auがサービスを開始する「モバイルルータープラン 5G」は使えるか

ADSLのサービスが終わりに向かっていく中で、私は楽天モバイルのSIMをモバイルルーターに入れて、家庭内でルーターと接続することでたまに不安定になることはあるもののそれなりに使い勝手の良いネット環境を作っていますが、一般的な方がADSL代替のサービスを探す際、前からある工事のいらないSoftbank Airのような無線によるインターネット接続手段を考えている方も少なくないのではないでしょうか。こうしたサービスは、auやドコモも出してきています。

こうした家にモデムを置くタイプのネット接続については、有線と比べると電波の影響を受けることがある反面、有線のケーブルを引く必要がないので、モデムをコンセントに接続すればすぐに使えるというメリットがあります。

私自身、Yahoo!ADSLを使っていたので、解約をする際にはSoftbank Airを代替サービスとして勧められたのですが、比較的ネットが混雑する時間帯(19~23時くらい)に相当スピードが落ちるということが言われていたので、さすがに乗り換える気にはなりませんでした。私の場合は、たまたま楽天のSIMを入れて使うことのできる「モバイルルーター」と有線LANケーブルが接続できる「クレードル」のセットをすでに持っていたので、ハードを追加購入することなく楽天モバイルの電波が利用できれば、ADSLよりも速くて快適なネット環境を手に入れることができ、今に至っているわけですが、いよいよauやドコモから始まる無線インターネットはどうなのか? ということで今回は2021年8月6日からサービスが開始されるauの「モバイルルータープラン 5G」について、改めてその内容と料金について見ていくことにします。

サービス開始日と同日に発売になる家庭用ルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L11 ZTR01」は価格は3万9600円ですが、36回の分割払いで購入する場合、毎月割適用で実質0円で利用することができます。つまりこのサービスを安く使うためには実質3年縛りということになるのですが、ここで問題になるのが通信の内容と制限ということになるでしょう。基本料金は割引のない状態で税込5,458円となっています。

このルーターは5G Sub-6と4G LTE、WiMAX2+が同時利用できますので、5GやWiMAX2+のエリアであればスマホの4Gよりも高速で快適な速度での通信ができそうです。契約内容には「スタンダードモード」(WiMAX2+のエリアで提供)と「プラスエリアモード」(auの4Gエリアで提供)の二つがありますが、「プラスエリアモード」には基本料にプラスしてオプション利用料1,100円(税込)が追加でかかるという当初の話だったのが、先日のニュースではその追加料金はかからなくなったようです。ただ、プラスエリアモードでは月のデータが15GBを超えると最大速度が128kbpsに制限されるというとんでもない規格なので、それならUQモバイルの「くりこしプランM」のSIMをモバイルルーターに入れて使った方が良いくらいなので(UQでの制限は最大1Mbpsです)、WiMAX2+のエリアに自宅がなく、お店の方に「プラスエリアモード」を勧められた場合はやんわり断わった方がいいでしょう(^^;)。

ちなみに、スタンダードモードの制限については、Softbank Airのように混雑する時間帯に強制的に制限されるのではなく、直近3日間利用の通信量が合計15GB以上の場合に制限されるということです。ホームページの内容では「混雑時間帯に概ね1Mbps」とありますので、一番使いたい時間に長時間規制される可能性がありますので、複数の端末(テレビを含む)で動画を使っている方はかなり厳しいかも知れません。まだサービスが開始されていない状況で書いているものの、私の使っている楽天モバイルの場合(楽天回線使用時)1日10GB使うと最大3Mbpsと、多少は条件が緩く、規制された場合でも端末単体での使用でなら何とか動画も見られるくらいの制限になっています。その代わり現状では楽天はホームルーターを販売していませんし、最高速のスピードも10~20Mbpsと、「モバイルルータープラン 5G」でWiMAX2+・5G・4Gを同時使用する場合の受信時最大2.7Gbpsと比べるとかなり遅いという点はあるので、トータルではそこまで使わないものの複数の端末を同時接続しても快適に使えるだけの速さを求めたい場合には選択肢にはなると思います。

ただ、個人的にはこうした家用の無線ルーターはドコモの「home5G」一択だと思っているのですが(今のところ直近3日間での制限は考えられているようですが、具体的な制限については言われていないので)、これも5Gが一般的になり、5Gだけで最高速でなく中速あたりでそこそこ安くて使える格安SIMのプランが出てきたら、大手キャリアの据え置き無線ルーターのプラン自体、登録住所でしか使えず、家庭用ルーターを分割購入する縛りがあることを考えると、auの場合はやはりルーターを分割で購入した場合の36回払いというのがネックです。今から3年後にはもはや、どんな風にネット環境が変わっているかわかりませんし、基本的にはそうした変化があった場合にすぐに乗り換えられるものを使う方がいいのではないかと個人的には思います。


スポンサーリンク

コメントを残す