旅先の温泉浴場や旅館のお風呂について誠実な施設を選ぶために公開してほしいこと

福岡県の二日市温泉「大丸別荘」において、お盆と正月の年2回しかお湯を交換せず、そのためにレジオネラ属菌が繁殖し、状況によっては入浴した人が感染症になって命の危険があるほどの状態だったことが判明したニュースは、今後の観光業界にもかなり大きな影響を与えたのではないかと思います。

というのも、規模が多い温泉施設であればあるほど、こまめに全ての浴槽をきれいにするには人手が必要で、コロナ関連で一旦解雇した従業員が戻っていない施設はかなり大変なことになっているだろうと思うからです。それだけでなく、長いこと観光旅行に行く人がほとんどなかったことで、営業自体を継続すること自体が難しかった旅館業界では、お湯の汚れをフィルターによって濾過する設備を持っているところでは、規模の大きさこそあれ、止むを得ず掃除をする頻度が下がってしまっていることが考えられるからです。

それにしても、レジオネラ属菌の恐さを感じていなかった経営者の発言というのは、その入浴施設を利用する人にとっては、もっと深刻に考えなくてはいけません。それでなくても、今回のお風呂のようにお湯を循環しているのにそれを明らかにしないような施設があるかも知れませんし、今後はそのお風呂が本当に「かけ流し」であるかということを調べるのと同時に、きちんと定期的に風呂掃除が行なわれているかということを調べてからでないと気持ちよく入浴することができなくなってしまうというのは残念ですね。

今までは床や浴槽の底の部分がぬるぬるしていても、それは温泉の成分のせいだろうと思っていた方も少なくないかと思いますが、今後は営業時間が決まっている銭湯は大丈夫だと思いますが、お湯を循環することで営業している温浴施設については、営業を休止するお風呂掃除の時間を設けているかということも、旅先で利用する際には考えておかなくてはいけなくなりました。

これは温浴施設だけの問題ではなく、最近頻発している回転寿司や牛丼店などで食事をしに来た客側からの不衛生な行動や、飲食店内部でもキッチン内で実に不衛生な行ないをしている従業員の行為が問題となるなど、今まで「性善説」を信じ、安心して受けていたサービスが信じられなくなりつつあります。これは、海外からやってきた旅行客の評判にも関わってくるので、今後日本が観光客を海外から呼んでいこうという状況に冷水を浴びせるような事にも繋がりかねません。

こんなことを書いていても、ほとんどの方が今まで通りきちんと仕事をこなし、お客の方でもきちんとマナーを守ってお店のルールに従っていると思うのですが、たった一人でもそのルールをわざと外すような事をやる人がいると、そのためにルールの内容どころか、お店としての存続すら危うくなってしまうようなことも今後起こってくるのではないかと思います。

ただ、まずは企業側が現在の状況をきちんと出すことが第一歩かなと思います。話を温泉旅館や日帰り温泉の話に戻しますが、温泉の成分はもちろんのこと、鉱泉を加熱しているのか湧いたものをそのまま使っているのか、お湯は循環しているのかかけ流しなのか、塩素消毒をしているのかいないのか、浴槽の清掃はどうなっているのかなど、きめ細やかな情報提供があれば、たとえ沸かし湯で循環であっても、さらには楽しみに出掛けて来たものの、お風呂掃除の日で休業日だったということがあっても、安心して利用することができるでしょう。

逆に、楽しみにやってきたのに、閉まっていて入れなかったというような事が起きると、当然その人にとってその温浴施設はあまり良くないものに感じられるかも知れません。しかし、厳密に誠実に温泉の品質を第一に考えた運営をすれば、当然24時間入浴可などということはできないわけで(多くの人が利用するのであればさらに通しでの営業は難しくなります)、誠実に営業している施設については冷静に評価してあげなくてはいけないと思います。今回のような事件が起こると風評被害も起こって温浴施設の関係者の方は大変だろうと思いますが、ぜひ施設の方々には利用者の安全を第一に考えた情報開示や営業を行なって欲しいと切に願っています。


カテゴリー: 旅コラム | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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