今後携帯大手3社から「ガラケー」が出なくなる可能性

 携帯大手3社の新機種の発表が行なわれる季節になりました。新機種というのはほとんどがスマートフォンで、魅力的なガラケーというのはあまり出てきませんが、ガラケーユーザーの中には漠然とした不安を持っている方もいるかも知れません。ぶっちゃけて書きますと、今ある携帯電話のガラケーが全てスマートフォンに取って変わるということが実際に起こるかどうかという問題ですが、これは実際にガラケーを出している携帯大手3社の動向にかかっているとしか現時点では言いようがありません。

 それでもauとドコモは新たに出してきた「ガラホ」を従来のガラケーからの乗り換えを促すことでガラケー利用者の乗り換えをうながしているように見えます。一応「ガラホ」は見てくれはガラケーのようなAndroidを採用した端末で、スマートフォンの類であるとも言えるのですが、現状ではGoogle Playを利用して様々なアプリを導入することはできないので、今後の動向によっては、単にAndroidの入ったガラケーとして進化していく方向性もありえます。ただ逆に、裏技的なものを含めてGoogle Playや外部メモリなどから様々なアプリを導入できるようになると、単なるガラケーの形をしたスマートフォンになってしまいます。auとドコモが「ガラホ」をどう進化させていくのかというメッセージは今後にわたってしっかりと見ていきたいテーマになるかも知れません。

 それはそれとして、最近、ちょっと気になるニュースをネットで知りました。もう一社の大手、ソフトバンクモバイルの社長さんが発した、ガラケーの存続についての否定的な発言のことです。先日の5月19日に開催された2015年夏モデル発表会で、今後も少数はガラケーを販売するとしながらも「本質的にはガラケーは必要ない」と語ったというニュースです。ソフトバンクモバイルについては顕著に出てきましたが、基本的には3社とも儲からないガラケーは新たに作って売りたくないというのが正直なところでしょう。私自身、スマートフォンやタブレット端末、バソコンを使いながらそうした新しい機能を持ったハードの便利さを感じ、それなりに使いこなすこともできています。しかし、だからこそ新しい技術を投入したハードの怖さも感じていたりします。

 スマートフォンは便利ですが、その負の側面も指摘されてきています。スパイアプリによってスマートフォンが乗っ取られ、全ての情報が第三者に筒抜けになってしまったり、悪意のあるウィルスが入り込んだらスマートフォン自体が動かなくなってしまう可能性は今後も続きます。ハッカー集団ないし、高いスキルを持つハッカーを使って何か大きな事をやらかそうと画策する集団が本気を出してスマートフォン用のウィルスを仕込んで流し、その結果多くのスマートフォンが感染してしまったら、かなりの人に長い時間にわたる影響が出てくる可能性があります。

 そんなことは決してないと思う方も多いかも知れませんが、現在のパソコンとインターネットをとりまく環境でも、クレジットカードやネットバンキング口座のパスワードが盗まれて、大きな被害が出ていたりします。今の携帯電話にはさまざまな情報が詰まっていますから、もしそれらがハッキングされたらと思うとぞっとします。そうした被害を防ぎ、感染するウィルスにもかからないようにするためにはどうしたらいいかを考えた場合、スマートフォンを使いながら対策を万全にするよりも、AndroidもiOSも使わず、ウィルスも入ってくる心配のない通話専用のガラケーを持つことの方が簡単に対処できるように私は思います。特にハッキングされることに自身で対処できないと思われる方は、ガラケーの利用が無難なように思います。

 進化したシステムがトラブルに見舞われた時、頼りになるのは単純なローテクであるということは大きな災害の後の状況を見れば明らかでしょう。停電になっても電話のメタル回線と電話局の設備さえ生き残っていれば、音声通話は可能です。私が今メインで使っているガラケーはネットだけでなくメールの契約もしていないので、完全な通話専用機になっています。もしスマートフォンを狙ったサイバーテロが起きたとしても、携帯電話関連の施設さえ動いていれば、通話およびSMSの送信は可能ですからいざという時にも連絡をしたり受けたりということは問題なくできるでしょう。企業として儲けを生まない事業から早く撤退したいという気持ちはわかりますが、通信事業というのは公共性があるものでもありますし、簡単にガラケーをやめるというような事はしてほしくないなと心から思います。


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