今の時代でも良くあることなのかと思うのですが、あるネットニュースで中学生の息子にスマホを持たせたところ、その料金(記事ではワイモバイルでした)請求で、「通話料」が13万円弱になっていて大変高い勉強代を払うことになったという話を読みました。
私のブログではそれぞれの利用者にとって安く使えるスマホプランについて結構書くことがあるのですが、今回はその前提となる「基本的なスマホの料金の仕組み」について書いてみたいと思います。
スマホの料金には二通りあり、一つが「データ通信料」で、もう一つが電話番号を使って通話やSMSをする場合の「通話料」というものに分けられると思います。データ通信を使い切ってしまった場合、通信速度が制限されてしまいますが、追加のクーポンをお金を出して買わない限り、月のデータ容量分の料金については毎月一定になります。
ここで気を付けたいのは、通信会社のアプリを使うと、アプリの操作だけで自由に高速データ通信の容量を追加することができてしまうので、お子さんにスマホを使わせる場合にはその点について話し合いつつ、勝手にアプリをインストールしていないか(当然そのアプリで不足した高速データ容量の追加購入をしていないか)を親御さんは把握しておいた方が良いでしょう。
今回のネットニュースで問題となったのが、電話番号を使った「通話料金」です。月に13万円というのは、ワイモバイルの場合30秒20円という他の携帯電話会社と同じくらいの料金水準だと思うので、月に54時間くらい電話していたということになります。なぜこんな事になったのかというと、ニュースでの説明では、親子間の話し合いで、夜間についてはスマホにロックを掛けて自由にスマホを使わせないことにしたのですが、ロックが掛かった状態で画面を付けると「緊急通報」というボタンが出てきて、そこから進むと電話番号を使った通話を掛けることができることを発見し、それからは友人と直接電話番号を使った電話をするだけでなく、電話をつなぎっぱなしにしたまま放置するような事もあったのだそうです。
その後、ワイモバイルから連絡が来たことで、家族割を使って別回線も親子ともども使っていたということもあり、その13万円を払ったのだそうです。ニュースの中でも言及がありましたが、家の中で友人と連絡を取る場合、もし自宅に光回線などのネット環境があれば、LINE通話を使うことで通信料は光回線の固定料金になるので、息子さんからすると無料で電話(ビデオ電話も)が掛け放題になることが当り前になる中、電話番号を使った電話とLINE通話との区別がついていなかった可能性が高いと言えるでしょう。そして、これが今後の初めて自分のスマホを持つ若年層の人たちにきちんと説明すべきことでもあります。
そもそも、国内の通信事業は有線の音声通話しかできない電話から始まりました。直接人と会わなくても話しができるというのはそれ以前の生活からすると大きな変化ですが、料金大系はきちんと決められていました。市内通話なら3分7円ですが、当然長電話をすると話した分だけ料金がかかります。さらにその料金というのは事前に支払う固定料金とは別に、「使った分だけ後払い」になるので、長電話を国内の長距離でしばしば行なった場合には、今回の事例と同じように楽しく話していたその翌月に10万単位の電話代請求が行なわれて大変な思いをしたという方も少なくないと思います。
また、インターネット創成期には電話回線に接続してインターネットを行なっていたので、まずつなぎ続けると延々と通話料と同じ料金がかさみます。さらに、インターネットに接続する場合はプロバイダーと契約するので、データをダウンロードするにも通信料が結構かかっていたのです。ゲームアプリをダウンロードしたら、通話料と通信料の合計で1万円くらいかかった時代もありました。
そんな高額請求にならないように、正しくスマホ関連の料金について知ることが必要で、私自身はできるだけ固定料金の他に料金を払わないような工夫をしています。今回のニュースの中学生のようにロックが外れないからと緊急通報ボタンから電話をしてしまうと、電話代が無料なはずの楽天モバイルでも通話料金が青天井でかかります(一応通話オプションは用意されてはいます)。なぜなら、楽天モバイルの通話・SMSが無料になる条件は、専用の「Rakuten Link」というソフト経由で発信しないと無料にならない仕組みになっているからです。
今回の場合、特に電話番号から通話するための定額プランを付けていなければ、掛ければ掛けるだけ青天井の通話料請求になりますので、通話定額オプションを付けない場合には、電話番号に電話をする場合の料金についてきちんと説明することが大切になりますね。ちなみに、私の親に持たせているスマホには5分定額を付けていて、別のアプリと組み合わせることで、こちらから掛けた通話が5分を超える前に強制切断するようにセットしてあるので、ニュースのような高額請求の危険性はほぼないと思います。
どちらにしても、どんなスマホプランでも通話やデータ通信を無制限に使って安く済むようなものにするには、それなりのコストがかかります。通話もデータも無制限ということだと、回線を2つ契約して、一つは通話専用にpovo2.0の通話無制限のトッピング(月1,650円)にして、もう一つは楽天モバイルの回線(無制限で月3,278円)にすると二回線合計で4,928円/月になります。ただこれでも、0570から始まる電話番号への電話や、povo2.0の回線でSMSを送ると別料金になりますので、それらの点には注意ですね。
無料のイメージが先行している弊害だと思います。無料には条件があるのにその条件をきちんと理解していないと思います。実際プランも多様ですべては理解できないとは思いますが、無料だと思い込みが怖いですね。
少なくとも無料の条件はきちんと理解して子供にも理解させる事は必要だと思います。
金銭感覚を現金と言う可視化されたものでなく数値と言う抽象概念で理解出来る様にすることも必要です。現金主義では支払わないと実感がわかない。通信費の変動費は結果でしかわからない。高い授業料で痛い目に合わないとわからない。
オーストラリアで16歳未満のSNS禁止ですが、実効性がどこまであるかは疑問ですが、少なくても16歳未満が利用する端末には保護者あるいは学校が認めなければアプリをインストール出来ないシステムが必要だと思います。
ケータイオタクさん コメントありがとうございました。
ニュース元の家庭では、支払いは本人同伴で行き、実際に現金を振り込むことで、自分の行なっていた事の大きさを感じていたようです。ただ、今回の場合は各種通信会社が「家族でまとめると安い」というプランをやっていて、ワイモバイルでも家族で入ると安くなるということはあるのですが、一人とんでもない請求になってしまうと、料金を払わないと当該回線だけでなく、家族全員の回線が利用停止になるということもあったようです。
我が家の場合は家族割を使わず、スマホ料金の仕組みをよく知らない親の使う回線に対しては、少なくとも通話定額オプションは必要だと思い入れています。もっとも、5分定額にしてアプリから通話が5分になる前に強制終了になるアプリを入れていますので、LINE電話と電話番号による電話との違いがわからない親でも今のところ問題は起きていません。ただ、この方法はこちらが仕掛けたトラップを必死になって破ろうとするかも知れない子供には効かない技かも知れません。やはり、ケータイオタクさんのおっしゃるような丁寧な説明を事前にしておくことに尽きる気がします。