写真のアップロード前に確認したい「写り込み」

 前回のエントリーでは、うかつにGPS情報が入った画像ファイルをインターネット上にアップロードすべきではない理由について書いてみました。ただ、その点をクリアしたとしてもまだ気を付けたいことはあります。それが、自分で意図しないところで写真の中に写ってしまったものによって起こる問題の数々です。

 一般的に言われている個人情報流出の問題というのは、知らない人には特定されないように自宅周辺の写真を撮影した際に、目印となりやすい建物が一緒に入ってしまったため、周辺の地理に詳しい人から見ると容易に自宅の場所を特定されてしまうというような場合で、たった一人にでも解析されればその人が詳しい住所をネット上にアップするだけで個人情報はあっという間に広まってしまいます。まあ自宅の場合は自分で自分の責任を負うようなところがあるのですが、もっと問題なのは友人の家だったり、著名人の自宅などを撮影したような場合、同じようにその場所がネット上の捜索で判明するようなことになたとしたらこれはもう個人の問題ではなく、最悪の場合撮影先の方とトラブルに発展する恐れがあります。ネットにアップする前には目的物の周辺に、何かその場所を特定されるようなものが写っていないか確認することが大事だと言えます。

 もう一つ言われることは、写真の主題の周辺にとりまくように存在する人物の写り込みです。都会の雑踏の中で行きかう多くの人というのはまず避けることは不可能で、多くの場合問題になることはないでしょうが、偶然自分の姿がネット上にアップされているのを発見して憤慨する方もいるかも知れません。個人的見解ですが、あまりはっきり写ってしまった人については、画像処理ソフトでモザイク処理をするなどの手直しが必要かも知れません。また、こんなことは私の妄想の中だけのことかも知れませんが、たまたま顔がはっきり写った人物が、犯罪やテロ捜査のために職務中の公務員だったとしたら(^^;)、もしかしたら特定秘密保護法にひっかかってしまうかも知れません。何しろ一般人の側としては何が秘密で何が問題なのかわからないまま処理されてしまう案件になるだろうと思いますので、実際に法律違反で捕まったとしても、摘発された写真の何に問題があるかわからないままである可能性が高く、ここで私が書いていることも全くの見当はずれかも知れませんが、できる限り写真をアップロードすることによるリスクを下げる方向で対策することは必要でしょう。そして、群集の中であっても児童・生徒の集団というのはより学校名を特定されやすいということで、写り込みには注意した方がいいように思います。

 最後にもう一つ気を付けたいと思うのは、本体自体に重大な情報が付いている自動車やバイクのナンバーの写り込みです。ご存知の方もいるかも知れませんが、車のナンバープレートがわかれば、管轄する陸運支局へ行き閲覧を申し込めば、免許証の提示は必要になりますが使用者や所有者の住所氏名が入った情報を引き出すことができます。これは、例えば当て逃げやひき逃げ事故の被害に遭ってしまったような場合、ナンバープレートさえ正確に記録しておけば運転者かどうかはわかりませんが、少なくともその車の所有者を割り出し、賠償を求めることができます。こうしたことを悪用し、自分が全く知らないうちに写真に写った車の情報を入手されてしまうことは十分に起こり得ると思われます。車での旅行のブログをやっている方の中には自分の車の入った写真をアップロードすることもあるかと思いますが、少なくともナンバープレートについてはモザイク処理などでわからないように加工してからアップしましょう。そしてこれは群集写真と同じように、自分とは無関係な車のナンバープレートが読み取れるような写真があったら、その掲載自体を考え直すか、ちゃんと加工した上でアップロードするのが無難と思えます。

 こうしてみると、写真をインターネットにアップロードするのにも結構大変だということになりますが、やはりそれなりにチェックしてから出すようにしないとまずい状況も出てきてしまうかも知れないので、こうした手間も仕方ないでしょう。先述の通り、今後はこのように十分注意をしたにも関わらず、何らかの問題をアップロードした写真で国家機密に関わる問題が見付けられたらアウトになるかも知れず、そして問題になる「秘密」が何なのか一般の人は知ることができないということで、対策の立てようがない部分も出てきてしまいます。取り越し苦労と言われればそれまでですが、この辺のことが気になる方は、むしろ今後一切写真をアップロードしないという選択も出てくるのではないかという気もします。


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写真のアップロード前に確認したい「写り込み」」への2件のフィードバック

  1. acefeel 投稿作成者

    なるほどぉ。写真のGPSや映り込み 気をつけなくちゃね。
    旅の途中の更新っても 考えるなあ。 

  2. てら 投稿作成者

    旅の最中にその様子を写真付きですぐに紹介できるというのはスマートフォンやタブレット端末があれば簡単にできるようになって、何も問題が起こらなければ楽しいものですが、なかなか安易にお勧めできないのが悲しいところです。
    少なくとも、アップした段階で紹介した場所にいないようにするのが防犯上のことを考えると安心だと思います。

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