月別アーカイブ: 2015年9月

スマホ専用プラン月額1,700円で1回5分以内の通話定額はお得か

 私の携帯電話会社との付き合い方は特別なので、決して真似しないで欲しいのですが(^^;)、通話プランを選ぶにあたり、できるだけ安く上げたいというケースも有ります。メインで通話に使っているガラケーは通話定額で月額2,376円(税込)ですが、通話を全く使わないか、使ってもそれほど通話する相手もいないならこの金額では高いと思う人も多いはずです。

 私の場合はガラケーとMVNOによるデータ通信を使い分けていますが、今スマートフォンを使っている人のほとんどは携帯大手3社の提供するスマートフォンを使っているという方がほとんどでしょう。私が使っている通話定額は月額2,376円と書きましたが、それはあくまでガラケー専用のプランであって、スマートフォンで通話定額を契約する場合は月額料金が2,700円(税抜)に上がります。その料金が高いと思っている方は、月額が1,000円下がるわけで、確かに魅力的ではあるでしょう。セットできるデータ通信の容量で3社の中で違いはあるものの、通話部分の回数制限無し1回5分以内というのは果たしてどうなのか、かけ放題の始まる以前のプランより安くなっているのかという点を考えてみたいと思います。

 まず、こういうプランが出てくるたびに浮上する話に、全通話の中でほとんどが5分以内で終わる通話であるというものがあります。確かにそれはそうでしょうが、例えば私が経験した中ではメーカーのサービス部門に電話をした時など、5分間しか話せないというのでは電話がつながらない時には保留音を聞いているうちに5分間は過ぎでしまう可能性もあります(^^;)。コールバックを頼んでしてくれる相手ならいいでしょうが、そうでなければ時間の経過とともに思わぬ請求になるかも知れません。できればスマートフォン用のアプリで5分経過する前に知らせてくれるものを使いながらではないと、そこそこ電話するような方は、回数はともかく5分という時間制限が問題になってくるのではないかと思います。

 また、家族以外ほとんど電話を掛けないという人についてはどうでしょうか。その場合、ソフトバンクのホワイトプランや、くりこし有りの通話料が入って月額980円くらいのプランと比較した場合です。この場合、掛ける前に相手がどこの会社であるかという事を気にすることもなく、また1回5分という制限をしっかり守っていさえすれば基本料金しかかからないわけですからメリットはあると思いますが、問題になるのが定額料金の1,700円が高いと感じるかどうかにかかってくるでしょう。料金が一定の金額を繰越でき、普段は全く使わないような方なら、毎月千円以下の固定料金でいざという時にそれなりの通話時間が利用できるということはあります。全く無料通話部分がないプランを使っていた方の場合でも、以前のプランと月額1,700円の差を毎月の通話で埋められるかというのが問題になってきそうです。自分でできる方はインターネット上から過去数ヶ月の通話料金の明細をダウンロードするなり、わからない方は直接お店に行って料金の傾向を見てもらうなりして十分自分の通話パターンを把握してから新しいプランを考えても決して遅くはないでしょう。

 とりあえず私にとってはこれからあえてガラケーをスマートフォンに機種変更するつもりもありませんし、1回5分という制限が、端末をガラケーにすれば、だいたいプラス500円で実現できると考えてしまうので、この新しい通話定額というのはそんなにメリットは感じません。今の電話料金が高くてどうしようもないと考える方は、どうしても一台にまとめながら通話定額も維持したいという場合以外は、通話定額の部分で安くしようとするよりも、通話はガラケー、データ通信はMVNOのスマートフォンかタブレット端末に分ける方が個人的にはおすすめだと思います。


日常生活の中でも災害シミュレーションは可能

 先日、親戚の子供のお誕生日のお祝いをすることになり、ケーキを買ってきました。そこまではいいのですが、ケーキ屋さんが付けてくれたキャンドルをセットしようとしてあることに気付きました。キャンドルはあってもどうやって火を付けるのかということです。

 私の生活の中では、火を使う事があってもひねれば付くガス台くらいしか使いません。更に、オール電化の家なら家の中で火を付ける機会自体がないわけです。昔のものが残っている家ならマッチやライターの類が置いてあるかも知れませんが、それほど物持ちが良くなければいざという時に火を起こすことはできないのです。個人的にはそういう時のために着火用のライターを備えていたはずだったのですが、恥ずかしい話どこにしまったのか忘れてしまい(^^;)、結局箪笥の奥に長いこと仕舞われていたマッチの方が先に出てきてしまったのです。

 今回の行動は災害とは全く関係ありませんが、もし災害に遭った場合に同じことに遭遇したら、最悪の場合生命にも関わるような状況にもなりかねません。そう考えると個人的にはかなりショックな出来事でした。

 私の場合には夜に災害が起こった時にすぐに別の明かりをどこにいても取り出せるのかということや、どの部屋でもラジオが聞けるようにすることには結構重点を置いていて、家のどの部屋にいてもすぐ電池式ライトやラジオを使える状況にはあったのですが、まだまだ準備は不十分でした。今回の話は単なるお誕生日祝いの話に過ぎませんし、日常的にマッチやライターを多用するような暮らしをしていると、子供がいたずらして別の災害を生じさせる原因にもなりかねないので、単純にマッチやライターを増やせということでもないのですが、少なくともどこかにしまっていてもいざという時にはすぐに出てくるような準備を常に心掛けたいとしみじみ思いました。いわゆる避難訓練になると下準備をした上での訓練になるので、今回のような問題は起こりませんがいざという時の役に立つかというのは疑問です。そういう意味では、自分の生活の周辺で突発的なトラブルが起きた時、それをどう解決するかということを災害時の自分に置きかえて考えるだけでも様々な行動シミュレーションが可能になります。その場合、できれば大きなプラン1つだけでなく最初のプランがうまくいかなかった場合のもう一つのプランを用意することも大切だということです。私の場合は最低限必要な物については、賞に身の回りにあるバッグや家の中のしまい場所の他に、車の中にも入れておくようにしようと思いました。ここを読んでいる皆さんも、いざという時に必要なものをすぐに出してきて用意することができるかどうか、何かの機会に試してみることをおすすめします。


行政に過度に頼らない生活とは

 国会での安保法制の可決から成立へと続く流れについて、賛成もあり反対もあり、立場の違いによって様々な意見があると思いますが、一つ言えることは、いわゆる突発的な危機が起こった場合、必ずしも行政を頼ることはできないんだなということがありますね。何かあったらある程度は自活しないとどうにもならないという最悪のことも考えながら日々の生活をしておいた方が、いざという時にショックを受けずに済むでしょう。

 こう言っては何ですが、私がこのブログを開いて、主に車中泊のノウハウとして車の中およびその周辺だけでも何とか過ごすことができるような心構えやグッズの紹介をしてきたのですが、図らずもこうしたノウハウはもし有事が起こって社会が混乱したとしても、結構役に立つのではないかと思いますね。水の安定した確保についてはまだ決定的な解決策は打ち出せてはいませんが、太陽電池を使ってパソコンを含むほとんどのネット環境は維持できるめどが立ちましたし、寝床やトイレについても車に乗せて移動できるような準備はできています。燃料が無くても、流木や落ち葉を拾ってきてウッドガスストーブを使えば煮炊きは何とかできそうです。

 というわけで、これからはキャンプや防災という観点だけではなく、できるだけ周りに頼らずに自分の持っているものだけで完結してしまうような使い方についても考えながら、楽しくそうした道具を使いこなしていくことも考えてみたいです。


Softbank かんたん携帯 108SH 不具合の意外な原因

 継続してこのブログを読んでいただいている方には覚えておられるかも知れませんが、新しく機種変更したソフトバンクのガラケー かんたん携帯の108SHの調子が悪く、メーカー送りの基盤交換を代理店からお願いしましだ。その顛末は以下の通りです。

http://syachu.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/softbank-108sh-.html

 新しくなった端末でしばらくは問題なく発着信できていたものの、先日また不具合が起こってしまいました。

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 写真のように、ちゃんとSIMカードが入っているのに「カード未挿入」の文字が出て、一切操作できなくなったのです。念のため、ソフトバンクの他のガラケーにも問題のSIMカードを入れてみたところ、機種に関係なくこの現象が再現したため、改めて代理店のショップに持ち込みました。

 状況と症状を告げると、確認のため端末をしばらく持って行きましたが、間違いなくSIMカードの不良を確認できたということで、新しいSIMカードに変えてもらうことになりました。ちなみに料金の方は、加入者側の問題でない場合は無料だそうで、今回は前回の不具合もSIMカードの不良が疑われるということになり、さらにはあえてSIMカードを駄目にするような使い方をしていないことを先方にもわかっていただけましたので、手数料など全くかからずに変えてもらえました。

 というわけで、今回のトラブルは、古いSIMカードの接触不良にその原因があったのかなという感じが今はしています。ちなみに、問題のSIMカードはソフトバンクがまだ携帯電話会社経営に乗り出す前のVodafoneのSIMカードでして、経年劣化が起こったとしか考えようがないですね(^^;)。

 とりあえず、不具合の根元であろうSIMカード自体を新らしくしたことで、しばらくはソフトバンクのガラケーを使い続けることができそうです。もし私と同じように契約してからずっと使っているSIMカードで端末の不具合が起きた場合は、一つの可能性として、SIMカード不良ということも疑ってみる必要はあるかも知れません。ただ、私が前回持ち込んだ時のように、カードを入れ直せば普通に起動する場合は店側もSIMの不良という可能性は考えないということも有り得ます。店側が認定しない場合、SIMカード変更の手続きは有料となりますので、私のようにだましだまし使いながら実際の症状が出るのを待ってから持ち込むしかないのが現状です。でも、一つの可能性としてこういった不具合も有り得るということは覚えておいて損はないかと思います。


政府が主導する「携帯電話料金引き下げ」方策への違和感

 現在の総理大臣が総務省に命じ、今の家計の中における携帯電話の料金は高すぎるので、値下げを行なうように料金引き下げ検討を指示したというのがニュースになっていました。いわゆる物が売れなくなった原因の一つに、スマートフォンを中心とした携帯電話料金にいっぱいいっぱいの家庭が多いことに、政府もようやく気付き出したこということではありますが、もしこの話を受けて携帯大手3社が料金をMVNO並みに下げたプランを出したらどうなるでしょうか。

 普通に考えれば今まで安い値段でデータ通信を提供してきたMVNOの中でも規模が小さいところから経営が立ち行かなくなり、今のような競争による様々なプランを選ぶことができなくなる可能性が危惧されるような気が私にはするのです。というか、携帯大手3社以外のMVNOはデータ通信料金を下げて使いたいという人たちに向けて、既に一定の役割を果たしており、情報を知ったご家庭から、今までの契約を見直すようになり、MVNOの安いものに流れています。そこを十分認識した上で政府が動かないと、かえって日本のモバイル通信の環境は悪くなるという見通しも出てこようと言うものです。

 MVNOが存在できるのは、ある意味高額な携帯大手3社の料金と比べても安くてそこそこ使えるデータ通信契約があるいう認識が広がったからです。さらに、今日本では人気のあるスマートフォンのiPhoneを使う場合、端末を購入するための初期費用が少ないプランを用意しているのは携帯大手3社だけなので、この状態で基本料金まで安くなってしまったら、iPhoneを使いたいと思っている人がわざわざMVNOにとどまる理由がないとばかりに一気に大手3社に戻ってくるかも知れません。どちらにしても携帯大手3社が毎月の利用料金を下げる前提として打ち出してくるのが3年以上の長期契約でしょうから、一度戻ったら当分多くのユーザーは携帯大手3社に囲い込まれ、通信事業者の独占は今よりも進んでしまうのでないかとすら思います。

 さらに考えていくと、結局のところ政府主導で単価的に携帯電話料金が安くなったとしても、いわゆる情報弱者で今までも家計における携帯電話料金の割合が高い家庭では、さまざまなセット契約を結ばされるなどして、安い方に移ろうとしてすぐに解約しようと思ってもできず、毎月の端末購入費を含めた割高な通信費支払いに追われるような状況に劇的な変化はないように思います。あくまで政府レベルで出来る対策としては、それこそ市町村レベルで通信費全般における相談窓口を開き、どうしても高い通信料金が払えない人たちにMVNO各社の契約を斡旋する方がよっぽどましなのではないでしょうか。とにかく、今払っている高い(1人月1万円以上もざら)携帯電話料金も、現状のMVNO業者を選べば半額以下に安くすることができるということを多くの人に知ってもらうことが大事だと私は思うのですが。


chomecastをchromebookからコントロールすると

 約1万5千円で購入したASUSのC200MAですが、私が今メインで使っているWindowsノートが古いということもあるのですが、起動および動作のスムーズさが半端ではありません。そのため、ちょっとインターネットの調べものをするような用途ではiPad mini2よりも使う頻度は高くなっています。

 そんな中、この動作の早さがメリットとなる一つのケースを発見しました。パソコンやスマートフォン、タブレット端末をリモコンのように使って対応するサービスの動画やパソコン画面をテレビに映し出すことができるchromecastという周辺機器があるのですが、これ自身にデータ処理機能があるので、パソコンやスマートフォンの能力にはそれほど関係なくYouTubeなど対応するサービスの動画をスムーズに見ることができるのですが、対応していない動画サイトを見る場合に動画がカクカクになってとても見られたものではないという問題があったのです。

 その点はいたしかたないと諦めていたところ、chromebook上で動画サイトを表示し、全画面表示にした状態で画面全体をchromecastで表示したところ、多少は画が乱れるところはあるものの、普通の人が見てもちょっと画質の悪い録画くらいの感じで見続けることができたのでした。その際、chromebookの方にもテレビに飛ばした動画が同じように出ているのでそれなりの電力を消費するというところはあるのですが、chromecasuに対応していない動画をテレビで見たい場合にはchromebook経由で行なえばそれなりに見ることができそうで、それだけでもchromebookを買った甲斐があったのではないかと思えました。

 ちなみに、先日某テレビ局の見逃し配信でバラエティ番組の2時間スペシャルを見たのですが、2時間通しで途中のコマーシャルと本編へのつなぎも問題なく再生できました。chromebookも使っているうちに多少は重くなってくるのかも知れませんが、今回購入したモデルはメモリも2GBと少ないので、それでここまで快適に見られれば音楽と動画専用でもいいなと本気に思います。まあいろいろ使っているうちにchromebookでできることも増えてきましたので、最高のセカンドマシンとして今後もいろいろ試した結果をここで紹介していければと思っています。


国勢調査をインターネット回答してみました

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 マスコミを使っての告知がされているのでお気付きの方も多いと思いますが、今回の国勢調査はインターネット上だけでも完結するような仕組みになったようです。先日自宅のポストに入っていたインターネット回答のための内容が書かれた書類には、ネットで回答をする場合のID番号と暫定パスワードが記してありました。

 スケジュール的にはインターネットを使う回答の締め切りは平成27年9月20日までで、そのままにしておけば以前のように紙の調査票を使っての回答になるそうです。政府としては人件費を使わずに勝手にデータが集まるインターネット回答の方が良く、まるまる政府の思う壺にはまっているような感じもしましだが、回答する側にもメリットは有ります。用紙に書く方式だと人と会って直接手渡しすることも必要になってくるので、なかなか時間が合わずに渡せなかったりということが過去の調査ではありました。そうした苦労もなく、人に渡っている途中に盗み見られることもないというのはむしろ安心できることです。データがハッキングされたら同じではないかと思われる方もいるかと思いますが、紙に書いたデータも電子化されるのは間違いないので、情報が盗まれるリスクという点では国勢調査に参加すれば同じように起こります。調査で聞かれることは家族全ての現在の住所と職場情報くらいですし、自分の存在が知られること自体を恐れていなければ、そう恐れることもないかと思いますが(^^;)。

 逆にこういうものは答える気があるならとっとと済ませてしまった方がいいのではないかと思います。ネットで個人情報を送る事に抵抗があれば仕方がありませんが、今回はセキュリティ対応が十分のchromebookから送信したので、とりあえずはこちらのせいで個人情報が流出することはないと思います(^^;)。


赤のタオルかバンダナが防災用品になる?

 防災用品のことを紹介しているホームページは様々あるかと思いますが、表題のようなことを以前から書いてあるようなところはそれほど多くはないと思います。私自身もそうなのですが、実際に経験したことだけではわからない部分があるので、頭の中で様々な事態を想定して用意するものを紹介することが多いのですが、それでも想定外の事は起きます。

 では赤のタオルやバンダナは何に使うのか、そもそもなぜ赤でなければならないのかというのは、この内容をリアルタイムで読まれている方なら何となくおわかりかなと思います。川の堤防が決壊して洪水になり、多くの民家や車が孤立する中、空からの救出をスムーズに行なってもらうためには自分がここにいて助けを待っているということを上空のヘリコプターに認識してもらう必要があります。救助活動は夜間が危険なため昼間が中心になるということで、上空から見やすいものを振ってサインを送る方が早く救出してもらいやすくなるというのが今回の水害の様子を見ていて大切ではないかと思いました。

 色にこだわるのは、発煙筒や信号など、一番目立ちやすい色としてはやはり赤だということです。もし赤のタオルがなければ仕方ありませんが、何かのことを考えれば赤のものをそろえた方がいいに決まっています。ただ、今回の鬼怒川水害一連の状況が明らかになるにつけ、ちょっとでも救出が遅れると人の生き死にを分けるかも知れないわけで、こうした準備をするということも大事だなあと思う次第です。

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 というわけで、100円ショップで赤のバンダナと、ピックアップツールというラジオのアンテナのような伸びる金属の棒を買ってきました。これをいつも持ち出すバッグの中に入れておいて、いざという時に旗のようにして振れば白いタオルよりも見付けやすくなるのではないかと思います。同じように、車旅に持っていくタオルも白でなく赤を選ぶようにするとか、普段家で使うタオルの中に洗い替えを含めて2枚くらいは赤いタオルを用意しておくなど、ちょっとしたことではありますが非常用持出袋の中味を見直す際には気に掛けてみてもいいのではないでしょうか。ちなみに私は写真のセットをいつも持ち歩くバックパックに入れておきましたので、日常だけでなく旅先で立ち往生した場合にも役に立つのではないかと思います。


ホーチキ 緊急ラジオ EMR-01

 表題のラジオ名で検索をかけても、詳しい製品情報は出てきませんが、れっきとした緊急ラジオです。私は、地元の防災政策の一環として防災無線が聞けるというふれこみの市が売り出した緊急ラジオとしてこのラジオを手に入れました。
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 まず、このラジオが一般のものと違うのが、販売している地域で聞くことのできる放送局名がプリセットされていて、それ以外の放送局は聞けないということです。ものの話によると極端に自由が制限されているとある国ではかつて、このラジオと同じように決まった放送局しか聞けないようにダイヤルがロックされていたそうですが、このラジオもそうした形になっているので、県内にいたとしても、市外に引っ越すととたんに使い物にならなくなるというものですので、頻繁に住居を動くような方には向かないラジオであることは確かでしょう。
 私が知っている昔の防災ラジオと違うのが、今まで市販されていたものは、津波警報などが発令された時に、独特のピロピロ音によってスイッチが自動的に入るものでしたが、このラジオは全国瞬時警報システム Jアラートに対応した放送を行なっている地方のコミュニティFM局と連動させることができます。
 Jアラートとはどういうものかというと、弾道ミサイル情報、大津波警報、緊急地震速報、気象警報などの緊急情報を伝えるもので、これらの警報が出ると夜中でも大音量で鳴らしてくれるのですが、それには、付属のACアダプターをコンセントにつないだ上で、停電時でも使えるように単三電池4本を本体にセットしておくことが必要になります。ちなみに、私はアルカリ電池を入れないで、充電式のエネループを入れてあります。もし単三電池が切れた場合は、本体のランプで知らせてくれます。
 このように、このラジオは他の地元局も聞けるものの、やはり地元のコミュニティFM局が聞けないとその機能を十分に活用することはできません(AMラジオで行なわれている普通の緊急警報放送も聞くことはできますが)。ですから、コミュニティFM局が元々聞けない山の中でもその実力を存分に発揮することができません。ただ、市街地に住んでいれば何とか聞けるのではないかという人たちのため、このラジオにはコミュニティFM局の受信を良行にするための機能が付いています。
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 付属のロッドアンテナだけでは良行に受信できない場合に備えて、このようにテレビアンテナに接続できる端子が付いています。付属品の中には端子に付けるT字アンテナも付いているので、自宅の中で付属のアンテナを張り、置く場所を工夫して受信感度を良くすることは可能でしょう。ラジオ自体にもコミュニティFMkが圏外になると点灯するランプが付いているので、セッティングをした際にそのランプが点灯しなければ置き場所としてはOKということになります。
 どちらにしてもこうしてセッティングすると、何か本当にあった時にそれがたとえ夜中であっても大音量でラジオ放送を聞くことができるようになります。全ての市町村で売られているものではないと思いますが、災害対策について動きている自治体では扱っている可能性もありますので、興味のある方は、まずはお住いの市町村のホームページや、地元コミュニティFM局のホームページをチェックし、緊急放送の有無および専用の受信機の販売があるかどうか確認してみることをおすすめします。
 とここまで書いて終わりにしようと思ったら、このラジオの動作を実際に確認できる機会が訪れました。というのも、先日の大水害をもたらした原因の一つである台風が静岡県に接近し、静岡市内に避難準備情報や大雨洪水警報が出た際、ラジオが動作したのです。大音量で大雨警報と避難準備情報が出た事を知らせた上でラジオが切れるのを確認しました。屋外で同じ広報を流してはいるものの、大雨の中なかなか聞こえずらいですし、何を言っているのかわからない事もしばしばです。市の広報のお知させもラジオから直接大きな音で流れるので、その内容を聞き逃すことはないでしょう。ただ、深夜でもお掛いなしに最大音量で鳴るというのは住んでいる場所によっては隣人への迷惑になりますので、全ての人におすすめかと言われると微妙で、集合住宅では携帯電話やスマートフォンに警報が出たらメールを送るサービスを使った方がいい場合もあります。そうしたことも購入を考える際には検討した方がいいかも知れません。

いつ逃げる判断をするか

 昨日の茨城県の鬼怒川堤防が決壊した映像には衝撃を受けました。被害に遭われた方々も、まさか自分のところが被害に遭うとは思わなかったのではないでしょうか。被災された方にはただただお見舞いを申し上げるしかないのですが、今後の状況にも十分注意をいただきたいものです。

 今回の台風の件については、まさに私の住んでいる地方でも人事ではありませんでした。台風の進路情報により私の住む地方全体に避難準備情報が出て、避難所も開かれました。結局雨が止んだということで水害の恐れはなくなり、家に留まったのですが、私の場合避難するか家に残るかを判断する場合のひとつの基準があります。

 地元での大きな水害というと過去に1974年に起きた「七夕豪雨」というものがありまして、24時間雨量が508mmという雨に降られたことで、自宅周辺も水びたしになりました。これは自宅周辺に降ってたまったというよりも、近くを流れていた川が溢れて流れ込んだ分がかなり多かったと言われています。その後、安全に川の水を海に流すための放水路が作られたことから、ほとんど自宅周辺では洪水の恐れはなくなりました。ただ、もしこの放水路が溢れるほどの雨が降り続いた場合はまずいということです。

 最近の情報伝達の進化はありがたいもので、テレビのデータ放送で各地の川や水路の情報が出されています。私が避難する場合はこの数値を確認しながら、警戒水位を超えた時点で高台への避難を行なうように準備すべきだと思っています。ただこれはずっと同じところで生活をしているから言えることなのかも知れません。自分のいる土地がどうなっているか知らない方は、まずは地方公共団体の出している防災ハザードマップを手に入れ、さらに自宅周辺の土地が高いのか低いのか、自宅を基準にした傾斜はどうなっているのか散歩のついでにも確認してみることをおすすめします。