安い燃料が引き起こす大きな問題

 このブログで燃焼させて暖を取ったり調理をする場合の道具というのは、災害時に電気やガスが使えない場合とか、キャンプ場でのレジャー使用というきわめて利用頻度が少ない状況に限定して書いています。

 冬の暖房として多くの方が灯油を使っていると思いますが、ガソリンと同じように円相場が変化することによって灯油の値段も上がっていくことが予想されます。灯油が上がるということは必然的に電気料金やガス料金も上がっていくことになるでしょう。しかし日本で生活する人たちのライフスタイルというのは、それでもお金を出して高い燃料費を出すことを良しとするでしょう。実際そうした方が便利ですし、今さら薪などを仕入れてそれらの燃料を使ったストーブやかまどなど使いこなすことなど無理でしょうから(^^;)。

 しかしながら、現在でも電気やガスに頼らずに暖房や調理のための燃料を使っている国も存在します。それが今、大気汚染の観点から大変に問題になっている石炭をボイラーや暖房、家庭の煮炊き用として使うことがごく当たり前に行なわれている中国です。

 一般的に言って、石炭を燃やすことによって大気汚染や二酸化炭素の減少などさまざまな問題はありますが、中国でこれだけ石炭が普及しているのは、他の燃料と比較して圧倒的に安く購入できるコストの安さによるところが大きいでしょう。こちらからいくらやめろと叫んでも、残念ながら燃料を切り替えることによって生活や工場などの生産活動が立ち行かなくなるため、石炭燃料の消費活動は止まないというのが実際のところだろうと思います。いくら中国政府が規制しようとしても、住宅で使われる調理用のコンロまで規制することは難しいので、この文章を書いている2013年2月以降、大気汚染は今後もさらに深刻になっていくことが考えられます。

 本来は石炭を少なくともガスや硫黄分の少ない石油に置き換えていくことが望ましいと思うのですが、まず庶民の立場からしたらシビアなコスト計算をして石炭より高ければ、あえて石炭の使用を止める理由がないということになります。

 
 こんな風に書くと絶望的な展望しか出てこないのですが、個人的にどうかと思っていることがあります。木質ペレットよりさらに安そうな燃料として竹を粉砕して固めた「竹ペレット」は代替のエネルギー候補にならないものでしょうか。日本でも繁殖力の高い竹は困った存在ですが、中国でもそうした状態があるというのなら、石炭より安く燃料を供給できる可能性は残ります。安く燃料が安定的に入手できるならば、何も政府が規制をしなくても石炭から乗り換える根拠にはなります。

 まだ日本でも木質ペレットを使った暖房についての認識はそれほど多いとは思えませんが、レジャー用の燃料として認知されていくだけでもかなり違ってくるだろうと思います。今後、日本国内で竹ペレットが商品化された場合はぜひちゃんと使ってみて、そのコストと使い勝手について確かめてみたいと思いますね。

(2013.2.17 追記)

 竹ペレットの燃焼について試されている方のブログを見ることができたのですが、少なくとも暖房に使う場合は連続してうまく燃焼せず、木質ペレットを半分混ぜてもだめで、7割5分くらい木質ペレットを混ぜないと安定しないとの事です。再度の検証が待たれますが、なかなか思うように行かないものですね。


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