ニュースの効用として、一つには自分の近辺で何事かが起こっている場合にその内容を報道してくれることによって安心したり避難したり、様々な事ができるわけですが、今回紹介する事例ではそこまで通行止め情報を報じたのに、そこから新たなニュース種が生まれる結果になりました。
一時期にテレビのワイドショーで連日その暴力をふるった様子が報道された常磐自動車道での「あおり運転」および「暴力行為」があった事件について、先日改めてその被害者と警察が現場の道路で実況見分を行ないました。その内容が異例だったのが、事前にテレビや新聞でその事について報じ、当日の時間指定で当該道路を通行止めにして実況見分を行なうことをアナウンスしたことです。
さらにテレビでは高速道が通れない際の迂回路まで報道する念の入れようで、そうでなくても当日は現場周辺は交通渋滞が起こることがあらかじめ予想されていたと思われます。今回、その事故現場付近で玉突き事故が起こったということなのですが、通行止にしている道路で起こった事故ではもちろんありません。今回の事故は実況見分を行なっている反対の高速道走行車線で起こった「見物渋滞」に起因する玉突き事故でした。
私もこうした見物渋滞に遭遇した体験がありますが、今回のように事前に情報があるわけでもなく、これから渋滞情報で知らされるような起こったばかりの事故が反対車線で起こった場合に、ついドライバーの心理としてブレーキを緩めてその様子を確認する車が続くと、だんだん車間距離が詰まっていき、全く渋滞になるはずはないような状態でも渋滞になってしまうことは普通にあります。特に急に起きた事故の見物渋滞については防ぎようがないので、とにかく日頃から車間距離を空けて前方車が急ブレーキをかけても何とかぶつからないように心掛けてはいるものの、車が詰まっている渋滞の状況ではそうは行かずに危険と隣り合わせの状況になるかも知れず、つくづく高速道路の走行には注意しなければいけないと思います。
ただ今回の場合は、すでに実況見分をするというアナウンスがあるわけですし、その場所もわかっているだけに高速道路に乗らないことを含めて、あえてもらい事故を含めた事故の危険が高いところを通らなくてもいいわけですし、どうしても高速に乗らなければならない場合には、まずは前方に注意して車間距離を空けて走行し、前方に渋滞が見えたらすぐにハザードランプを点灯させたりブレーキランプを何度も点灯させたりして、後方から来る車に危険を知らせるような行動を取ることを前提にして高速道に入るべきでしょう。
このような、事故でも交通集中でもない見物渋滞に巻き込まれることだけでもストレスの種となるのに、それで事故に遭ってしまうというのは何ともやり切れないことです。いわゆるブレーキアシストがあり、渋滞中でも安全に走行できることを目指した新しい車の普及が望まれますが、こうした事故についてはほとんどの車にブレーキアシストが付いていても、一台でも古い車がそのまま走っていて、その車のドライバーが不注意な運転を行なってしまうと、いわゆる「もらい事故」からは逃れることはできません。
車を運転していればどうしてもこのような危険と背中合わせであるので、最新装備が入っている車であっても、自動車保険での「弁護士費用」を出してくれる「もらい事故対応」の補償には必ず加入しておくことも大切になるでしょう。
ただ、繰り返しになりますが今回の事故というのは事前に「見物渋滞」が実況見分をしている付近で起こることがあらかじめ予想されていました。もしどうしてもその日に出掛けなければいけないような場合でも時間をずらすとか、あえて高速道は避けてそのエリアを通るとか、あらかじめ調べることで危険を避ける方法はいくつかあったように思います。
ちなみに、今回のような事前通告がない急な事故による通常の見物渋滞については、ニュースが入ったり道路情報で「渋滞情報」という表示があった場合、必ずハイウェイラジオやネットでの渋滞情報などで上り下りどちらで事故があってどの場所で(交通情報では距離を表示するのに小さな看板を一定の間隔で置いているので、その距離表示で位置がわかります)事故が起こっているのかを知ったら、それが今走っている車線の向こうでの事故でなくてもいつも以上に気を付けるようにすることはできます。
と、ここまで書いて昨日のエントリーの続きになりますが、もし日本のAM放送が送信を止めたとしても「ハイウェイラジオ」はこのままAM放送を送信するために残るのか、それとも全国の高速道路でハイウェイラジオをFM化するのか(一部の高速道路ではすでにFMでの送信が行なわれています)、気になります。ただ、一部の情報ではハイウェイラジオの情報はラジオ局の渋滞情報より遅かった「使えないシステムだ」という口コミを投稿しているページも発見することになってしまいました。事故情報について、今後もハイウェイラジオより現場から発信されるTwitterの方が早いのであれば、こうしたAMとFMの転換時期に合わせて、その存在自体を問われることもあるでしょう。何より、このような事故を未然に防げるようにラジオ放送を含めた走行中のドライバーにどうやったら事故や渋滞の情報を迅速に提供できるかの分析を行なってもらい、ドライバー側で直前には対応ができるような形での情報発信を行なって欲しいと強く思います。