ホーチキ 緊急ラジオ EMR-01

 表題のラジオ名で検索をかけても、詳しい製品情報は出てきませんが、れっきとした緊急ラジオです。私は、地元の防災政策の一環として防災無線が聞けるというふれこみの市が売り出した緊急ラジオとしてこのラジオを手に入れました。
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 まず、このラジオが一般のものと違うのが、販売している地域で聞くことのできる放送局名がプリセットされていて、それ以外の放送局は聞けないということです。ものの話によると極端に自由が制限されているとある国ではかつて、このラジオと同じように決まった放送局しか聞けないようにダイヤルがロックされていたそうですが、このラジオもそうした形になっているので、県内にいたとしても、市外に引っ越すととたんに使い物にならなくなるというものですので、頻繁に住居を動くような方には向かないラジオであることは確かでしょう。
 私が知っている昔の防災ラジオと違うのが、今まで市販されていたものは、津波警報などが発令された時に、独特のピロピロ音によってスイッチが自動的に入るものでしたが、このラジオは全国瞬時警報システム Jアラートに対応した放送を行なっている地方のコミュニティFM局と連動させることができます。
 Jアラートとはどういうものかというと、弾道ミサイル情報、大津波警報、緊急地震速報、気象警報などの緊急情報を伝えるもので、これらの警報が出ると夜中でも大音量で鳴らしてくれるのですが、それには、付属のACアダプターをコンセントにつないだ上で、停電時でも使えるように単三電池4本を本体にセットしておくことが必要になります。ちなみに、私はアルカリ電池を入れないで、充電式のエネループを入れてあります。もし単三電池が切れた場合は、本体のランプで知らせてくれます。
 このように、このラジオは他の地元局も聞けるものの、やはり地元のコミュニティFM局が聞けないとその機能を十分に活用することはできません(AMラジオで行なわれている普通の緊急警報放送も聞くことはできますが)。ですから、コミュニティFM局が元々聞けない山の中でもその実力を存分に発揮することができません。ただ、市街地に住んでいれば何とか聞けるのではないかという人たちのため、このラジオにはコミュニティFM局の受信を良行にするための機能が付いています。
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 付属のロッドアンテナだけでは良行に受信できない場合に備えて、このようにテレビアンテナに接続できる端子が付いています。付属品の中には端子に付けるT字アンテナも付いているので、自宅の中で付属のアンテナを張り、置く場所を工夫して受信感度を良くすることは可能でしょう。ラジオ自体にもコミュニティFMkが圏外になると点灯するランプが付いているので、セッティングをした際にそのランプが点灯しなければ置き場所としてはOKということになります。
 どちらにしてもこうしてセッティングすると、何か本当にあった時にそれがたとえ夜中であっても大音量でラジオ放送を聞くことができるようになります。全ての市町村で売られているものではないと思いますが、災害対策について動きている自治体では扱っている可能性もありますので、興味のある方は、まずはお住いの市町村のホームページや、地元コミュニティFM局のホームページをチェックし、緊急放送の有無および専用の受信機の販売があるかどうか確認してみることをおすすめします。
 とここまで書いて終わりにしようと思ったら、このラジオの動作を実際に確認できる機会が訪れました。というのも、先日の大水害をもたらした原因の一つである台風が静岡県に接近し、静岡市内に避難準備情報や大雨洪水警報が出た際、ラジオが動作したのです。大音量で大雨警報と避難準備情報が出た事を知らせた上でラジオが切れるのを確認しました。屋外で同じ広報を流してはいるものの、大雨の中なかなか聞こえずらいですし、何を言っているのかわからない事もしばしばです。市の広報のお知させもラジオから直接大きな音で流れるので、その内容を聞き逃すことはないでしょう。ただ、深夜でもお掛いなしに最大音量で鳴るというのは住んでいる場所によっては隣人への迷惑になりますので、全ての人におすすめかと言われると微妙で、集合住宅では携帯電話やスマートフォンに警報が出たらメールを送るサービスを使った方がいい場合もあります。そうしたことも購入を考える際には検討した方がいいかも知れません。

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