Amazon口座が日本で始まったら

まだ、本国のアメリカでも行なわれていないサービスの話なので、日本で実際に行なわれるかどうかもわからない話ではあるのですが、流通大手のAmazonが銀行の当座預金のような(小切手を振り出せますが利子が付きません)お金になるのかお金をAmazonでしか使えないようなポイントにするのかはわかりませんが、金融系のサービスを顧客に提供するのかどうかという話がニュースになっています。

昨年あたりから、日本のネットショッピングというのは注文した後の配送に問題が出てくるようになり、専門にAmazonの荷物を請け負っていたヤマト運輸が撤退し、各社の競争が激しくなる中で配送料自体の値上げも現実的なものになっています。そんな中、Amazonは年額3,900円(月払いもあり)の支払いで例外はあるもののほとんどのネットショッピングの注文が送料無料になる「Amazonプライム会員」を増やしてきており、サービスの一環として多くのビデオ作品や音楽アルバム、そして一部のKindle用の書籍をプライム会員にそれ以上の費用負担なく提供しています。逆にそうしたサービスがなければ、Amazonを使わないという人がそろそろ出てくるかも知れません。

普通の決済だけでは送料分の負担をするのが難しいということになると、当然購入する時点から自社サービスを使ってもらうことで送料無料を維持しようと考えるわけで、その一環としてAmazonの当座預金のような金融商品登場というような流れも出てくるのではないかと考えられます。

実際問題として、支払いがAmazonの作った口座を使い、同じくAmazonが作った電子マネー(そもそも電子マネーの構想はまだ出ていないので、あくまで個人的な推測に基づいた話であるとお断りしておきます)からでないと送料が無料にならないなら、喜んで口座を作り電子マネーを使うと思っている人もいることでしょう。更にAmazonの金融商品によってコンビニやスーパーなどでも便利に使え、さらに使える場所が増えていくということになると、結果として現在日本で流通している他の金融サービスや電子マネーの流通にも影響が出るようになります。

ただこうなってくると、Amazonが日本でこうしたサービスをやらなくても、それに対抗する形で日本のメガバンクをはじめ地方銀行、信用金庫のようなところはどこまでユーザーに優しいサービスを行なえるのかどうかということも気になります。インターネットで物を買う場合、お店が近くにあって安い価格で買える都市圏に住んでいる人はそこまで考えないかも知れませんが、地元の商店で購入する場合、ネットでの値付けとかなり開きがあるような地方では、Amazonのような送料無料のネット通販に頼っている人も少なくない現状があるからです。

現在、車で行くことができる日本国の離島を除く場所であればほぼ例外なく送料無料で物品を購入できるようになっているので、Amazonの場合プライム会員になればクレジットカードで決済すれば手数料も無くカードで単に物を買うような感じで買い物ができます。今でもLINE Payカードではクレジットカードではありませんが、事前にカードに買い物分の電子マネーをチャージすることによってクレジットカードと同じようにネットで買い物ができます。今後LINE Payと同じような事をAmazonがやるかどうかはわかりませんが、様々な理由によってクレジットカードを持たない人でも、今ある銀行から振り込みに行く手間もお金も掛からずにネットに出ているお金の分だけ決済すれば手数料も掛からずにいつでも必要な物が注文できるのは喜ぶべき傾向でしょう。それまで振込手数料で儲けてきた銀行にとってはこのような流れは脅威には違いありませんが、今からそういった銀行の常識を変えていかないと人々から選ばれない金融機関になってしまいかねないと私は思います。

この辺は日本の金融機関がどう考えるかにもよりますが、このまま黒船来航を許して好き勝手にやられるのか、事前に黒船の傾向を調べ、簡単にはとって変わられない新しい仕組みを私達に示すことができるのかが問われているような気がします。日本の消費者はかなりわがままで、義理人情だけでは繋ぎ止める事は難しいのではないかと今回のAmazonのニュースを聞いてそんな風に思いました。

カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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Amazon口座が日本で始まったら」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    アマゾン口座はまだ具体的には中身がよくわからないので何とも言えないですが、もしLinepayではないですが、同じようなシステムを始めると日本の金融機関にとっては脅威ですね。
    金融機関も体質改善を試みていますが、現金主義の島国の国民は現金主義を成り立たせている金融機関のシステムが崩壊寸前だと言う事がわかってない。なんで変えなければいけないのか、ついていけない人はどうする。で反発するだけです。
    嫌韓感情でLineを否定する人はなんだかんだと言ってLineが有するユーザー数の多さの脅威が理解出来ない。今後スマホ決済が増える中でLinepayの存在価値は高くなります。
    アマゾン口座もそうです。いったいどの程度の人がアマゾンのIDお持っているかは知りませんが、母体としては抜きんでていると思います。そのユーザー間で共通通貨を持ち自由に送金出来れば利便性は高いです。
    アマゾンPayカードを発行したら。LinepayカードとアマゾンPayカードでカード界は牛耳られてしまう。
    三井住友銀行がクレジット・キャッシュ一体型の新規受け付けを終了し、デビット・キャッシュ一体型カードの発行を始めましたが、アマゾンが現在のクレジットカードを廃止してデビットカードに移行した場合どうなるか。アマゾン口座にチャージしたお金がアマゾンでも他の店でも使えるとなればまずますアマゾン依存度が高くなる。ちなみに三井住友銀行は大幅なATM削減を考えているようです。近くの支店は気が付いたら三分の一の3台撤去されました。残り6台のうち3台は撤去されそうです。
    日本の銀行も邦銀間では少なくとも個人の送金手数料くらいは無料にしないと対抗出来ないでしょう。Line嫌いアマゾン嫌いで使わないと言う人達依存では先行きが暗いです。
    アマゾンには顧客の購入履歴と言う貴重なデータも豊富だと言う事も脅威ですね。
    ちなみに最近はLinepayカードにチャージしてLinepayカードで支払いアマゾンのギフトを購入してアマゾンで買い物をしています。これだと100円未満切り捨てと言うLinePayカードの欠点をカバー出来ます。

  2. てら 投稿作成者

    ケイタイオタク さん コメントありがとうございました。

    LINEPayでAmazonギフトカードを購入して買い物というのは、電子マネーの利便性や現金と違うポイントだけの問題ではなく、購入したいものがあった場合、アマゾンギフトをまず購入するという一手間付けることによって、衝動買いを抑制したり、最初に買いたいものよりさらに安いものを発見した場合に先に注文したものをキャンセルする必要がないというメリットもあると思います。

    今後Amazonが日本でどこまで勢力を伸ばすかはわかりませんが、少なくとも送料無料で翌日配達が普通になることで、買い物の利便性に関しては大都市と地方との格差が縮まってきたということは言えるでしょう。もし今後、会社へ行かずに自宅で仕事をすることでも都市とそれほど変わらない雇用状況で就労できるなら、人によりますがあえて地方の家賃の安いところに住んで、自分の運転で様々なところに遊びに行くようなライフスタイルも十分にありかと思います。自分でも大都市のワンルームに10万円前後の家賃を払うよりも、地方の一軒家を3万円以内で駐車場込みで貸してくれるところがあるのなら、そちらの方を選べるものなら選びたいと思ってしまいます(^^;)。

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