「ポケトーク」のスマホアプリ化は海外旅行など期間限定利用に特化して便利か

「ポケトーク」というのはいわゆる翻訳機で、現在は単に旅行用というだけではなく、企業の窓口で日本語が喋れないお客さんが来た時に使えるように常備しているところも少なくありません。

個人的には、翻訳専用のハードを持つのは悪いことではないとは思いつつも、それほど頻繁に海外に行ったり日常的に日本語以外の言語を話す方と喋る機会がなければ、わざわざ購入して使うというのは、個人的に躊躇するところもありました。価格の面もありますが、この「ポケトーク」はネット通信を使ってクラウドからの情報を引き出すようになっていて、当初購入した本体料金の他に通信料も入っているので(購入後2年間有効だがその後は新たに通信料が必要)、別のハードで購入するよりも、スマホで使えるならという風に思っていたら、今回スマホ用のアプリとして販売されるということがニュースになっていました。

このアプリはiOSおよびAndroid OSのスマホで使え、2022年4月26日から提供が開始されるそうです。といっても無料で使えたり、アプリ自体を使うためにお金を払うやり方ではなく、アプリを利用する使う期間によって料金が変わってきます。今回発表された料金プランは、週額120円、月額360円、年額3600円(いずれも税込み)で、初回3日間は無料で利用できるとのことです。

こうしたものは、やはり全て無料で使うことにはこちらの方も逆に抵抗感がありますし、時刻表アプリと同じような感じの課金体系になっているのではないかと思います。一週間以内の海外旅行で使うだけなら120円+現地で利用できる回線(海外で利用できる通信が可能なプランであれば今使っているスマホを海外でもそのまま利用できます)を用意すれば、自分のスマホでそのまま使えますし、日本にいて常に使うようであれば、回線についてはそのままで、アプリについてのみ月毎か年間の支払いを考えれば良いのではないかと思います。
ちなみに、アプリの販売元はソフトバンクになるようなので、ソフトバンクおよびY!mobileユーザーには6ヶ月無料で利用できるようなキャンペーンを行なうようです。ちなみに私が契約しているLINEMOの方は対象外になっているとのこと。それは残念ですが、現在出ている様々な翻訳用のアプリに不満がある場合には、3日試して結果が良いようだったら使う時だけお金を払って利用するというのも悪くないような気がします。

ちなみに、製品版のポケトークは、翻訳機能のみのエントリーモデルが9,900円で(機能付きの上位グレード品もありますが、アプリ版が出た以上はエントリーモデルとの比較をします)、2年間、世界各地での利用が可能なSIMカードが最初から入っています。それ以降も同じ製品を使い続ける場合は、2年間で11,000円、1年間なら5,500円、2週間だと3,300円という費用を掛けてのSIMカードによる通信機能の延長手続きが必要になります。この辺は、自分の出掛ける国のSIM事情および海外でも使えるSIMフリースマホの情報をしっかりと把握していれば、2年続けてアプリ課金をしても専用品より安くなりますし、そのうちに使っているスマホのグレードも上がっていきますので、個人的にはアプリで使った方が良いと思われます。

そう考えると、日本国内で使うスマホについても単純に大手キャリアのスマホをそのまま使うのではなく、常に海外での利用を見据えて、国内の他キャリア及び海外での利用も可能なSIMフリーなものを入手し、それを増やしていく(予備器として)ということも大切です。その上で海外に行った時に、SIMカードは現地調達にするか、ahamoのように世界各地で海外に入って15日まで高速通信を上限20GBまで行なえる(15日までに高速通信を使い切ってしまった場合も、国内と同様に最大1Mbpsでデータ通信できますが、それを超えて滞在した場合には帰国するまで最大128kbpsに制限されますので注意)ようなSIMを入れたスマホで海外でも使うかというような選択も可能です。ちなみに、製品版のポケトークでは、一回の翻訳について大体100kbps出ていれば動作するという見解が出ていますが、ahamoでの規制がかかった後はちょっと微妙ではあります。2週間以内の海外旅行ならahamoを普段遣いしながら海外でも使うというパターンは良いと思いますが、もしahamoでの現地での15日を超えた長期利用を考えておられる方は、電波の状況によっては当然100kbps出ない場所もあると思うので、実際に利用する場所できちんと100kbpsのスピードが出ているか確かめつつ使うのが良いでしょう。

あえて専用機的に使うなら、中古ショップなどでアプリの動作が保証されたスペックとともに、海外でも使えるSIMフリーのスマホを安く購入して(あるいは以前使っていたスマホを流用して)、メインで利用するスマホとは別に「ポケトーク専用スマホ」を作るというのも一つの考え方ではあります。


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