Y!モバイル 10月以降のMNP転出手数料変更の影響

 2014年8月も半ばを過ぎ、いよいよPHSと携帯電話の電話番号をそのままにしたMNPが10月から解禁されます。直前になって、実際にMNP転出する際の手数料が9月までの2千円から3千円に上がることが話題になっているようです。実はこの発表については2014年7月17日のプレスリリースでワイモバイルから発表されていますので、個人的には驚きはありません。ただ、この事を直前になってニュースサイトの報道で知った方については、急に手数料を上げてと感情的になるかも知れませんね。

 ちなみに、11月末までは全ての転出時の手数料は3千円ですが、それ以降については契約から6ヶ月以内にMNPの手続きを行なう場合には倍の6千円になるそうです。これは、携帯電話会社を順番に乗り換えていくことで有利な契約を結ぼうとする人がいることの裏返しでもあるわけですが、ここでは、なぜワイモバイルがPHSの番号移動を伴う乗り換えが10月から解禁される時期に合わせて手数料を上げてきたのかについて考えてみたいと思います。

 以前にもこのブログで書きましたが、携帯電話とは違う仕組みで格安の料金で移動通信のできる端末を出したPHSの会社として誕生したDDIポケットはウィルコムと名前を変えてサービスを提供してきたものの、ソフトバンクグループの一員としてワイモバイルで再出発することとなりました。このワイモバイルという会社はウィルコムだけでなく、イーモバイルのサービスも引き継ぐことになり、そこに従来のソフトバンクのサービスも加わってきています。ワイモバイルはテレビコマーシャルもそれなりに出してはいるものの、そこで紹介されているプランは旧イーモバイルのプランに味付けをしたものなので、今後PHSはどうなってしまうのかという不安は既契約のある私としてはどうしても気になってしまいます。

 もしワイモバイルが7月のプレスリリースの時点で、PHSの既契約者が大量にMNPで他社に移ってしまうことを見越して各種事務手続き料金を上げてきたとしたら、相当数のPHS契約が他社に流れるのはあらかじめ想定していて、少しでも乗り換えに関することで収入を上げようとしているということも想像できます。こうした報道以外に現PHSプランの改革が行なわれ、携帯電話会社のかけ放題プランより条件のいいものが出てくるといったような話があればいいのですが、今のところ現状のままでサービス継続という感じなので、どうしてもPHSでなければダメという人以外はMNPで出ていくことも現実味を帯びてきます。その結果、このまま契約者数が減っていけばサービス自体の終了も見越しているのではないかという疑念も生まれます。

 ただ、病院内など携帯電話を使えないような場所でもペースメーカーに影響を与えずに使用することができる特性をPHSは持っているので、全てのサービスが終了してしまうと困る人達も大勢出てくるでしょう。可能性としては、事業用として大口顧客に対してのみ生き残るような方向性をワイモバイルとしては模索しているのかも知れません。

 今後のPHSの行く末を考えると、私には悲しい結末しか見えてこないのですが、サービスが開始された当初は、基本料金が2,700円で当時の携帯電話の基本料金と比べて破格の安さだったのが、現在は携帯電話の料金が、国内ならほとんどのところにかけ放題のプランでそれより安い金額でサービスを提供するようになってしまいました。この客観的な事実を見るだけでも、PHSのユーザーとしてある程度の覚悟をしておかなければならないのかとしみじみ思います。


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