キングジム マメモ TM2 電子メモを何に使うか

0011_1

 2011年の6月に発売になったキングジムの電子メモ「マメモ TM2」が、某家電量販店でネット上の実売価格の半額で投げ売られていたので、試しに買ってみました。実は発売当時に購入しないままこのブログに書いた記事が残っていますので、お暇な方はその記事も探してみてください(^^)。スマートフォンのように画面を指でなぞるような方式ではなくて、ペン先が固いスタイラスペンで入力する方式になっています。使用感が違うということだけではなく、スマートフォンを使っても同じことができてしまうため売れ残ったのだろうと推測されますが、それでも何かに使えるだろうと見切り発車のように購入してしまいました。

 使い方を考える前に、まずはスペックの確認をしてみると、液晶は昔の電子手帳で使われていたような古いタイプのもので、電子ペーパーのような認識性には劣ります。さらに、単四電池1本で動かしていることもあり、バックライトがないので暗いところでは細かい設定用の文字を認識することは難しいです。あえて暗闇で使うなら、登山用などで出ているヘッドランプと併用する必要がありますが(^^;)、わざわざそんなにしてまで使うことはないでしょう。メモは本体に99枚まで保存可能ですが一覧や検索機能はありません。そのかわり、microSDカードスロットに入れたメモリカードにメモの内容をエクスポートすることができます。ファイルはビットマップ形式(.bmp)で保存され、メモ1枚のサイズは10kb程度の小さいものです。本体メモリがいっぱいになった場合は、一気に全削除することができますが、その前にバックアップしておくといいでしょう。バックアップのためエクスポートしたファイルは日付ごとに区切られたフォルダに入るようになっているので、1日に複数回エクスポートすると同じ日付けで複数のファイルができてしまう場合がありますので、バックアップはあまり頻繁にやらないほうがあとでまとめて見る時に見やすくなるでしょう。そうしてできたフォルダとファイルはmicroSDカードに保存されます。文字の太さは3段階で変えられ、消しゴムで間違ったところを消すことができます。お絵かき用には作られていないので、あくまでメモとして使ったり、もう一つの機能として日ごとのToDoを記録しておくことができますが、スケジュール管理はスマートフォンのアプリでやったほうが便利だと思いますので、個人的にはこの端末はあくまでフリーのメモとして使った方がいいように思います。

 さて、わざわざこんなものを何に使うのかということですが、電子メモの一番の存在価値というのは、紙を使わなくてもいいということです。紙のメモ帳や手帳を常用している方なら問題ないですが、レシートの裏にいろいろ書くようなことをしていると、書いたものをなくしてしまうようなトラブルに見舞われる恐れがあります。電子機器の特質として落下や水濡れのようなことでも簡単に中が見られなくなってしまう問題はあるものの、データを取り込み、ディスクやネット上のクラウドにアップロードまでできれば、特にクラウドの場合は災害で全てのハードが失われたとしても、クラウドが生き残っている限りはいつでもどこでも、複数の機材を使って内容を閲覧することができるようになります。というわけで、私がこの電子メモを使うシチュエーションは、まさにこういったブログを書くためのネタ帖的なものになるのではないかと思います。

 スマートフォンで同じことをやる場合、いわゆる手書きメモ系のアプリをすぐに起動できるところに配置し、起動しても、手書きメモができるように切り替える必要がある場合があります。また、スマートフォン用のスタイラスペンは紙に書くようにスムーズな入力ができないように私には感じられます。マメモの方はいちいちmicroSDカードからデータを読み取らせる手間がありますが、逆にインターネットに接続していない分、そこから情報が自動的に流れてしまうことはありません。この辺は全てのことを一つの端末で済ませるか、用途によっては別のハードを使うようにするかという個人の好みともなってくるかも知れません。キングジムには別のアプローチとして、紙に書いたメモをスマートフォンのカメラで撮影して取り込む、SHOT NOTEという紙のメモ用紙があります。これはこれで面白いものではありますが、さすがに手書きしたものをカメラで撮影して保管するというのは結構な手間がかかり、私の場合はなかなか継続して使用できませんでした。もちろんこのマメモも同じ運命をたどってしまうのかも知れませんが、物理的に壊れない限りは電池の入れ替えで使い続けることはできるので、メモができそうな旅に出る時だけ持っていってもいいかなと思います。

 最後にこの製品と、紙の手帳やメモ用紙との決定的な違いおよびメリットについて指摘しておきます。メモ帳や手帳に書くことというのは、どうしても人様に向けて見せるものではなく、逆に見られたら恥ずかしいものであると私は思っています。日本で発表された有名な手帳として、かの宮沢賢治氏が書かれた「雨ニモマケズ手帳」がありますが、実際あの手帳に書かれている有名な詩「雨ニモマケズ」がこれだけ多くの人に読まれていることに対し、当の宮沢賢治さんはどう思っているのかとふと考えたことがありました。あくまで個人的なメモとして書きなぐったもの(手帳は没後に発見された)がそのままの形で発表され、さらには詩の中にある「ヒドリ」という文字は「ヒデリ」の誤りではないのかなどという論争については、もう勘弁してくれと思っていないとも限りません。紙の手帳はこのようにだれにでも簡単にアクセスされ、その中味を覗き見られてしまいますが、マメモの場合は書きためたメモをその都度micoSDカードにバックアップした後で全削除すれば、少なくとも専門知識を持たない人なら、マメモにアクセスした人にメモの内容を見られる恐れはありません。詳しく知っている人ならmicroSDカードスロットがあることに気付き、中を見てみようと思うかも知れませんが、その場合も別の端末およびカードリーダーがいるので、そう簡単ではありません。まめにデータをmicroSDカードから消去の上、別の場所やクラウド上に移動させてしまえば完璧でしょう。つまり、人にはおいそれと見せたくない秘密のメモを書き、残しておきたいものについては自分で改めて管理したい人にとっては最良の選択になる可能性を秘めた端末ということになるでしょうか。今回私が手に入れた経緯からすると、すでに店頭在庫限りという可能性もありますが、そんな観点から再評価されてもいい端末ではないかと思います。


スポンサーリンク

コメントを残す