いい製品でも手に入らなければ……

先日紹介した熱中症対策が施されたマスクとして本命視されていたYONEXのスポーツフェイスマスクの販売方法が明らかになりました。その内容について紹介しつつ、今後のマスク争奪戦についても考えてみたいと思います。

まず、マスクは6月15日の正午から予約を受け付けますが、申込順の予約になるそうで、恐らく瞬殺になるものと思われます。いわゆるオートパイロット系の購入用プログラムを事前に用意できるようなネットショッピングのプロに持っていかれるのではないかと思いますし、さらに用意する販売方法によって、誰も購入できないままネットにつながらなくなるなど、さらなる混乱が起こることも考えられます。

というのも、販売は1枚ずつではなく4枚で1セット3696円(税込)+送料で、合計2500セットの10,000枚の販売に留まります。さらにYONEXからの案内メールには転売禁止等の記載はなかったので、もしサイトのダウンがなく売買が成立したとしても、プロのネットショッピング術を行使した転売屋の格好の餌食になるような気がするのは私だけの危惧ではないと思うのですが。

ちなみに、過去に独自の布マスクを販売したmont-bellの場合は、先着順ではなく抽選方式で、事前にクレジットカードの番号を送信して仮購入の手続きを行なった人の中での抽選になっていました(当せんした人だけクレジット決済が行なわれる)。用意したマスクの枚数は90,000枚で、セット販売ではなく一人あたり2枚までの購入を受け付ける(1枚だけでも購入可)というものでしたが、予想を上回る申し込みがあったらしく、私自身申し込みましたが抽選から漏れてしまいました。

現在、紙マスクは価格も下がりかなり入手しやすくなっています。そんな中で、事前にテレビの取材を入れて多くの人に期待を持たせている中で、たった10,000枚のマスクを4枚セットで、しかも先着順で販売するとは、もう紙マスクには余剰があるからとたかをくくっているのか、あまりにも消費者の事を考えていないのではないかという風に思ってしまいます。事前の報道を見ると、この夏に外で仕事をする人にとっては魅力的なスペックのマスクではあるのですが、マスク自体の性能は高くても、手に入らなければどうにもなりませんし、今後YONEXのマスクより安く、さらに店頭での購入ができるようなマスクが出てきたら、そちらの方に人々はなびくでしょう。さらにマスクが転売されてプレミア価格が付いたらそれも大きく報道されるでしょうから、転売ヤーのために販売したのかという批判にもつながりかねないでしょう。

日本の企業は素晴らしい技術力を持つところが多く、YONEXについてもそうした技術については一歩抜けているからこそ高性能なマスクが作れるのだとは思いますが、さらにそこから進んで、いかに定価で多くの人に使ってもらえるように製品を供給するかということもしっかり考えてくれないと、良かれと思ったことが反対の作用をしてしまうことも十分にありえます。私自身さすがに月曜日の昼からマスク争奪戦に十分な用意のもと参戦できませんので、今回の販売についてはきっぱり諦め、もう少しユーザーの方を向いた企業が作ってくれる夏用マスクを手に入れられるように頑張ってみようと思います。


カテゴリー: 防災関連ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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