自分だけでどうにもならない事というのは、ストレスの原因になりやすいものです。自分がいやだと感じることは直接自分に関係のないものなら目にしたり耳にしたくないというのが正直なところなのですが、テレビを付けっぱなしにしているといやがおうでも入ってきてしまうので困ったものです。
先日、1ヶ月かけてカナダで開かれていた女子のサッカーワールドカップが終わりましたが、日本チームを応援していた人の多くはあまりの試合展開に手放しで準優勝を喜べなかったのではないかと思います。アメリカの長期に渡っての女子サッカーの強さは、その下にいる多くのサッカー人口と強化を行なう人たちによって支えられています。日本の女子サッカーの待遇と比べると、前チャンピオンであるにも関わらずかなり差が開いています。こんな状態の中でよく本大会決勝まで進んだなというのが為りざる私の感想ですが、今回の主力選手達がいなくなった後、次のオリンピックやワールドカップで、前回、今回大会と同じようにな活躍ができるのかどうか、大変不安に感じます。もちろん、国内リーグを盛り上げるためのファンの応援は大切ですが、やはり本腰を入れたチーム強化のためには莫大な予算がかかることは否めません。
女子サッカーに限らず、単独で巨大スポンサーの獲得が難しい競技であっても世界選手権やオリンピックで高成績を上げられるようにということで始まったのが国内男子サッカーの勝敗を当てるサッカーくじ「toto」でした。売り上げの半分が当選金として払い戻しに回されますが、そこから経費を引いた額が収益金となります。その収益の3分の2がスポーツの普及や強化のために使われています。さらに具体的な使い道についてはまとめサイトがありますので、そちらで確認していただいた方が早いのではないかと思います。
http://matome.naver.jp/odai/2136176149194894801
ただ、最近になってこの「toto」の収益金の使い道の中に、今何かと話題の新国立競技場の建設費にあてるだけでなく、その割合を増やす予定もあるという話が入ってきました。もちろん、東京オリンピックのメインスタジアムを整備することは大事ですが、競技場を建てることについては、今までの助成割合でもできるお金のかからないスタジアムの案を出している建築家の方もいました。そうした提案を却下し、これから最終的にどれだけ膨らむかわからない新国立競技場の建設に「toto」の収益金が使われるのだとしたら、必然的にアスリート強化のための予算に影響が出るでしょうし、特にマイナーだったり大スポンサーの付かない競技において、世界とのレベルの差が徐々に開くようになってしまう可能性も出てきます。
でも、直接文句を言えない立場では新競技場の内容についてとやかく言ってみ仕方ありませんし、決まったらその内容に従って黙々と税金を納めるしかありません。せめてもの抵抗は、税金以外に競技場建設に使うと決まっている「toto」の購入をボイコットするくらいでしょうね。ただ、そうした運動が起こったとしても、足りなくなれば税金から補填されるでしょうし(^^;)、あまり意味がないかも知れません。ただ、夢を買う方法は「toto」以外にもありますし、本気で応援したいスポーツ選手や競技団体があったら直接支援する方法もこれから模索していったほうがいいのかも知れません。昨日のニュースだと従来案で決まりという感じになってきていますので、今後は「toto」の購入については慎重にならざるを得ないでしょう。建設費を計上するならば、メインスタジアム一つに集中させるのではなく、オリンピック後にも多くの人の役に立つインフラ整備に向けてほしかったというのが正直な感想です。