Rakuten Miniの最新ロットではBAND1が利用不可に

Rakuten UN-LINITは画期的なサービスだということで今年の4月から全国サービスをスタートしたのですが、すでにUQモバイルやY!モバイルでは楽天の新プランに対抗する形で新プランを出しているので、まずは楽天が第四のキャリアとして入ってきたことによって、日本の携滞電話市場は多少活性化したのではないかと思えるのですが、逆に楽天によってかき回されてしまったと思っている人も少なくないでしょう。

まずは、サービス開始初日にそれまでau回線を使ったパートナー回線について、高速クーポンが2GBで、高速通信を使い切った場合の低速制限が128kbpsと言われていたのが、まさかの高速クーポン5GBで、低速制限時のスピードが1Mbpsまでアップしたことで確かに使いやすくなりました。

ただ、楽天回線は他のキャリアのバンドとは違うので、いわゆるSIMフリーのスマホの中でも使えないものもあるのですが、最初のネット説明会では同社の販売するスマホの製品を、他社のSIMを入れても使えるような事を言っていたような気がします。

現在楽天モバイルで売られている端末のうち、唯一「Rakuten」の名を付けた独自携末「Rakuten Mini」もそのようなSIMフリースマホです。当初、2万円で売られた小型スマートフォンであるRakuten Miniは、本体にSIMカードを入れないeSIM対応のスマホで、さらにおサイフケータイも付いているということで、一年間通信料無料で利用できるユーザーの選択肢としてだけでなく、MVNOの中で唯一eSIMをサービスとして展開しているIIJmioのドコモ回線のeSIMを入れて利用するという方もいました。

一般的には、あまりスマホを買う前に事細かにスペックを見る方もいないかも知れませんが、先日から「Rakuten Mini」を楽天の回線とセットで購入すると1円で購入できるというキャンペーンが発表され、4月8日のサービス開始日にSIMの契約をした私はガクッと来たのですが、ここ数日のネット上で「Rakuten Mini」に関する話が盛り上がっていたのですが、一昨日のニュースでまさかの楽天の「Rakuten Mini」の売り方を目にして絶句してしまったのでした。

どういうことかというと、どのスマートフォンでも、携帯電話のどの電波を掴むのかということは本体スペックに記載されており、「Rakuten Mini」発表当初はこの内容はBAND 1,3,18,26,28,41と書かれていました。その後、シリアル番号の内容で、対応BANDが増え、BAND 1,3,5,18,19,26,28,38,41となっていたのだそうです。

しかし、現在の最新ロットでは国内で利用する場合に問題のある変更があったにも関わらず、その内容をアナウンスしないまま売っていたのです。ちなみに内容は、BAND 3,4,5,18,19,26,28,38,41となり、BAND1を掴まない仕様になっていたのです。

改めてバンドの違いによる使い勝手の差について書いてみますと、BAND1は、ドコモ回線の中では良く使われていて、楽天モバイルがパートナーエリアとしているau回線でも使われています。逆に追加されたBAND4,5は主に米国内のローミングサービスを意識したものではないかと言われていて、国内で使用するにはあまり関係ありません。しかし前述のIIJmioのeSIMを使ってRakuten Miniを使おうと思っていた人がBAND1が使えないとなると、使えるつもりでeSIMを設定した後で、かなり利用エリアが限られてしまうことに気づく可能性もあるので、購入者の間では大きな問題になりつつあります。

私を含め、現在新型コロナウイルスの影響でお店も開かず、楽天側もオンラインショップの利用を促している状況になっていますが、そうしたオンラインショップを利用するにあたり、一番重要なことはきちんと正しい情報を売る側が発信してくれるかどうかということになるでしょう。今回は指摘があるまであたかもBAND1が使えるような説明を楽天がしたままキャンペーンの1円売りをされては、ユーザーはどうしようもありません。今回のキャンペーンは楽天回線に紐付けされた購入なので、すぐには使わないにしても、ある程度の時期を経て、別の端末にeSIMを移した後にIIJmioのeSIMの契約を考えていた方にとっては大きなショックだったのではないでしょうか。

今回のニュースを受けて、BAND1が使えないと困るのに最新ロットの製品が届いてしまった人のために、楽天に答い合わせることで本体の交換もできるような話も上がっているものの、電話やメッセージがすぐにつながって早急に対応できるかわからず、これからの楽天の対応によっては騒ぎはさらに広がる可能性もあります。

今回の問題が怖いのは、現時点だけでなく時間差でもトラブルが出る可能性があるということもあります。今書いた問題をスルーして(楽天で使っている場合には今回の変更の影響は最少限なので気付かない?)、かなり後になって自分のRakuten MiniがBAND1を掴まないロットのものであると気付いても、その頃にはもはや楽天の方でも対応は難しくなっている可能性があります。そうなった場合、恐らく楽天はそこまでの交換対応はしないと思いますので、いわゆる「安物買いの銭失い」というものになってしまうかも知れません。

今回のような情報後出しのような事を日本の一流企業がやるわけですから、にわかには信じられない話ですが、それが今の日本のクオリティなのかも知れません。ここは知らずに購入してしまった場合の対応も含め、消費者としては遠慮せずにしっかりとクレームを言うようにしましょう。そして、今後Rakuten Miniの中古市場にも変化が出てくるように思います。

基本的にSIMフリースマホを市場に出す場合、いかに多くのキャリアで使えるかによって買い取り価格や売出価格が決まってきます。同じRakuten Miniでも異様に安いものがお店に出ていた場合、そのスマホはBAND1対応でない可能性がかなり高いのではないかと思われます。楽天回線で使うために買い足すならそれでもいいのですが、ドコモや他のeSIMで運用しようと思っている場合は、今後はこの問題を受けてBAND1の利用ができるかできないかを確認の上で購入するかどうかを決めないと、買ったもののほとんど使えずにゴミとなるようなケースも出てくるのではないかと思われます。この問題はそういう意味でもかなり尾を引く問題ですので、ここを読まれている皆様も十分お気を付け下さい。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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