特番の「189」が無料化になるとの報を受けて

先日、「0570」から始まる電話番号は通話定額および無料通話の対象にならない事を紹介しましたが、電話料というのは即座に取られるわけではなく後払いにはなっているものの、後からお金を出さなければならないということに電話することそのものを躊躇するケースもないとは言えません。今回紹介する「189」という番号は、語呂合わせで「いちはやく」と読める児童虐待に関する情報を24時間体制で受け付ける全国共通ダイヤルです。

実は、この児童虐待に関する相談ダイヤルは平成27年6月までは0570から始まるナビダイヤルで、携帯電話から長く相談すればそれなりの電話料金がかさんでしまうサービスでした。現在の「189」は平成27年7月からスタートしたものの有料なのは変わらず、特番の3ケタ番号ということで無料だと思って掛けたら後から請求を受け、その後の相談に電話するのを躊躇されることになるとやはり困ります。

最近のニュースで出てはいますが深刻な状況というのはいつの時代でも訪れているので、やはり警察や消防、海の事故で掛ける「110」「119」「118」のようにお金がかからずに躊躇なく掛けられることが重要でしょう。もちろん、救急車をタクシー代わりに使おうとしたり、様々ないたずら電話や、用事はあるものの緊急性がない電話を特番に掛けてしまうという問題はあるものの、だからこれらの番号をナビダイヤルにして有料化しようという話は出てきません。これはある意味当り前の事ではあるのですが、現在の国の財政が苦しい中で、2019年12月3日の午前8時30分より「189」への通話料が無料になったというのは大きな進歩でしょう。

固定電話から掛けた場合には自動的に自分の居る場所が判定され、一番近くの児童相談所につながるのですが、携帯電話の場合は常に移動しながら利用されるので地域判定機能が使えません。携帯から掛けるといったんオペレーターにつながり、そこで自分の住んでいる場所をオペレーターに伝えることで、最寄りの児童相談所に回してもらうような形になるそうです。今の小さいお子さんを持つ親の世代は固定電話を設置していないケースが多いと思いますので、気軽に何回でも相談できるメリットというのは大きいのではないでしょうか

もっとも、児童相談所自体が力不足を言われる事例が多く報道されていることもあり、児童相談所に相談することが無駄ではないか? という議論もあることだろうとは思います。ただ、それでも通話料がかからないわけですから、もしうまくいかなくても何度もトライしてみてもいいですし、当事者でなく近所で「児童虐待ではないか?」と思われる状況があった場合、たとえ冷たくあしらわれたとしても別の機会に何度で掛けてみようと思う事も増えるはずです。そして何度も同じ事例で通報がある事で、行政が動き、そのままにしていたら最悪の結果を招きかねない事例を収束させることができるかも知れません。

とにかく、周辺に小さいお子さんがいなくても、虐待により幼い生命が失なわれる事件が報道されると悲しい気持ちになりますし、それがいくらかでも改善されるなら、今回の189への発信が無料になるということは意味が出てくるのではないかと思います。

なお、もう一つの特番である語呂合わせ「いやや」でつながる商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問い合わせ「188」の国民生活センターへの消費者相談の番号は、通話料金が0570宛の番号と同じ料金大系になりますので通話料がかかることに注意しましょう。そうした課金を避けるためには、ネットで現在お住まいの地域にある国民生活センターの番号に、通話定額のスマホやガラケーから掛けた方がいいでしょう。どうしても繋がらない場合、「188」には平日限定のバックアップ番号があります。それが東京のセンターに繋がる「03-3446-1623」で、平日の10時~12時、13時~16時の間に利用できます。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

スポンサーリンク

コメントを残す