ここ数日のJRに関するニュースと言うと、新幹線路線のテストをしながら走行する「ドクターイエロー」の運行を止めるというのが一番で、コスト削減のためなのかと思っていました(今後は普通の新幹線を使って今と同じような事はできるようです)。
こうしたJRの動きは、私が良く使わせていただいている季節のきっぷ「青春18きっぷ」にも影を落としていました。今までは年ごとに季節ごとの発売日についてのアナウンスがあって、利用するものからすると、毎年売られるのが当り前という感覚があったのですが、今年(2024年)の夏の発売についてのアナウンスがなかなかされず、もしかしたら青春18きっぷもドクターイエローと同じようにひっそりとなくなってしまうのかという心配をしていました。
例年は7月10日から発売され、同20日から9月10日まで有効なものが売られるのですが、今年は発売日から一ヶ月を切った状況の中で、例年と同じく販売されることがようやく発表されまして、個人的にはほっとしています。料金は5回分がセットになって12,050円で、一回あたり2,410円でJRの普通列車が一日乗り放題になります。今年は北陸新幹線の福井県への乗り入れによって、18きっぷで行くことが難しくなった場所も増えましたが、それでも普通列車が走っているエリアはそれなりにあるので、勝手気ままに出掛ける旅をとりあえず今夏も行なえます。
18きっぷを使わない人にとっては、そもそも興味がないという方もいるかも知れませんが、このところ生活にかかる費用が軒並み上がっている中、お金はないけど体力だけはあるという人にとっては安く帰省ができたり、旅に出られたりと、このきっぷが出た当初のコンセプトに合った人たちの利用がなされて欲しいと切に思います。今の社会状況を考えると10代の学生ではなかなか豪華な旅はできないと思いますが、その世代に「旅の楽しみ」というのを今の時期に理解できれば、年を経るにしたがって観光地にお金を落とすような旅を楽しむ消費者として、JRだけではなく他の事業者や観光業全般に関わる人にとっても好影響を与えるのではないかと思います。
私自身の場合について考えてみても、自分の車で出掛けたり、船や飛行機を使ったりするなど、18きっぷの旅しかしないということでもありません。ただ、学生時代は移動費を極端に切り詰めた、体力的にも苦しい旅行を行なってきたことで、今に至っても旅行に対しての意欲は衰えていません。さすがに新型コロナの時には出たくても出られないような状況にはなりましたが、騒動が収まってまた出掛けようと思えています。
もしかしたら、JRとしては今回の2024年夏の18きっぷの発売について、止めようかどうしようかという考えはあったのかも知れません。乗り放題というのは、ネットの使い放題と同じく、使えば使うほど利益が上がらないということにもなってしまうので、経費削減という点から言うと、今年は大丈夫かも知れませんが来年はどうなるのか東海道新幹線を走らせているJR東海にとってはリニア工事にお金を掛ける決断をした場合、一気になくなってしまう危険性は今後も有ると思っています。
そんなわけで、今回の発売アナウンスにより、この夏に18きっぷが使えることが確定したので、個人的には多くの人に普通列車の旅の面白さを感じて欲しいものです。
のらくろ です。
元々は、学生定期の「空白時期」である夏休み、冬休み、春休みに、できるだけ鉄道に乗って欲しい、という国鉄・JRの思惑と、いつの時代にもいる「テツ」の思惑の一致で出てきた企画乗車券ですからね。学生定期による収入がなくなる分を、如何に穴埋めできるか。4~5年前には、年間3回で数十億の売り上げになっていたそうですから、これが続いていればそうそう簡単には切り捨てられないかなと。
但し、JR各社になってから、土日祝のみエリア限定の1日乗車券系がかなり充実してきましたので、国鉄時代に比べれば、ニーズは減少しているかもしれません。
ともあれ、名古屋に住む身としては、丸1日潰して東京で3時間とれる、というのはありがたい限り。この時期だけは、高速バスとも十分に渡り合える「青春18きっぷ」、発売される限りは有効に使いたいものです。
のらくろさん コメントありがとうございました。
青春18きっぷのシニア世代による利用も盛んですが、それこそ18きっぷ黎明期に利用していた人が使い込んでいるケースもありそうです。本来そうした利用の仕方はJRは想定していなかったのかも知れませんが、私のいる地域でもシニア層の交通パスが廃止されるような状況にもなっており、定年後で時間はあるがなかなか出かけられないというようなニーズに合うようになってしまったというのは皮肉な結果だとは思います。
今年から、青春18きっぷ最大の鬼門と言われている静岡県の東海道線の一部に新型車両が導入され、さらに来年以降は中央線にもグリーン車を連結した普通列車が走る計画になっているなど、若い世代からシニアに至るまで、まだまだ楽しめる切符としての価値はあるのではないかと思います。もしかしたら紙の切符でなくなり、スマホ上でQRコードという形になっていく可能性もありますが、それでも私が出かけられるうちは発売されていてほしいですね。のらくろさんも十分にご自身の移動のために利用してください。