来年こそ小型のモバイルバッテリーの中味がリチウムイオンからリン酸鉄などの燃えないバッテリーになるか?

先日、政府は新しいエネルギー基本計画の素案を発表したのですが、そこでは原子力発電についても最大限に活用するとしています。太陽光や風力のような再生可能エネルギーだけでは電力需要に応えられないというのが正直なところだろうと思いますし、水力は一気に増やすことは無理でしょう。今まではその穴を埋めてきた火力については、世界的規模の環境問題の深刻化により、自国の電力が賄えれば良いというような理屈で、火力発電への依存度を増やすことはできないというのがこれもまた正直なところで、八方塞がりという感じがある中での発表のように思います。

さらに、ロシアとウクライナの紛争や、中東での正常の不安定な状況の中で、原油や天然ガスの輸入が難しくなったり、燃料の単価が上がったりして、過去のようにはいかないこととも関係があるでしょう。

もし日本の電力供給のバランスが崩れたら、計画停電がまた行なわれるようになるだけでなく、今のように落雷など突発的な状況でない時に急に停電が起きたりするような事も起きるのかも知れませんが、そうした状況の中でも私たちは生活を続けていかなくてはいけません。そうした生活の不安を消すためには原子力発電を容認しなければならないのでしょうか。

私としては、今の技術の中でも急な停電が起こったとしても家庭で使う電気くらいだったら、お金はかかるものの何とかなるのではないかと思っています。というのも、ここ数日このブログで紹介しているリチウムイオン電池と違って耐久性が高く発火の恐れの少ないリン酸鉄バッテリーを内蔵したポータブル電源を家庭用のサブバッテリーとして活用することができれば、停電の長さがどのくらいなのかという問題はありますが、停電中の電気をそれぞれの家庭内に設置したサブバッテリーで供給することで、利用している側は頻繁に停電があってもそれを意識しないで生活はできるのではないかと思います。

今でも、かなり高額になることを覚悟すれば、普段は家のコンセントから供給される電気を使っていても、停電になった時に瞬時にバッテリーからの電力供給に切り替わるシステムが家庭に備われば、停電が終わったらバッテリーに再び充電しながら家庭の電気を使えるようにできます。

車中泊用の車でも、そうしたシステムを仕込むことは可能です。最近では車に付けたソーラーパネルだけではなく、車の走行中の発電器から充電を効率良く行なうことによって、大容量のバッテリーを走行充電することもできるようになっているので、「太陽光発電」「走行充電」をうまく使いながら移動して車中泊をしつつ、エアコンを使って車内の快適環境を保ったり、電子レンジや各種調理器で火を使わない調理をしつつ、テレビやパソコン、スマホの安定した利用を可能にできます。それは、充電のための技術が向上したこともありますが、それよりもっと大きいのが、大容量でも安全で耐久性のある家庭用のバッテリーが手ごろに入手できるようになったからとも言えるのではないでしょうか。

今後、もしどこかの電力会社が、停電時にも家で電気が使えるように、各家庭に停電時に利用可能なバッテリーを付けることを前提としたプランを作れば、今後もし電気の供給が不安定になっても、電気が供給された時にバッテリーにためこむことで、かえって災害に強い電力プランになる可能性があります。今後そうしたリン酸鉄バッテリーの需要の高まりとともに多くの電池が生産され、値段も下がっていけば、モバイルの環境も当然変わることが考えられます。

今現在、モバイルバッテリーはまだリチウムイオン電池が主流ではありますが、モバイルバッテリーでもリン酸鉄バッテリーや準固体電池を採用しているものも出てきています。しかしまだ数が少ないため高額であることがネックではあるのですが、家庭用の大きなものだけでなくモバイルバッテリーまでリン酸鉄バッテリーになる未来というのも全くない話ではないと私は思います。

どちらから普及していくかはわかりませんが、来年あたりノートパソコンの充電にも使えるようなリン酸鉄バッテリーが安く供給されたり、市販されているポータブル電源が大容量化されても価格が安くなったりとか、そういうことがあれば、個人の家庭内から社会を変えていけるのではないでしょうか。

今の家庭でもエアコンが動かせないと困るという方は多いとは思いますが、停電時にはエアコンを諦める代わりに、冷蔵庫は動き続け、明かりはもちろんですが、テレビやネットは使え、電子レンジくらいは長時間でなくともピンポイントで使えるくらいの電気を家庭用充電池で動かせるのであれば、私はそういうプランのある電力会社を利用したいと思います。

天候の都合で多く発電できる時と、全く発電できない時がある太陽光や風力発電を実用化するには、新たな蓄電池の開発がキモであることは今さら語るまでもないかと思いますが、もはや集合住宅で暮らす家庭内くらいであれば何とかなるのではないかという気もします。来年は自分自身でも停電に強い家を作るための努力をしていこうと思っていますが、難しい事を考えなくても普通に暮らしているだけで充電池を停電時に使えるような生活のシステムが実用化されることを祈っています。

カテゴリー: 充電池活用法 | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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