世の中は桜の咲く季節になってきまして、学生の春休みの時期です。そうなると発売されるのがJR全線の普通列車(普通列車のグリーン車は追加料金が必要・その他特例あり)が1日乗り放題×5枚のセットになった切符「青春18きっぷ」です。
一部ではシニア御用達の切符という風になっている現状もありますが、現在も継続して販売されているというのは、普段列車を使わない人が利用することで多少はJRグループの売上げに貢献しているということが少しくらいはあるのでしょう。
この切符は使い方によってはかなり安く移動することができますが、同時に普通列車限定ということでそれなりの制約もあります。新幹線と比べてはいけないかも知れませんが、全て普通列車で移動するというのは、目的地に向かう過程を楽しめない方にとっては苦痛に感じることが多いかと思います。場所や路線によっては次の列車に連続する時間がかなり空いてしまうような場合もあるので、ただ単に駅で動かずに待つか、事前に待ち合わせ時間がどのくらいになるか調べた上で、列車への乗り継ぎ時間を現地での観光にあてるというようなことも可能になるでしょう。また、現地で面白いものを見付けたら途中下車してしまい、その後の計画を行き当たりばったりで変えてしまうような旅もこの切符を使うと気楽にできます。
ただ、そうした適当に行程を変える旅をしていると、もしかしたら自宅に帰る時間や宿泊のためにホテルを取っている宿にたどり着けない可能性も出てきますので、旅行中であってもその場で常に時刻表のデータを参照し、最低限この時間には出発しなくてはならないということくらいは頭に入れておくと、途中でこれ以上進めなくなることもなく、切符の効力を十分に活用できます。
そのために用意しておきたいのは、まずはスマホのアプリとしてある電車の時刻・経路および運賃を調べてくれる乗換案内アプリですが、青春18きっぷの場合、乗れる交通機関がJRの普通列車に限定されますので、その条件での検索ができるスマホ用アプリ「Y!乗換案内」の設定を変更して使うのがおすすめです。アプリの検索ボタンのすぐ上に並んでいるアイコンの中の「交通設定あり」のアイコンをタップして「検索条件設定」の中から、「新幹線・有料特急・空路・高速バス・路線/連絡バス・フェリー」という全てのJR普通列車以外の交通機関を使わないようにして検索しましょう。これで青春18切符を使って目的地までどのくらいで行けるかという経路を調べることができます。
多くの方は単に移動手段として鉄道を見ていると思うのでこのアプリだけで問題なく使うことができますが、特定の列車に乗りたかったり、あえて始発駅からゆっくり座って行くために終点まで乗らない方が良かったりする場合がないかとか、様々な情報を調べるためには駅の待合室にある紙の時刻表の方がダイヤ全体を見渡せて想像しやすいということがあります。
少し前までは紙の時刻表は電子化されていませんでしたが、今では有料アプリとしてスマホ用には「時刻表Lite」、タブレット用には「時刻表Pro」(どちらも交通新聞社提供のアプリでiOS Androidの両方で使えます)という紙の「JR時刻表」を電子化したアプリがあります。このアプリはJRの営業案内のページもそのまま見ることができ、「時刻表Pro」の料金は紙の大きな時刻表より少し安い30日間960円からということで、大き目のタブレットであればかなり紙の時刻表に近い使い勝手で利用することができます。基本的には月ごとのデータをダウンロードして利用するので、電波の届かないところでも使えます。
タブレットを持っていなかったり、時刻表にそこまでお金を払いたくないという方はスマホ用アプリの「時刻表Lite」なら月額360円(アプリの初期設定のままだと自動継続で課金されるので、更新しない場合は手動での設定が必要になります)で使えます。また、7日120円という期間限定プランもあるので、普段電車を使わず、電車に乗る時だけ「時刻表Lite」を使いたいという方はさらにリーズナブルに使うことができます。こちらの方は常に最新のデータを通信によって得る関係もあってオフラインでは使えませんが、本体メモリを圧迫せずに利用できるので、利用状況と使う端末によってどちらの方がいいかは変わってくるでしょう。どちらのアプリでも18切符用の設定があり、検索したデータから時刻表データに簡単に飛ぶことができますので、途中駅での滞在時間を伸ばしてそれ以降列車のスケジュールを調べることも簡単にできます。年間を通じて電車を使われる方にとっては通勤と旅行の両方で使えるので、月360円という金額は決して高くはないと思います。
そこまでして時刻表にお金を払いたくないという場合は、同じように紙の時刻表の内容を表示できるサイト「えきから時刻表」があります。以下のサイトをブックマークしてオンライン時に利用できる無料の時刻表サイトです。
・えきから時刻表
http://www.ekikara.jp/top.htm
個人的にはモバイル運用でノートパソコンをスマホからのテザリングで利用できるなら、このサイト経由で時刻表を確認しても十分だと思います。オンライン利用だと電波が届かない場所では利用できませんが、ウェブには常に最新のデータが出てくるので、古いままの時刻を見て肝心な時に乗り遅れるような事もありません。まずはこのサイトで旅の日程を考えながら使ってみて、もう少し便利なものが欲しいと思ったら「時刻表Pro」や「時刻表Lite」に移行するという手もあるでしょう。
また、旅先でノートパソコンが使えるなら、ウェブサービスの「乗換案内」にある「青春18切符検索」が無料で使えます(アプリ版の「青春18切符検索」は有料)まずは以下のリンクからだいたいの目的地までの時間を検索した結果をメモしておき、細かい列車の内容は「えきから時刻表」で調べ直すというような技がウェブ上からなら使えますので、こちらのサイトの方もブックマークしておくと便利です。
・ジョルダン 乗換案内
https://www.jorudan.co.jp/norikae/
車を使っての旅でも、最近では郊外の駅前の駐車場が一日置いても500円以下という安いところもあるので、車を停めて一部鉄道を使う旅というものも渋滞が心配される場所に行くことがあるならこうした時刻表アプリやサイトを使って旅の足を変えてみるというのもいいでしょう。また時刻表のいいところは、実際に行く前の計画の段階で具体的なスケジュールを組むことができたり、疑似旅のようなこともできてしまうということです。アプリやWebでの時刻表データの利用をするにあたっては、文字の拡大もできますし、紙の時刻表だと細かい文字が見えないという方にとっても、こうしたネット経由のデータを使ってみるのもいいと思います。まずはネット経由で電車の時刻を調べるところからぜひ試してみましょう。