ネットオークションで「白ロム」を買う前に

 インターネットを利用したオークションというのは見ているだけでも楽しいものですが、さまざまな問題を今も抱えているシステムであると思います。出品者と落札者が直接やり取りをするため、トラブルの事例も多いのですが、たまたま見たテレビのワイドショーで、事前に現物の写真を撮影した後にオークションに出品し、落札者がいたら改めてその品物を盗んで金に替えるというとんでもない行為が話題になっていました。確かにリスクの少ない方法ではあるのですが、こういう輩がいるためにネットオークションの信頼性が揺らぐのかと思うと悲しい限りです。ただ、件数も多く悪質な出品として特に問題が多いのが、携帯電話やスマートフォン・タブレット端末の本体を出品する「白ロム」取引におけるトラブルだと思います。

 白ロムを出品する人のほとんどは、自分で契約した端末を使わなくなったので放出するといった感じで出すと思いますが、中には確信犯的に、問題のある端末を出品したりします。ここで言う問題とは最初から故障や水没をして使えない端末を、そうした事実を隠して出すのではなく、落札者が受け取った可動品が、しばらく使っているうちに使えなくなるとわかっていて高額で落札させるという手口です。

 普通は回線の契約をしたら自分に払えるだけの利用料を見越して使うのだと思いますが、新たに契約をして高額で転売できそうな端末を手に入れたら、すぐにオークションに出品したり中古の白ロムを販売する業者に持ち込んだりして現金をせしめ、回線契約の方は一切払わないということをやる人がいるのです。そうなるとどうなるのかと言うと、携帯電話会社が通信料の他に毎月の端末の割賦販売料金を契約者に請求するのですが、料金の回収が難しい場合には、せめて端末の転売を防ごうと遠隔操作によって端末が使えないようにロックをかける場合があります(このような端末の状態を「赤ロム」と呼ぶことがあります)。こうしたロックがかけられてから業者に持ち込んだとしてもお金にはなりませんから、最初だけは料金を払っておいて端末が売れたところで支払いをストップするといった巧妙な方法を使う人もいるでしょう。そうなると買取業者の方も契約時点では普通に動くので買取するでしょうし、オークションで落札した場合でもしばらくは普通に使えるのでしばらくは問題が発覚しません。また、全く悪意がなくても結果的にロックを掛けられてしまう可能性もあります。端末を持ち込んだり出品した人の経済状況が激変し、毎月の支払いが滞ってしまい、その支払分の中に端末の割賦金が含まれていたような場合はやはり遠隔操作によって端末にロックが掛かってしまうでしょう。

 私たちが中古の通信端末を購入する場合、買った当初は動作確認ができていても、急にロックが掛かり使えなくなる危険というのが常につきまとうという事はおわかりいただけたの思いますが、購入者側の対策はあるのでしょうか。

 実際に不具合が出た時の対応というのは購入店によっても違いがあります。先日私がdocomoのdtabを購入したリサイクルショップでは、6ヶ月間は使えなくなった場合は返金対応するという事でしたが、実はdtabはWi-Fi専用端末なので、ロックを掛けられる事はなく本来はこうした保証自体が不用なのですが(^^;)。専門店でないところはこのように詳しい知識のない店員が杓子定規な対応に終始する可能性もあるので、個人的にはおすすめできるものではありません。全国にチェーン展開する中古ショップではその点は立派なもので、ロックがかかってしまった場合は購入時のレシートがあればいつでも同機種を用意するか、全額返金対応するとのことでした。このへんは買取時にしっかりと確認を行なっているかどうかにかかっているので、中古白ロムを買うなら信頼できるところがいいでしょう。

 それでも、まだお店での購入なら文句の言いようがあるのですが、オークションの場合には出品者がIDを消して逃げられてしまったらそれまでです。特に新しく出たばかりの機種をオークションで購入したいと思う場合は、一呼吸おいて考え直す方がいいと私は思います。せっかく安い通信SIMカードを使って料金を節約しても、高額で買った端末代がまるまる騙し取られたというのでは泣くに泣けませんので、本当に注意して購入するようにしましょう。


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