防災対策で決して言われない「ひかり電話」の不利な点

 昨日、とある家電量販店に行ってきました。店内をぐるぐる回っていると、そこでかなり目立つのが、二重価格のような価格表示です。かなり高そうなテレビが安い値付けをされているのを見て、これなら思い切って買ってしまおうかと思ったところ、その価格は光インターネットを契約した時の価格だということがわかりがっかりして以来、こうした安い価格表示を見てもどうせ光インターネットとの抱き合わせだろうと相手にしなくなりました(^^;)。そんな中、昨日は館内放送でタイムセールと銘打ち、ノートパソコンを9,800円で売ります。ただし光インターネットの契約が必要という感じで店内に流していましたが、これはタイムセールでも何でもないなあと思いながら聞いていました。

 自宅で高速なインターネットを使うためには、光インターネットが恐らく今では一番早いので、そうした目的を持っている人たちがインターネットを光に変えることについて私がどうこう言うことはありません。しかしながら、インターネットすらわからない人に対してこうしたサービスを進める中のやり方として、買い物の値引きをちらつかせながらやるというのは個人的にどうかと思います。そして、インターネットをほとんど使わない人にとっては光回線によるひかり電話に従来のアナログ回線から変えるというのはそれほどメリットがあるとは思えないのです。

 というのも、今来ている台風や地震などの天災の影響により、自宅そのものは被害がなくても送電施設などが被害を受けることで停電してしまう可能性というものは存在します。今の日本では停電があっても数秒単位で復旧することが多いですが、震災の影響で長い期間停電が続くこともあり得ます。また、冬になってどうなるのかわかりませんが、また地域ごとの電力が足りなくなるからと電力会社が計画停電を言い出さないとも限りません。その場合、数時間程度ではあるというものの、家の電化製品が使えなくなります。回線を光回線に変更し、ひかり電話を契約している場合は、この電話の仕組み自体にインターネット網を使っているため、停電により電話機とセットで導入される「ひかり電話対応ルーター」が使えなければ電話を掛けることも受けることもできなくなってしまいます。従来の電話線は電気とは違うルートで張り巡らされているので、電話線自体の断線がなければ、電話機自体のコンセントを引き抜いた状態でも「ツー」という音が聞こえ、通話は可能です。ただ、電話機にそうした機能がないとだめですので、電話機のコンセントを抜いて発着信できるかアナログ電話のままにしている方でしたら試してみることをおすすめします。もし使えない場合は、シンプルな安い電話機を別に用意しておいて、停電が長く続くようなら電話機をつなぎなおして使えば大丈夫です。

 自宅にある電話を停電の時でも使えるか否かという事は、たまたま旅をしていて自然災害が起こり、早く自宅へ連絡を取りたいという場合にも重要だったりします。現地の様子がわからない中での被災地周辺への電話はできるだけ避けたほうがいいとは言うものの、停電でも使える可能性のある有線の回線があるということは、ニュースなどでお住まいの地域が停電になっていることがわかったとしても、自宅の番号に電話してつながる可能性はあるということです。災害に備えるということは、さまざまな通信手段を確保することが必要になりますが、携帯電話の他、PHS網、インターネットによるIP電話(ひかり電話も含まれます)の他に、原始的な有線電話のインフラも残しておいた方がいざという時に案外役に立つかも知れませんし、できるだけ多くの通信手段を確保しておいた方がいいと思います。

 しかしながら、なぜか防災対策を特集するテレビでも新聞でも、ひかり電話は契約しないで、アナログ電話回線を残した方がいいというような話はあまり聞いたことはありません。マスコミに影響を及ぼすスポンサーへの配慮なのかどうなのかわかりませんが、個人的には少なくても家庭内で一回線はアナログの電話回線を残しておくことを災害対策の面から強くおすすめします。高速インターネットを使いたい場合は、むしろどこでも持ち運び自由なWimaxの速度がもう少し上がってくれれば、電話とインターネットの契約をはっきりと区別できるので、今後の対応を望みたいところです。くれぐれも目先の甘い言葉や電話勧誘の巧みさに契約してしまうことがないよう、周辺にもこうした話をしておくことが大切だと思います。というか、強引な勧誘は私の周辺でもいろいろ聞きますし、もっと社会問題として出てきてもいいように思えるのですが。


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