楽天モバイルの「無料サポータープログラム」について

2019年10月1日の大きなニュースは、やはり消費増税がスタートすることの方が大きく取扱われるだろうと思いますが、実のところ今後の通信サービスの動向を見る中で、楽天モバイルが全国規模でのサービスを展開できなかったことが大きなターニングポイントになりそうな気がします。

一応楽天モバイルは10月1日からサービスを開始すると宣言していたのですが、その代わりとして基地局が用意できた一部の地域において「無料サポータープログラム」を行なうことになっています。その内容を見ていく中で、改めて地方において通信を使っている人の立場からいろいろと考えてみたいと思います。

このプログラムは2019年10月1日0時から10月7日9時59分まで申し込めるそうですが、全部で5000人限定ということなので、オリンピックのチケット以上にプログラムに参加できる人はラッキーだと言えるでしょう(応募者多数の場合は抽選になるそうです)。その後、二次以降の募集があるのかどうかというのは不確かなので、改めて楽天モバイルのサイトで確認が必要です。ネットでの口コミを見つつ参加するかどうか決めるのが賢い気もします。

次に、このプログラムで無料で利用できる期間は、楽天が全国でのサービスを開始する予定に合わせ、2020年3月31日までという予定になっています。この日程なら何とか東京オリンピックに間に合うというスケジュールになっていますが、今から1年半で全国のサービスエリアを確保できるのかという問題は特に地方在住の人間にとっては常に付きまとうようになるでしょう。

今回のプログラムについても10月に楽天の自前の基地局によるエリアが提供される東京23区、名古屋市、大阪市、神戸市住宅の18才以上のユーザーに限定されており、他の3キャリアと比べて安定して通信できるのか報告する無料のモニターとして「使われる」ことを覚悟しなければならないでしょう。無料プログラムを早く止めるため、早めに全国サービスを開始するのではないかという情報もありますが、見切り発車をすると、開通しないエリアではauの回線を借りることになるので、その分楽天の負担は大きくなることが予想されます。個人的には、何か最初にPHSの会社がサービスを開始した時のような感じを受けます(^^;)。

無料プログラムによるサービスは、通話・通信とも無制限(通話の国内・国外とも)という大盤振る舞いですが、謝礼を出さないモニター利用という意味ではそんな感じかなという気もします。また、無制限ならと無茶な運用をされるプログラム参加者がいるかも知れませんが、そもそも楽天モバイルのサービスが本当に安定して使えるようななるのかもわからない中での無制限なので、その辺について不具合が出たとしてもモニター期間は利用を続けなければならないということでもあります。プログラム参加のためには楽天の電波を捉えられるハードの購入も必要になりますし、やはり相当スマホでの通信が好きでないとなかなか大変だと思います。

かつての第四のキャリアと言われた「イーモバイル」はすでにソフトバンク陣営に買収されているので、新たに全国で利用できる基地局を整備し、さらに5Gについても展開しなければならないということで、逆に今の大手キャリアに吸収されてしまうのではないかという感じすら覚えるのですね(^^;)。地方在住者としてはこの「祭り」には参加できないということもあるので、楽天の大手キャリアに対しての戦いをじっくりと見させていただいた上で評価するしかなく、もしかしたら本格的に加入するかどうか迷うのは来年の東京オリンピックが終わってからになるのではないかとも考えられます。

さらに楽天が同時に進行している事業としては、現在主にヤマト運輸・佐川急便・日本郵便などを利用して配送している物流についての楽天独自の拠点を2020年に作るというプレスリリースがあります。現在の楽天は、通信と物流でアマゾンに対決を挑んでいることは理解できますが、どれだけ資金があるのかはわかりませんが、通信と物流を同時に整備できるのか? という心配をどうしてもしてしまうのですね(^^;)。

個人的にはこうした多くの事業への参入をすることによって、楽天がコケてしまった場合、さらにAmazon一強が顕著になり、消費者にとっては選択肢が無くなってしまう可能性もあるので、無理なら無理で、早めの経営判断の元、新事業と向き合って欲しいというところがあります。


カテゴリー: 通信サービス全般ニュース | 投稿日: | 投稿者:

てら について

主に普通の車(現在はホンダフィット)で、車中泊をしながら気ままな旅をするのが好きで、車中泊のブログを開設しました。車で出掛ける中で、モバイルのインターネット通信や防災用としても使える様々なグッズがたまってきたので、そうしたノウハウを公開しながら、自分への備忘録がわりにブログを書いています。

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楽天モバイルの「無料サポータープログラム」について」への2件のフィードバック

  1. ゾフィー

    アマゾン銀行が乗り込んできたら、楽天銀行のライバルになるかもしれないですね。

  2. てら 投稿作成者

    ゾフィーさん コメントありがとうございました。

    楽天銀行は、全く残高が一定の金額を切ってしまうと入金するにも手数料がかかります(^^;)。さらにそうした手数料も消費税の対象になるということになると、何らかの対策をしていない人が、オープンキャンペーンで色々やるアマゾンになびき、どっとアマゾンの銀行や電子マネーに切り替えてしまう可能性はありますね。

    楽天にはまず、楽天市場に参加しているお店とともにウィンウィンの関係を作る中でアマゾンへの対抗策を練った方がいいと思うのですが、ともかく来年にかけて通信と物流を自前できちんと整備することができるか、見守っていきたいと思います。

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