仕事など出掛ける時に持って行くバックパックの中に、外で罹災した場合に備えて色々なものを入れているのですが、その中には手回しハンドルの付いた防災ラジオもあります。もしライフラインが切れてしまい、その状況の中から何とかして情報を取ろうと思った場合には、アナログな技術であるポータブルラジオは必須です。常にラジオを使っていない場合、電池を入れていてもいざという時に使えない可能性が大きいので、そうした場合に備えて今まではキャパシタに電気をためる方式の防災ラジオを入れていたのですが、重さはともかくけっこうバックパックの中でかさばるのが悩みの種でした。
現在私は、スマホ・タブレット・ノートパソコンのように使えるタブレット(Linux化)を停電が続いても使い続けられるような形で複数のモバイルバッテリーと、いざという時には広げてソーラー充電できるソーラーパネルを持ち出し品の中に加えています。となると、ラジオの手回し発電をしなくても、常備しているモバイルバッテリーでラジオを聞けるようになれば良いという考えも成り立ちます。そんな中で出てきたのが、「スペアのスマホをラジオ化する」という方法です。
Android搭載でイヤホンジャックを有しているスマホの多くには、「FMラジオ」アプリがプリインストールされていて、有線イヤホンを接続するとそのイヤホンがアンテナ代わりになって、オートスキャンで近くの放送がインターネットとは関係なしに聞ける機能があります。ご自身のスマホにそうした機能があるかは、まずスマホのアプリの中に「FMラジオ」アプリがあるかを確かめ、その上で有線イヤホンをどこかから調達して来て実際に使ってみると良いと思います。FMラジオはAMラジオと違ってスマホ本体にアンテナを埋め込む必要がないので、多くのスマホにFMラジオが聞ける機能が入っていると思います。
私の場合、先日スマホを落として失くしてしまったこともあり、日頃持ち運ぶものの中にスペアのスマホを入れています。SIMカードは入れても入れなくても良く、もしメインスマホが壊れてしまったら中に入っているSIMカードを入れ替えることで、とりあえずの連絡ができるようになります。それがスペアのスマホを持つ理由の一番のものですが、今回はあえてメインスマホとは別に、スペアのスマホをラジオとして使うことについて考えます。
実際に災害が起きた場合、身近な範囲での防災に関する情報は、NHKでも県内全てがサービスエリアの地方局でもなく、限られた地域に向けて放送している「コミュニティFM」をいかにして聞くかということが大切になってきます。具体的には給水車がどこにいつ来るのかとか、開店しているスーパーはどこかなど、災害時の生活環境を何とか続けていくためには大切な情報がピンポイントで流れてくると思います。そのため、私の住む場所からだとそのコミュニティFM局がちゃんと聞けるくらいの電波が届いているかということが大事になります。
スマホをラジオとして使う場合、イヤホンケーブルの長さがアンテナの大きさとして感度の良し悪しに関係すると思いますので、コードの長さが長いものだったり、必要であればイヤホンケーブルの延長コードを接続する方が良い場合もあるかも知れません。私のところでは、普通にイヤホンを接続すると何とか地域のコミュニティFM局が入るので、そこまでの用意はしませんが、先日購入した片耳ステレオイヤホンだと長さの差もあるのか少々感度は良くありません。そうした事を事前に調べておき、スマホの他に何があればスマホをFMラジオとして利用できるのかということをしっかりやっていれば、あえて防災用手回しラジオを常時携行しなくても大丈夫そうな気がしてきました。
ちなみに、スペアとして用意したスマホは電源を切った状態で持ち出しているのですが、時には電源を入れてアプリのアップデートやら電源状態のチェックを行ない、もしメインのスマホに何かあったらすぐにスペアとして使えるようにしていますので、FMラジオとして必要な時にはすぐに使えるようになります。
また、もしインターネット回線が失なわれていなかった場合、放送を同時配信するスマホアプリの「ラジコ」や「らじる★らじる」をはじめとしたアプリを使うことで、アンテナを使わなくても良い音質でラジオをインターネット経由で聞くことができます。ただ、全国放送中心だとコミュニティFM局は聞けませんので、ネットで聞くために用意する場合には、コミュティFM公認のアプリ「ListenRadio」を使うか、その中にお住まいの地域のコミュニティFM局がない場合には、インターネットブラウザで以下のサイトをブックマークしておくことをおすすめします。
https://www.jcbasimul.com/
(JCBAインターネットサイマルラジオ配信のページ)