フットワークと決断力

 私のいる地方都市ではテレビ局の系列でテレビ東京系の放送局がないため、同局制作の番組はリアルタイムに見られないばかりか、どんなに評価の高い番組であっても、それが必ず放送される可能性はありません。それはとても残念なことで、というのも地上波の中で一番バラエティーに富んだ旅番組を放送する局であるからです。

 先日見た番組はテレビ東京制作の、芸能人にクリスマスプレゼントとしての休みを与えて自分の好きなように休日を楽しんでもらおうというバラエティーで、2011年12月に放送されたものを翌年の2月というかなり季節はずれの時期に見たのでした。以下ちょっとその番組の内容を紹介しますが、すでに見られている方はご容赦のほどを。ちなみに、番組の内容について全てがドキュメントとも思っていないかわりに、やらせや仕込みばかりでもない、適度に演出が入ったものであると認識しながら見ていました(^^;)。

 一応、金に糸目を付けないかわりに時間は翌日までという制限の中、どう休日を楽しむのかというのは、それぞれの出演者の個性が出ていて興味深いものでした。お笑い芸人のさまぁーず三村さんと出川さんのコンビが選んだのは箱根の高級旅館で1名およそ8万円という部屋で過ごすというものでしたが、これなどは確かにうらやましいものの、実に一般人の夢を満たしているかのようで、いかにもテレビ的で無難すぎる選択だなあと思いながら見ていました(^^;)。

 個人的にすごいと思ったのは美容家のIKKOさんで、この方は韓国に関する仕事も多いためか、パスポートがあればすぐに韓国への旅を選択しそうな雰囲気でした。でも突然の休日提供だったためパスポートがないということで、まず選択したのが、新大久保で韓国料理という休日の使い方としては勿体ないなあというものでした。新大久保からは銀座でエステに行き東京近辺をウロウロして終わるかと思ったのですが、IKKOさんは実に男らしい行動力で(^^;)、その後の展開には私にも実に参考になりました。

 銀座からいきなり羽田空港に向かい、飛行機のチケットを取って福岡空港へ。そして、ご自身のホームタウンである博多中州に行ってアポなしのまま懇意のすき焼き屋さんで夕食をとった後は、これも懇意にしている福岡郊外の温泉旅館に押し掛け、そこでのんびりされていました。現状で行けるところを冷静に分析し、決めた事をことごとく実現する休日の過ごし方というのは、限られた時間の使い方として私もあやかりたいくらいです。残念ながら私にはいつ行っても大丈夫な、テレビで紹介が問題なくできる懇意のお店や宿などはありませんが、車中泊の旅ならエリアを決めることで効率的にいろいろなところを回ることもでき、早朝からでも動けます。番組のように2日弱くらいの休みであっても、行くという思い切りさえあればかなり内容の濃い旅も可能でしょう。

 もちろん、短時間に詰め込むようにいろいろなところを回るのがいい休日の過ごし方かという声もあるでしょう。逆にとにかくのんびりしようと決めたら徹底的にのんびりするような休日の過ごし方というのもいいものです。ただ、これだけ限られた時間をうまく使って旅をしている人がいるのがわかってしまうと、今後思い掛けなく1日以上の時間がとれてしまった場合、家でのんびりするのももちろんいいでしょうが、フットワークを軽くしてちょっと考えつかないような旅をするというのは面白いでしょうね。特に車を使って宿も決めずに思い立ったら出発できる車中泊の旅はどんな形にも変化する日程が組めますし、私ももう少し軽いフットワークと決断力を磨きたいものです。


スポンサーリンク

コメントを残す