電子書籍でお金を取るなら……

 Wimaxの契約を切り替えるにあたり、今まで入っていたSo-netを退会する前に一年間の利用でたまったポイントの有効利用をはかるべく電子書籍も購入できるソニーポイントに交換可能なポイントを全て交換しました。基本料金のみしか使っていなかったので大したポイントにはなりませんでしたが、そのおかげで電子書籍1冊分くらいは無料で購入できるポイント残高になったので、いろいろ検討した結果、私自身もその創生期からユーザーとして日々進化するシステムソフトの恩恵を受けてきたPalmPilotを日本で普及させた人々の事を記した「Ploject Palm」という電子書籍を購入しました。

 内容については、まさしく私自身も興奮した徐々に日本語入力環境が整っていく行程とその舞台裏が描かれていて、興味深く読ませていただいたのですが、大変残念だったことがあります。それが電子書籍を提供するについて、さまざまな端末で読まれることを意識していないとしか思われない作り込みの浅い文字データを垣間見たことです。

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 写真では紹介しませんが、目次は出てこないわ、発行日が2010年12月1日と、今これを書いている現在から2年以上経過しているにも関わらず、明らかな漢字の誤字がそのままになっています。電子書籍ならばプログラムのバグ取りのように修正して購入者に改訂版を届けることも可能かと思いますが、そうした行動も取っていません。さらにこの写真のように二桁以上の数字について、縦書きでも向きを変えて見やすく表示できるにも関わらず、横書きを前提にしたテキストデータをそのまま使っているので、読んでいて非常に違和感があります。どうせなら横書きの形で出せば読んでいる方の違和感も消えるのではないかと思うのですが、私の持っているソニーの電子書籍リーダーではパッケージされた電子書籍については文字の大きさは変わるものの、最初から縦書き形式で作られたものについて横書きへの変更はできないようです。今回の書籍は元々横書きで書かれたものを縦書き用に機械的に直したものの、細かいところの作り込みが甘いということで、これが電子書籍の現状だと思うとちょっと悲しくなります。

 私はポイントで購入したため金銭的な負担はしていませんが、電子書籍に未来を感じて本格的に紙の書籍から移行しようと考えている人がいたとしたら、このような作り込みの甘い電子書籍が多く流通していることがわかってくればなかなか継続して買ってくれなくなるのではないかと思ってしまいますね。私自身は今、昔の雑誌の記事をスキャンして、ルビから傍点から紙の記事通りに再現することを目指してファイルを加工しているのですが、きちっとした電子書籍を作る気さえあればそれなりにきちんと仕上がるだけに、もっとしっかりと電子書籍を作り込んで欲しいと願わざるを得ません。


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