車を使っての旅行に行けないながら、わずかな楽しみは県内の農産物直売所に出向くことです。直売所には様々な特徴がありますが、今回選んだのは「JA富士宮 ファーマーズマーケット う宮~な」です。なぜかというと、夏に旬を迎える「生落花生」をこの直売所では大量に売り出し、市場価格よりかなり安く購入できるからです。
落花生は塩水で茹でて、茹でたてをいただきます。個人的にはビールのおつまみには最適だと思っているのですが、人気の農産物なので、スタートから距離があるこちらには落花生購入には高いハードルがあります。
それでもこの「う宮ーな」を目的地にした理由というのは、この直売所の仕組みにあります。近くの同じような生落花生を売る直売所は、朝の9時頃に到着しても初回入荷分が売り切れたらすぐに営業終了なんてところもある中、野菜だけでなく肉や魚、さらに土地の名物である「富士宮焼きそば」をはじめとした惣菜コーナーも充実しており、お目当ての落花生がなくても多くの人が訪れます。ただ、それでは落花生を目当てにやってきたこちらとしては残念でしかないのですが、私が着いたお昼の12時以降でも新たな野菜の入荷があるということが、この直売所の特徴でもあります。
まず購入したのが、今年の全体的な野菜の高騰の中、春キャベツの取れたてを搬入してきた農家さんがいて、その方の説明を聞きながら必要な分を購入することができました。そして、他の物を購入しながら店内の様子に気を配っていたところ、その瞬間はついに訪れたのです。
というのも、会計をしようとしていたら、近くを通ったおじさんの買い物カゴの中に落花生を発見したので、ぱっとそれまで空だった落花生売り場を見たら、生産者の方がわずかではあるもののネットに入った落花生を持ってきているではありませんか(^^)。そうなるととにかく早くゲットするしかないので、内容も見ないで商品を手にし、改めて会計をして何とか目的であった生落花生を入手することに成功したのでした。
この直売所では以前も同じようにお昼前後に農家の方が落花生を持ってきてくれることがあるという事を経験上知っていたので、入店時に落花生が売り切れていても諦めないでお店にいるうちに落花生が出てくれることを祈っていたのですが、それが見事にはまったという感じです。
生産者の方としても、持っていけばすぐに売れて現金に替わるわけですから、どんどん持ってくるわけです。こうした事もあってお客さんはひっきりなしにやってくる人気の直売所としてにんちされているわけですが、逆にオープンの時には商品は揃っているものの定期的な補充がないため、お昼過ぎなど買い物に乗り遅れてしまって出掛けたところ何もないような直売所もあります。あまりガツガツと仕事をしないというところもあるのでしょうが、新鮮な食品を買いたくて来ている側としては、午後でもそれなりに買うものがそろっているようなお店の方が再び訪れたいと思うでしょう。
生落花生は今しか食べられないので、本当は県外からも多くの人に食べてもらいたいと思うところもありますが、実際は地元民だけで一気に買われてしまうというのが実情です。今後新型コロナウイルスの脅威が去った時には、ぜひ立ち寄って欲しい直売所の一つです。もし今の時期に落花生が売り切れていても、どうか諦めないで生産者の出入りをチェックしてみてください。