先日紹介させていただいたように、大手キャリアのサブブランドであるUQモバイル(auのサブブランド)・Y!mobile(ソフトバンクのサブブランド)が楽天のRakuten UN-LIMITに対抗するプランを出し、7月から揃ってプラン提供されます(UQはすでにサービス開始済)。
そうなると、一つ取り残されてしまうのがNTTドコモの存在です。こうしたサブブランドの動きによってはドコモの契約者が相当移ってしまう可能性もあるので、何らかの対応を考えているのかも知れませんが、残念ながらというか大手三社の中では唯一サブブランドを持っていません。あえて言うなら、OCNモバイルONEがドコモのMVNOとして存在していますが、あたかもOCNモバイルONEがドコモのサブブランドのようなプランを出してしまうと、これは他のMVNOとOCNモバイルONEとの間で一悶着起こるような気もしますし、ドコモの方でMVNOに請求する帯域利用料の見直し(値下げの方向)についても考えねばならなくなるでしょうし、そうなるとこのまま黙って他社の動向を見ているだけなのか? という風にも思っていまいます。
ドコモには実際のプラン以外にも、ユーザーに選ばれる一つの理由があります。それはアナログ携帯の頃から他社に先んじて基地局の整備を行なってきたことにより、他社に比べると利用できるエリアが広いという、通信事業にとっては最も大切な根幹の理由です。私自身も山の中でもエリアの穴が少ないという理由で、メインの通話用SIMをドコモのケータイプランにしていますが、このメリットもちょっとした頭の切り替えで回避することができます。
というのも、今の私は楽天のアプリ「Rakuten Link」を使って電話やSMSをするのに、楽天のSIMカードが入ったスマホではなく、いったん楽天のSIMの入ったスマホに登録コードが送られてきたのをメモし、改めて別のスマホに入れた「Rakuten Link」をログインさせることによって、楽天SIMでない他社のSIMカード(つまりドコモ・au・ソフトバンク系回線どれでも)を入れたスマホで、通話・SMS無制限で利用することが可能になっていて、通話用のスマホにOCNモバイルONEのSIMカードを入れているのです。
現状では固定電話や公衆電話からの着信だけはリアルタイムに着信しないものの、電話があった通知だけは「Rakuten Link」の方に来ますし(公衆電話からの着信は「通知不可能」になります)、楽天SIMを別のスマホに入れておけば、固定電話からの着信および、緊急警報番号への通知やフリーダイヤルへの通話はもう一台のスマホで楽天エリアおよびauエリアから掛けられますので、あえて楽天およびサブブランドの料金プランより高いドコモを選ぶ人というのは限られてきます(自宅でのインターネットもモバイル回線で行なおうと思う方にはギガホで契約するドコモのメリットはありますが)。
個人的には、楽天もUQもワイモバイルも、一旦契約しても他にもっと良いプランが出てくれば簡単に乗り換えることができるので、基本的な回線の整備や問い合わせについてのアフターサービスなど、トータルの企業力ということが見られるのではないかとは思いますが、このままでは実店舗のある楽天・UQ・ワイモバイルの中でライトユーザーは動くだけでドコモには流れる人が少なくなる可能性もあります。
そう考えると、ドコモはワイモバイルの新プランが出て一部のユーザーが流出して慌てるのではなく、早めに中速(1Mbps)のネット速度でも良いというユーザーのために何らかの対抗プランを作っていかないと、一人負けのような状況が長く続き、企業としての体力まで落ちてくるのではないかということを心配します。
もしドコモが楽天およびサブブランド対策のプランを出してきたとしたら、例えばUQモバイルの「スマホプランR」に「かけ放題」オプションが付けられるようになったら、まずはその「かけ放題」オプションを従来の5分以内から10分以内に全プランが移行するようでないと、UQモバイルと比べるとエリアでしか優位性を保てないことになります(UQもワイモバイルも10分以内定額なので)。そうした変更の上で対抗してくれば他社からの移行はありますが、同時に今のプランからの大量の流入を招き、それが今までのドコモの収益に影響する可能性も出てきます。恐らく現在のドコモの沈黙は、その辺にも理由があるような気もします。
とりあえずは多くの人が0円/月で契約しているRakuten UN-LIMITが有料になる2021年4月以降に、既契約者がそのまま継続するのか、それとも別の所に移動するのかというのがポイントになってきそうです。それには、タイムリミットまでに楽天がいかに自社エリアを増やすかというもう一つのポイントも関係します。
もし楽天のエリアが自宅でも使えるようになったら、主に今のADSLの代替として継続するという、これは他社が対抗できない回線ともなり得るので、しばらくはこうした他社を巻き込んだ料金およびサービスの進化のためにきちんとした仕事でユーザーの期待に応えて欲しいと思っています。
ドコモもNTTパーソナルの復活でもないですが、サブブランドの創設を考えるべきですね。同じブランドで対抗プランを打ち出した場合従来のプランからも流出が起こり、収益に影響を与える。
ソフトバンクにしてもauにしてもワイモバイル、UQモバイルへ移る場合には違約金や手数料が発生します。同様にしておく必要はありますね。
認可を得る為には個人ユーザーのみにするとか店頭受付はしないなど制約は必要かもしれません。速度も10M程度に抑えさせるなどして差別化を図る。
サブブランドでは3Gは当初から対応しない。通話もIP電話のみ対応としてコスト削減を図る。
ある面でテスト段階の技術を採用すると言う口実を利用しても良いですね。
ケータイオタクさん コメントありがとうございました。
NTTドコモがサブブランドを起こし、ドコモショップ内にサブブランドを併設することはそう難しくはないと思います。ただ、通信料金が安くなるサブブランドの契約というのは、代理店側としては手数料の低下を招くので、その辺をどう販売現場に納得してもらうかという点は課題になると思うのですが、このまま行ったらジリ貧になることもうすうす感じている現場の方もいると思いますので、あとはドコモがどこまで英断できるかが鍵でしょうね。
個人的にはせめて基本プランと通話定額オプションが切り離せ、データの翌月繰り越しができるUQモバイルの方に寄せていって欲しいと思っていますが、タイムリミットは来年の4月くらいまでにしてくれないと、今のメイン回線はいったん別会社に移すのも仕方ないと思っています。