前回書きました、予約をした旅館について今回は細かく書いてみたいと思います。元々は、先月の二度の三連休が出勤だったためか、先月末から代休をもらったので、家でゴロゴロしているよりもどこか行ける所があれば出掛けようと考えていました。当初は例年より遅れ気味の彼岸花を見に行こうかと考えていたのですが、メールチェックをしている中で、とあるリゾート系の宿泊キャンペーンのメールに目が止まり、どうせなら一泊二日で近場に出掛けるのも良いのではないか? と思いました。
メールの主は「大江戸温泉物語」で、全国に格安で泊まれる宿を多く持ってきます。基本的には経営に行き詰まった過去の有名な旅館を買収し、朝・夕食バイキング、部屋の布団はセルフサービスなど極力人件費を抑えて低価格を実現した、先日泊まった伊東園ホテルズのライバルというような関係です。
キャンペーンが無ければ基本料金的には高めの価格設定の大江戸温泉物語ですが、今回のキャンペーンは2024年9月・10月の平日限定でそれぞれ税込8,400円・8,900円(入湯税別)という価格から利用が可能で、私がメールを見た時は9月は30日しか適用日がなかったのですが、たまたま代休になったのが30日からだったので、伊東園ぐらいの価格で大江戸温泉物語の旅館が利用できるということと、これで伊東園と大江戸温泉物語のサービスの比較ができるということでキャンペーンにのっかることを決めました。
今回のキャンペーンは、元々の宿泊料金の安い「スタンダード」タイプの宿に限られていましたが、古いところでも過去の事を知っている人から見るとなかなか興味深い旅館を選ぶことができるので、今回は同じ県内の伊豆にある宿の中から決めました。
それがこの写真を見たらわかる人はわかると思うのですが、熱海伊豆山温泉の「水葉亭」というかつての有名な旅館でした。私自身のこの宿への思い入れをここで書きますが、まだお金がなくユースホステルの旅が普通だった学生の頃(当時はまだ車も持っていなかったので鉄道での旅行でした)、遠くへ行くためには今はない「周遊券」を活用して全国を飛び回っていました。鉄道が中心の移動となり、当時はもちろんスマホもなく乗換案内系のアプリもありません。となると、頼りになるのは紙の時刻表になります。時刻表は今も本屋さんで売られていますが、私が持って行くのはコンパクトなものではなく、大版のものが多かったです。
それ自身を枕にして使えるということもありますが、あらゆる鉄道の時刻や、路線バスや飛行機の時刻表、さらには宿泊施設の広告もあるので、電車が停まって知らない土地で降ろされた場合にはその広告を見て電話するというような使い方もできました。その点では、JTBの時刻表の方が宿泊施設に関する広告は多いように感じたので、私はJTB派でした。
なんでいきなりこんな話をするかと言いますと、昔の水葉亭は、そのJTBの時刻表の裏表紙や、そうでなくても普通の旅館は組合が主導する一行リスト形式の広告が多い中、一ページまるまるの広告を多く出していることで強烈な印象がありました。関東一の広さを誇る「王朝大浴殿」というキャッチフレーズや、相模湾を一望できる離れの露天風呂など、ぜひ入りたいと思っていたのですが、当時は日帰り入浴は行なっていませんで、結構宿泊料金が高かったのでおいそれとは利用することができず、私の中では憧れの温泉宿となっていたのです。
その後、水葉亭は経営に行き詰まり休館となりましたが、大江戸温泉物語に買収される形でリーズナブルな料金で利用できる旅館に変わりました。かつての王朝大浴殿は真ん中で分けられてかなり中途半端なものになってしまったのは残念ではありますが、それでも十分に温泉は楽しめそうなので、一番安い一人8,400円で提供されている和室10畳の部屋を宿泊日の3日前にゲットできました。全てインターネットで完結したので、本当にお手軽でした。
そんなわけで、改めてここで実際に大江戸温泉物語の宿に泊まってみての、伊東園との違いなどを書いてみたいと思っています。