2020年12月からのドコモの動きに注目

NTTは2020年11月17日に、NTTドコモの完全子会社化に向けた株式公開買い付け(TOB)が成立したことを発表しました。この流れでNTTがNTTドコモを完全子会社化することが決定的となり、果たしてNTTとauおよびソフトバンクが公正な競争ができるのかということが話題となってきそうです。

楽天モバイルとしても、NTTの子会社となるであろうドコモが、自社プランの対抗としてどういった「料金引き下げプラン」を出してくるのか注目しているでしょう。今後のなりゆきによっては、うまく自社エリアを整備できずに身売りという可能性も考えられなくもないので、そこにNTTが入ってくるようだとまさにキャリア界の一強になってしまって、その後の携帯電話代も競争ではなくNTTが主導して決めるようになってしまう、ユーザーにとってはあまり良ろしくない未来も見えてしまうところがあります。

どちらにしても公共の電波を使うことに変わりはないのでいわゆる「無制限」の通信を提供することは無理筋でしょうから、高速通信をセーブしたり月に使える容量を決めてのプランになることは間違いないでしょう。となると、一つの目安というのが、auやソフトバンクがすでにサブブランドを通じて出している「月間10GB・低速制限時 最大1Mbps」というプランの存在です。auとソフトバンクは多少の違いはありますが、この通信部分だけを見ると税抜2,980円+通話料という形で提供しています。低速制限時でもアプリ利用でそこまでもたつくことなく、さらにradikoも音楽も、動画も低速で楽しめるので、通話代がかさんでも月額が5千円を超えることはないくらいのプランです(通話無制限はプラス1,700円で利用可能なので)。

個人的にはこのくらいのプランであれば、政府が言う携帯電話値下げの金額にも合致するように思うのですが、ここまでNTTがドコモを子会社化するということになったので、しばらくはチキンレースのような値下げ合戦が続くのかということについては、ドコモの社長が交代するという2020年12月になってみないとわからないことがあります。

こうした企業の発表に関するニュースについては、憶測で「こうなるといいのに」というようなことを平気で裏切ることもあるので注意が必要です。過去のブログで、もしかしたら書いたかも知れませんが、楽天モバイルが2020年10月下旬から提供を開始するとしていた通話・チャット用のアプリ「楽天Link」のWindows・Mac版を出すという発表があったのですが、今だにそうしたアプリは提供されないままもう11月下旬を迎えようとしています。個人的にはこのアプリは、自宅でパソコンを使っていながら電話がかかってきたらパソコンから電話を受けられるということで期待するところではなかったのですが、それだけ今回のNTTのドコモ子会社の流れが楽天モバイルを追い込んでいるのかなんて事も考えてしまいます。

どちらにしても、今後の事というのはまだ実現していない段階で過剰に反応するのは避けたほうがいいでしょう。さらに、この12月に更新月が来るのがドコモ回線のため、同じドコモ系列のサブブランドが出来たにしても、大手3社を行き来しないと、メリットがありそうな乗り換え割引は期待できそうにないので、よほどグッと来るようなプランをドコモが出してこなければ、他社のサブブランドの方にいったん避難した上で次の展開を考えるのもいいかなと現状では思っています。

現在契約中の楽天モバイルですが、自宅周辺がエリアに入るのは早くても加入時から一年が経過した2021年の春過ぎというところになりそうです。すでに楽天エリアになっている関東では順次auのローミングが終了していて、エリアのはずが電波を掴まないような場所もあるということなので、その辺が不安材料ではあります。個人的には自宅から楽天の電波を安定して捕まえてくれれば、その他のエリアは関係なく、楽天SIMを固定回線代わりに使うということを今も考えているので、もし自宅がauローミング終了後にエリアの穴になった場合は、その時点で契約を解除するしかなくなってしまうのですが、今回のNTTの事があるので、楽天には頑張ってもらった上で自分に合ったプランをユーザーが自由に選べるような状況がやってきてくれることを期待しています。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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2020年12月からのドコモの動きに注目」への2件のフィードバック

  1. ケータイオタク

    ようやくNTTのTOBが終了し、無事成立しましたね。他キャリアの反対を押し切りドコモの完全子会社化を政府が容認した事で政府の圧力はさらに強まるものだと思います。サブブランドの新プランで政府が容認するかどうか。
    NTTの役員人事は政府が握っているわけですからNTTは政府の意向を重視せざるを得ない。その完全子会社のドコモもは尚更。
    OCNをドコモに吸収させると言う話が出回っていますが、今の段階でその話が出回ると言う事はむしろ生贄にされるのでは。OCNは規模が大きいし、他のMVNOと扱いを同じにすると言う事を示すために利用するのでは。auやソフトバンクとしてはドコモもサブブランドで提供してもらいたいと言う事もあるのでは。もしドコモがメインブランドで対応されると自分達もサブブランドで対応と言う対応を変更せざるを得ない。
    ギガホ・ギガホライトの大幅改定はあり得ると思います。
    ギガホはギガホ2のキャンペーン終了100Gの提供で現状の30G6,980円と100G7,980円と言う実質値上げ。
    ギガホライトは10G2,980円で10G超は1Mbpsと言う形も考えられると思います。家計の負担軽減と言う大義も守れるのでは。
    楽天モバイルのローミング契約は都道府県単位になっていたと思います。金額的に影響の大きい大都会東京・大阪で打ち切る事で経済的負担を軽減しようと言うものでしょう。様子見も兼ねていると思います。圏外にはドコモのWi-fiを貸与していると話もありますね。
    ギガホでデータプラスでネットに接続していますが、試験的に楽天モバイルで1Mbpsの条件で試しています。幸いアマゾンでGL.iNet GL-AR300M-Extと言うUSB接続のWi-Fiルータがあったので購入してパソコンやタブレットでの接続をしています。遅く感じる事もありますが、支障はないようです。実際には1Mbps以上出ている事が多いです。
    菅首相は総務大臣も務め通信行政に詳しく仕組みも熟知している。次期総務庁次官と言われる谷脇氏は値下げの鬼と言われる人物。
    楽天モバイルが今後どうなるか。auの傘下に事実上入るのか。世界に対する対抗力を持たせつつかつ国内で競争させるには二大勢力の方が可能性もあるように感じます。
    世界の流れはデジタル化であり、デジタル社会においてはスマホは必須の用具であるにもかかわらず趣向品だとしか考えていない日本人には絶望感しか感じないです。
    中国政府がデジタル貨幣を発行しましたが、貨幣のデジタル化が進めば基軸通貨が必要なくなる、つまりドルを基軸通貨とするアメリカを軸とした体制が崩壊しかねない。それなのにアナログに固執し、デジタル化に拒絶反応を示す日本には未来を感じない。
    たかがスマホされどスマホ。

  2. てら 投稿作成者

    ケータイオタクさん コメントありがとうございました。

    あまり通信業界の事を知らない人でさえ、「ドコモのサブブランドにOCNがなるの?」という話が出てくるくらいになり、この中でドコモがどう動くのかというのは本当に注目されますね。

    ドコモがそのキャリアの中で制限時の最低速度を上げるようなことをすれば、auやソフトバンクもそれに付き合うことになるでしょうし、ドコモとしてはユーザーの流出を防げるということになるのですが、本気でスマホによる電子決済を普及させるつもりがあるなら、今の制限時128kbpsという速度はまともに電子決済用アプリすら動かせないスピードなので、まずはこの点を何とかして欲しいです。その牽引役にドコモがなるなら、今のドコモ契約を残してプラン変更で様子見ということもあるのですが、来月からの変化を期待したいですね。

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