いちいちデジカメとパソコンを接続して画像を転送し、パソコンから送るという感じで使っていました。今は全て手の中でそうした作業ができるのですが、当時にはあって今のスマホにはない機能というものが実はあります。それが、ガラケーでテレビ放送を見ることのできる「ワンセグ携帯」です。
当時のガラケーにはワンセグ放送を見るためのチューナーが付いており、携帯電話の小さな画面ではありますが、地域の地デジの放送をインターネット接続を使わずに見ることができました。また、パソコンでもUSB端子にワンセグチューナーを接続することで、パソコンの画面でテレビを見ることが普通に行なわれていました。私の友人が引っ越した際、テレビをあえて買わないで、パソコンでテレビを見て過ごしていましたが、当時は仕事で残業が当り前になると、自宅には寝に帰るだけというケースもありましたので、一応テレビはガラケーのワンセグやパソコンで見るというようなライフスタイルもあったのです。
現在のスマホでは、世界で同じハードを使うようになっていることも関係しているのか、日本国内でのテレビ離れの影響もあるのか、ワンセグ機能のあるスマホというものを見なくなりました。動画配信が充実し、電池を食うワンセグでテレビを楽しむ人が減ってきているということもあるでしょう。その代わり、Androidスマホを中心にFMラジオの付いたスマホは結構あります。ただ、この機能も今後のスマホの進化を考えると無くなっていく方向に進んでいくのではないかと思っています。FMラジオ付きの端末は有線のイヤホンを接続することでアンテナの代わりとして利用していますが、FMラジオが付いていないiPhoneはすでにイヤホンジャックを付けないという形の端末を一般化させていますし、Androidでもそうした製品は多いです。有線ではなくワイヤレスイヤホンで利用する人が普通になっているということもありますが、個人的にはラジオを聞くためには前回紹介したようなインターネットを利用しなくても長時間聞き続けられる乾電池駆動の小型ラジオと有線イヤホンを別に用意しておくのが正解な気がします。
それで、今回の本題であるスマホ・パソコンでテレビ放送を見るにはという話です。実のところ、今の段階でもNHKはNHK+というサイトやアプリで、地上波のテレビ放送についてのインターネットによる同時配信を行なっています。また、民放についても、夜7時前後からのゴールデンタイムに限ってですが、TVerのサイトおよびアプリにおいて、一部同時配信を行なっています。また、インターネット放送のAbemaTVや動画配信のYouTubeでもリアルタイムに情報を発信しているので、それらの事を理解していれば、インターネットが使えるのであれば、問題なく主要なテレビ放送を見ることができます。緊急時においては、恐らくTVerでも同時配信される時間がしばらくは24時間体制になると思いますので、利用する側としてはサイトのブックマークやアプリの入手をしておきましょう。「NHK+」「TVer」「AbemaTV」「radiko」「YouTube」のアプリくらいはスマホに入れておいて、いつでも使えるようにしておけば、スマホと複数のモバイルバッテリーだけでも十分必要な時にテレビのニュースを見ることはできます。
ネット経由でテレビを見ることの利点というのは、例えば大きな地震で家が倒壊まではしなくても損傷してしまった場合、状況によってはテレビのアンテナが使えなくなってしまうと、たとえ電気が来たとしても家のテレビは使えないということになってしまいます。ですから、ネットだけで見られる状況を作っておくと、例えばですが大型テレビにAmazon FireStick TVをセットしてネットに繋げば、大型テレビ自体をネット経由の動画配信を見るためのツールとして活用することができます。室内アンテナを別に用意して無理に見るよりも、ネットさえ繋がっていればこの場合は良いわけで、いざという時のテレビチューナーやアンテナについて考えるより、最低限動画をスムーズに見られるインターネット環境を作っておくことが大事だと個人的には思います。
そう考えると、私は今楽天モバイル回線を通話用のメインとして使っているのですが、端末の関係でeSIMにしているので、残念ながら過去に使っていたホームルーターにSIMを入れて使うことができません。今の端末が使えなくなったらSIMを物理SIMに戻し、いざという時にはホームルーターに入れて無制限での通信を行ない(自宅の光回線が使えなくなった前提で)、通話やSMSの利用についてはパソコンに導入したデスクトップ版Rakuten Linkを使うようにすれば、通話およびSMS送信無料の通話環境はパソコンにつないでその機能を維持しながらもインターネットを自宅で活用できます。
ただ、パソコンを停電状況で使い続けるというのも難しい状況は出てくるでしょう。そのために一つ、普段遣いのものとして用意しておくと便利そうなのが「通話可能なタブレット」ではないでしょうか。タブレットならスマホより画面が大きいのでテレビ放送を含む動画を皆で見ることも大変ではなくなります。充電もスマホ用のモバイルバッテリーが使えるので、かなり扱いも楽になります。電話用にイヤホンマイクがあった方が良いかも知れませんが、そのくらいの準備で、少なくとも楽天モバイル回線を使って、インターネットも通話も無制限(通話についてはナビダイヤルなど対象外のサービスもありますが)でどこでもできるというのはかなり良さそうですね。
そんなわけで、災害時にも色々なところから情報を取れるように、最低限の準備をしておくことは悪いことではありません。タブレットは日常的に持ち出しても便利に使えますので、以前も書きましたが手頃な製品を近いうちにゲットしたいですね。