先日、ドコモの白ロムのタブレットを中古で購入したところ、すでにサービスの終了がアナウンスされているNOTTVが見られる機能があるものでした。このサービスは、地上波のアナログテレビが終了して使わなくなった電波を使って放送するテレビ放送で、専用のチューナーがないと見られないという特徴があります。
そのため、ドコモのスマホの中で勝手にチューナーを内蔵できないiPhoneではたとえドコモのSIMを入れていたとしても見ることができず、わざわざ別売りの専用チューナーを買ってまで見るものでもなかったということからか、利用者をドコモ契約者の中でも限定させるものになり、結果NOTTVの赤字が膨らんだと言われています。スマホの売れ筋であるiPhoneをどうしてもドコモでも売りたいとそれまでの経営路線を変更し、多くのiPhoneユーザーを獲得したことが今になって裏目に出た格好です。
さらに、iPhoneでないスマホやタブレットを購入したユーザーでも、この放送を見るためにはドコモとの有料契約が必要なわけですから、何もわざわざ有料で契約しなくても地上波の放送が見られればそれでいいという人がほとんどなわけで、半は強制的にNOTTVに加入させるようなキャンペーンを行なわなければならなかったことが想像されます。こうした手法というのはやはりほころびが出るものです。
これは、ドコモに限らず携帯大手三社すべてに言えるかも知れませんが、iPhoneというスマホは多くのサービスをApple社によって握られていて、どの通信会社と契約したとしても、サービス内容についてはApple社が主導する部分が多くなります。ドコモなど日本の大手キャリアの監修のもと自由におサイフケータイやワンセグを入れて売ることができた他のスマホとは根本的に違います。
さらに、iPhoneはAndroidスマホのように、あからさまにテザリング機能をつぶされているということもありません。これはMVNO利用でiPhoneを使っている人には有難い機能です。最近になってAppleストアでそう高くない価格でiPhone SEが出たことは、かなり携帯大手から見るとショッキングな話だったに違いありません。
今後iPhoneの販売についてはApple Storeおよびその代理店(例えば家電量販店など)で購入する事が普通になれば、本体の修理や長期保証についてもAppleで面倒を見てもらえるようになり、ある意味使い勝手は良くなります。
現在でも全てドコモショップであえて契約内容やオプション加入でしばり、さらになかなか利用実体に合った価格のデータプランを選べないというような形での抱合せ販売も、0円端末というものが今後は取りやめになる方向が示されていますので、あえてドコモ・au・ソフトバンクモバイルで端末と通信サービスの両方を購入しなくてもいいのではないかと思う人は増えてくるのではないかとも思えたりするのです。
NOTTVはそういう意味では、ドコモが自分で自分の首を締める結果になったサービスということで記憶に残るものになってしまうかも知れません。逆に、ドコモがiPhoneキラーとでも言うべき多くの機能の詰まった端末を出していたらどうなったかという気もします。
私自身はやはり防水機能は欲しいですし、何より日本語入力のための自由さというものを許してくれないiPhoneはメイン機にはなりえません。個人的に思うのは、ドコモが通話専用SIMだけでもWi-Fiによるメールやアプリ、ウェブの使えるような機能の付いたガラケーの製品をなぜドコモが出してくれないかという事ですね。そんな端末が出れば、iPhoneより売り値は高くても、買って使いたいという人も結構いるのではないでしょうか。