共同通信がスクープした大手キャリアの値下げ審議委員への寄付

自宅では全国紙ではなく地方紙を購読しているのですが、社会面に載っていた記事にちょっと注目しました。改めて調べたら地方紙へ記事を提供する共同通信の独自の記事だったようですが、その内容というのは、安く携帯電話を利用したいと思う人の気持ちを逆なでするような内容になっています。(以下のリンク先の記事は突然リンク切れになる可能性があります)

https://this.kiji.is/464717938404246625?c=39546741839462401

具体的には総務省の電気通信事業政策部会と下部組織における審議会の委員(主に国立大学の教授)に対し、NTTドコモとKDDIの2社が大学の研究費用を寄付しており、その規模が8人の審議会委員で4,000万円を超える額になっていることが、共同通信の請求した情報公開請求によって明らかになったというものです。

取材を受けた総務省は「審議は(寄付金とは関係なく)公正に行なわれている」とコメントし、審議会の委員についても同じく「審議は公正に行なわれている」と回答していることを報道していますが、こういう事を言われても現在まで多くの大手キャリア契約者が満足するまで毎月のスマホ利用料が安くなっていないのではないかと考える人も多く、まだMVNOとの価格差は相当あると感じる方もいるでしょう。そしてそのMVNOがどうやって通信サービスを行なっているかというと、大手キャリアから帯域を借りて提供しているわけで、胴元の方が高値で安定してしまっているというのは解せないというのが個人的にどうかと思うところです。

私個人の利用内容で言うと、大手キャリアの中ではドコモに加入していますが、データ通信料が高いのでいわゆるガラホを契約しているのに通話だけにしか使えていないという状況になっています。OSがAndroidのガラホなので、それなりに便利にデータ通信にも使えるのですが、Wi-Fiで使う以外は通話専用になってしまっています。

もしドコモもMVNOにならい、高速通信を行なわず128kbps(ドコモの場合のデータ制限が行なわれる場合の最大速度)固定のデータ通信を月額千円くらいで提供してくれれば、画面の小さなガラホでも十分に簡単なデータのやり取りやウェブ閲覧くらいはできるので、一気に使い勝手が広がります。LINE通話を使えば、音声通話に通話定額を付けなくても低速通信で十分に友人との連絡は付くでしょうし、それなりにニーズもあると思うのですがそうしたプランが出てこないのが不思議ではあります。

個人的にはもはや大手キャリアがMVNO並の安いデータプランを出すということは半ば諦めていたのですが、今回報道された件があくまで「公正に話されている」前提で行なわれていたとしても、残るのは総務省と大手キャリアに対しての不信感しかなく、今後の通話の状況によってはドコモからの離脱も止むなしという状況になるかも知れません。

とにかく、昔から「李下に冠を正さず」という言葉があるように、あえて多くの人から疑われるような寄付金のもらい方を何故するのか、もしかしたら今回報道されたような事が多くの人に誤解を受ける可能性を考えないで補助金をもらうと同時に審議委員を続けていたのかと思うと本当に理解に苦しみます。そうなると、ユーザー側ができることとしては、できるだけ大手キャリアとの付き合いを少なくし、用途によって使う会社を分けて使うのが一番ということになってしまいます。

もしかしたら大手キャリアは次世代の5Gでさらなる高額プランを売ろうともくろんでいるのかも知れませんが、そこまでの速度を必要とするユーザーが全てではないということも考えてもらって、契約しやすいプランが出てこなければこのまま現状維持でいくことになるでしょう。できればもう少し総務省にも大手キャリアにも本気で通信費を安くするための努力をしていただきたいものですが。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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