「100円パソコン」の仕組みを今一度おさらいする

とある通販大手サイトでは、いわゆる「中高年」と呼ばれる年齢層の方々を対象に、ノートパソコンとモバイルルーターのセット販売をしています。会社が定年を迎えるにあたって車中泊用に車をあつらえ、今まで自宅のパソコンでインターネットを使っているものの、旅先でもいつでもインターネットをしたいというように思っている方は、そうした案内を見て、まずびっくりされるのが国産メーカーの小型ノートパソコンに付けられた価格ではないかと思います。

このように、「期間限定」という事で「100円」という値段でノートパソコンが買えるならこの機会に買ってしまおうと思って契約したものの、その後、息子さんでもお孫さんでも、モバイル通信に詳しい人が買ってしまったということを知ったら、恐らく家族間のいざこざの種になるかも知れません。

ただ、もちろんこのような広告を打つ業者は大手の通販業者であり、いわゆる悪徳業者でないことは疑いの余地がありません。残念なのが、インパクトの有る「100円」という金額で新品のノートパソコンが購入できると思ってしまい、ノートパソコンが100円になる条件についてはよく考えることなく契約をしてしまう事にあります。ネットでの購入の場合は注意事項を熟読したというチェック欄をチェックして購入しているはずですし、電話で申し込んだ場合は、後で問題が起こらないようにテレフォンオペレーターはきちんと内容を説明した上で録音も取っているでしょうから、単に契約者が騙されたというのではなく、「パソコンが安く買える」という心の隙間を狙った広告の効果が十分に出ているという事になるでしょう。

もし、これから書く内容を読んで契約を考え直されるのかそのまま契約をするのかはわかりませんが、私がたまたま目にしたとある通販業者が提供するチラシが手元にあるので、その内容を業者を出さずに紹介します(^^;)。まずはノートパソコンについて見ていくと、10.1型のWindows10 Homeが入っていて、画面を外してタブレットにもなるという製品です。CPUはAtom x5-Z8350(1.44GB)、メモリ2GB本体ROM64GBと、何とかWindows10は動くものですがそれほど高スペックではありません。

このパソコンの通販会社での通常価格が69,980円のところ、パソコン単体では49,800円、これから説明する条件を付けると価格が39,800円になり、さらに期間限定で税抜き100円で買えるということになるのですが、ここからは数字に弱いと何が何やらわからないかも知れませんが、できるだけわかりやすく書くように心掛けるようにします。

さて、100円で新品のパソコンを売る場合、どんな業者でも必ず条件にするのが、インターネット回線の同時契約ということになります。これは、最初に想定した購入層である旅先でも自宅と同じようにインターネットを使いたいというニーズに合っていますから、パソコンとインターネット回線を揃えられるというのは便利だと思う方も少なくないかも知れません。個人的にもそうして加入するなら何ら問題はないとは思いますが、通信費を気にする方のために、通信費の内訳というのも見ていきましょう。

今回紹介する通販業者がおすすめるすモバイル回線は、ソフトバンクの携帯回線と同じ回線を使うワイモバイルのポケットWi-Fiを利用したインターネットで、一度本体とノートパソコンとの間でWi-Fiの設定をしてしまえばパソコンの電源を入れればその前にポケットWi-Fiの電源が入っていれば自動的にインターネットに接続することができます。

ワイモバイルのプランの中で適用されるのが、「Pocket Wi-Fiプラン2」の「さんねん」で3年間の継続契約を要求する代わりに月額が安くなっています。通信額の月額は3,696円(税抜き価格 以下の表記も同様)です。これは、ワイモバイルのWebページで確認したのですが、通販業者との契約でポケットWi-Fi「502HW」を使う場合の月額というのはチラシに書いてあった月額が4,760円と、少し高くなっていることに気付きます。

これは何だとさらに広告を読んでいくと、ポケットWi-Fi「502HW」本体の代金として分割支払金1,150円/月となっていまして、4,760円とは通信費とポケットWi-Fi「502HW」本体の割賦代金を合わせた月々の負担だということがわかりました。さらにワイモバイルのホームページを読み進んで行くと、同じポケットWi-Fi「502HW」を購入して「Pocket Wi-Fiプラン2」の「さんねん」を契約する場合、3年の長期契約になるということもあるのか、通販会社では請求のあるポケットWi-Fi本体代を前月の通信料から相殺する「月額割引」の仕組みがあります。本体の頭金を0円とし、さらにポケットWi-Fiの端末代として月額1,150円の支払い義務はあるものの、月々の支払い分としては2回目から37回目の36回分に「月額割引」の1,150円が減額され、割引のある月には本体代が割引分で相殺され、ワイモバイル店頭やオンラインショップから加入すれば、実質的な負担額は通信料のみの3,696円/月であることを確認しました。

これに対して、通販会社での支払いについてはノートパソコンとともにポケットWi-Fi本体と、ワイモバイルの通信費を合わせての負担は月額4,760円となっていますが、4,760円-3,696円=1,064円となって通信料に加えて支払う費用は月額1,064円となるのですが、この金額はポケットWi-Fiの月額1,150円と一致しません。ですから、この場合は月額利用価格の4,760円からポケットWi-FI代の月1,150円を引いて、3,610円が通販業者を通すことによって安くなった通信費と捉えることができるでしょう。

しかし名目上の通信費が安くなっても、実際に大手通販業者を通さずに自分で同じにポケットWi-Fiを契約した場合よりも月額の支払いは携末料金の割引がないため1,064円余分に支払うことになる事には変わりありません。申し込んだら契約は36回にわたって続くので、3年間の支払総額の差は1,064×36回で38,304円+パソコン代の100円で38,904円になります。広告にはパソコンの値引き後の料金が39,800円となりますがほとんど同じくらいの金額に収まっています。

つまりどういうことかと言うと、広告の目玉となっている「パソコン100円」というのはあくまで頭金の支払い額が100円に過ぎず、本来はワイモバイルが値引いてくれる割引料金を「充当」して用意したモバイルパソコンのセット販売という色あいが強いものだと言うことができるでしょう。そういう意味ではモバイルパソコンの価格と、ワイモバイルの通信内容に納得できるなら全て一つの契約で揃うので楽なことは確かですが、私ならとにかく3年というワイモバイルの長期契約がめんどくさいという気持ちがあります。ちなみに、ワイモバイルの回線契約は「更新月」のうちに解約しなければ、途中で解約する場合には解約料金がかかる3年契約を更に続けることになってしまいますので、その点でも注意が必要です。

ちなみに、ワイモバイルの「Pocket Wi-Fiプラン2」回線は月7GBまでの高速通信ができますが、動画を見まくるなどして制限を越えてしまうと128kbpsというMVNOの200kbpsより遅いスピードに制限されます。さらに、高速クーポンを500MBごとに500円で追加しても、連続する3日間で10GB以上利用した場合にも低速制限がかかる場合もあるので、その点でも使い方を考えなければなりません。

あくまで個人的な見解では、あまりインターネットのことがわからないで端末と通信回線を揃えるなら、月毎の高速クーポンでなく一日ごとの高速クーポンの設定があり、ソフトバンク回線でなくNTTドコモのエリアが使えるOCN モバイル ONEの月額900円のデータプランに、安いAndroidのLTE通信機能搭載(SIMカードを直接挿入して利用可能)タブレットを使い、ポケットWi-Fiを使わなくても単体でモバイルインターネットができる組み合わせにするのが無難だと思います。

タブレットがどのくらいの価格で購入できるかでお得感は違ってくるとは思いますが、仮に4万円の予算があれば十分いいものが購入できるのではないかと思うので、3年間のトータル費用を比べると、相当安くインターネットが使え、自分にはモバイルインターネットは無理だと思ったらすぐ解約しても解約金はデータ通信契約の場合は一切かからないので、無駄にお金を払い続けなくていいというのがポイントです。


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