4-3 モバイルパソコンにメールソフトは入れるべきか

 前回の作業で、ようやくパソコンの設定前の環境が整ってきたということで、ここで改めてパソコンの設定をします。設定といっても、いつも使っているプリンタや通信関係の設定、日本語入力ソフトのユーザー辞書やキー定義の設定の引越し、インターネットブラウザのお気に入りなどの設定を移行する程度のものです。その前に他のパソコンやスマートフォンでも使えるストレージサービス「Dropbox」をインストールして他のパソコンでエクスポートしたファイルを同期させるようにすれば簡単に設定の移行は可能です。このような移行作業用のファイルをネット上に保管しておけば、旅先でアクシデントがあってリカバリー作業をした後でもスムーズに環境を再現できるようになるでしょう。それは、自宅でも屋外でも常にインターネットに接続して作業できる今の日本のネット環境があってのことでしょう。

 あとは使っているソフトを入れていくぐらいで作業は終了するのですが、ここでモバイルパソコンを常時接続前提で使われている方の心構えについて考えてみます。車で旅行をし、パソコンを持って行くということになると、スマートフォンなどのように常に身に着けておくことは難しくなります。となると、車の中に入れたままということになるのですが、そこで怖いのが車上狙いによる盗難です。もちろん金銭的な被害というものも心配ですが、データの紛失というものは個人の範疇をこえて、他人の個人情報を他人の目にさらしてしまう危険性があるという事の方が大きな問題と言えます。

 外でも時間に関係なく常時接続ができるなら、ファイルなどはストレージサービスから必要に応じて入手すれば良く、パソコンの中にわざわざ保存しないほうが安全ですが、パソコンからメールのやり取りをしたい場合のメールソフトをどうするのかというところでちょっと悩みました。

 メールソフトでメールを管理するのが普通だと思いますが、多くの人からメールを受け取りそれが蓄積されると、メールソフト内部のデータ自体が不特定多数の個人情報となってしまうという困った問題も抱えています。しかしせっかくキーボード付きでちゃんとメールが書ける環境があるのですから、全くメールをやらないというのも勿体無い気がします。ということで、私はメールソフトをあえてインストールしないことにしました。

 私自身複数のメールアドレスを使い分けているのですが、こうしたプロバイダやドメインのメールについては全てGmailに転送をかけました。ウェブ上のGmailの設定で、あて先のメールアドレス別に振り分けて表示することも可能で、たとえGmailからであってもドメインメールのアドレスにメールをくれた人に対する返信には、Gmail経由であるもののドメインメール発のヘッダが付くようになります。メールを受け取る相手が、Gmail経由でやってくるメールにフィルターをかけていてゴミ箱に直行されてしまうと届かないのですが、そこはしっかり相手に伝え、外出時にはGmail経由でメールを出すことをちゃんと言っておけば、メールの使い勝手的には全く問題なくなるだけでなく、送信メールの控えもweb上に保管されるので、スマートフォンを含むGmailを使っている端末すべてから参照できるようになるので、それはそれで便利です。

 まだモバイルパソコンを導入して日が浅いので、これからどんどんつまらないソフトを入れまくってしまうかも知れませんが(^^;)、基本は最低限のソフトのみで、できるだけデータをパソコンの中に入れず、パソコン自体が盗まれてしまったら即効でデータストレージやGmailのパスワードを変更することでオンライン上のデータを見られないように対策しようと思っています。それもこれも、携帯電話のデータ通信やWimaxなどで外でも常時接続が定額でできるようになったおかげです。もちろん、ネットにつながないでデータをパソコンの中に溜め込む従来の旅におけるパソコンの使い方自体を否定するものではありませんが、良くも悪くも今の世の中、データを蓄積して持ち歩くこと自体に危険性が出てきてしまったことがパソコン自体の使い方を変えつつあると言えるかも知れません。パソコンに詰め込むデータは、特に個人情報が含まれるものについては慎重に取り扱うようにすることが大事です。


スポンサーリンク

コメントを残す