松葉を使った木質ペレット燃料の可能性

 世界文化遺産にぎりぎりすべり込んだ三保の松原は、富士山からは遠いのにその眺めの良さや歴史的な事情によって認定された部分が大きかったということですが、松原を背景に富士山を見るには時期があります。富士山との距離があるため空気が澄んでいない夏の時期には煙ってしまい大雨の次の日などよほど運が良くなければ雄大な富士山の姿を見ることはできないのですが、空気が乾燥する冬の時期には天気が悪くなければまず綺麗な富士山の姿を見ることができると考えていいでしょう。こちらでは東京や名古屋が雪でも静岡市周辺だけは雪が降らないという全国でも特別な気候でもありますし、登らないで見るだけというなら、富士山目当てでの静岡への観光は冬がおすすめです。

 今回紹介したいのは、この三保の松原の環境を保全するための取り組みが新たな状況を生んでいるという地域ニュースを私が見たことがきっかけでした。以前このブログでも紹介したことのある、私が備蓄しているキャンプ用の木質ペレット燃料を入手した先の「もくぺれ」さんが松の生育に悪い影響を及ぼすからと、今までは厄介者だった松葉を使ったペレット燃料の生成をされているとのこと。もくぺれさんのホームページは以下のリンクから行けますので、興味のある方はどうぞ。

http://mokupere.jimdo.com/

 ニュースの内容をかいつまんで説明しますと、三保の松原では松枯れの被害が昔よりも大きくなっているのだそうで、それはなぜかというと、落ちた松葉を以前は焚付けとして周辺の住民が勝手に取って行って使っていたのできれいに掃除されていたのが、ガスや電気の家庭内利用が上がるにつけ、松葉を使う人がいなくなり大量の松葉が現地に堆積することで松の生育を阻害する原因になったのだそうです。今までは多大な費用をかけて片付け、焼却処分しているのですが、この乾燥した松葉を直接ペレットを作る機械に入れるといちいち乾燥させる手間もいらず、火力も松だけによく燃えるペレット燃料として生まれ変わるとのこと。捨てればゴミ、生かせば資源という典型的な話ですね。

 現在は中東の情勢により石油製品全般が値下がりの方向にあるので、コスト的な面からすると必ずしもペレット燃料の優位性は高くないかも知れませんが、今回のような手間も従来のものよりかからない松葉のベレット燃料の登場が、安定してしかも安く入手できるペレット燃料価格につながっていければ、家庭内での燃料としてストーブや調理器具の普及が進むのではないかと思います。

 キャンプ用としてこのペレット燃料を使う場合、その成分からクッカーに松ヤニがどのくらい付くかどうかというのが心配ですが、暖房用として使うならそう問題にはならないでしょう。ペレット燃料は火を着けるまでが結構大変なので、従来のものよりも火が着きやすいなら、ぜひ試してみたいです。ペレット燃料は災害時においても、とにかく水に濡らさずに保管出来れば、それ自身で燃焼や爆発する危険のない持ち運びのしやすさに優れた燃料としてもっと注目されてもいいと思っています。ウッドストーブとの相性のいい燃料として、私は車の中にある程度の量を入れっぱなしにしています。旅先で急に暖を取ったりお湯を沸かしたい状況になった時には着火までの手間と後片付けもいりますが、いざという時の備えという意味では十分でしょう。このブログでも過去には様々なウッドガスストーブを紹介しておりますので、興味のある方は探してみてくださいね。


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