災害時の水の用意についての考え方

 このブログでは、様々な災害についての準備についても紹介してきたつもりですが、実は私の中で準備しきれないものがあります。それが、災害時に必ず必要とされる水の確保についてです。

 水というのは私たちの生活に必要不可欠なものですが、人間が飲めるくらい水質がいいものと、多少汚れていてもいいものとの区別が肝心です。例えば、トイレを流すための水なら飲めない水でも十分です。よく公共のトイレの蛇口に「この水は飲めません」とあるのは、恐らく雨水を貯めたものを使っているのではないかと思われます。同じような備蓄のやり方として、お風呂のお湯をその日のうちに流さないで、翌日のお風呂の準備をする時に流すようにすることが推奨されますが、この水が飲めるかどうかはともかく、もしもの時に活用できる水が自宅にあるというのは心強いと思います。もしそうした用意がない場合であっても、飲めなくていい水でも良ければ、雨水をためたり、池や川の水を汲みに行ってもいいわけです。ただ、高層マンションにお住まいの方にとっては水くみに実際に行くことになったら、自宅まで登り降りするのが大変ですから、よくある大きなポリタンクよりも、リュックに詰められる容器やビニール袋を使うなど、水の運搬方法についても考えておかなければいけないでしょう。

 さて、水の中でも飲料水について、もしもの時のための備蓄はどのくらいあった方がいいのかというのは、防災に関する情報を出しているところによると、一人一日3リットルで3日分を目安ということが言われています。この通り用意すると4人家族で36リットルも備蓄しなければなりません。2リットルのペットボトルですと、6本入りケース3つですからかなりの量になります。ポリ容器につめる場合は10リッターなら4つ、18リッターなら2つですが、水道水を溜める場合は時間の経過とともに雑菌が入って飲めなくなっていくので、日常生活の中で溜めては入れ替えることがだんだんめんどくさくなっていくことが予想されます。大容量のポリタンクを否定するわけではありませんが、きちんとポリタンクに入れた水の管理をできない場合は、あまり無理はしない方がいいと思います。

 では、無理をしないでどのように飲料水を確保するかというのが一番問題になるわけです。必要とされる量の全てを用意するのは難しいと思いますが、日々使う水を一定量ためながら使うライフスタイルを実践しながら足りない分をペットボトルでというのが無難でしょう。私の場合は寝る前に大きめのやかんに水を入れておき、やかんで作ったお湯は2つの保温ポットに入れて食事の際のお茶やコーヒーに利用しています。当然ポットの中のお湯は残るので、その分ももしもの場合の飲料水に回せます。こうして溜められる飲料水はそれほど多くありませんが、それでも一日くらいは溜めた水でまかなうことができれば、備蓄用の水は1日分減らすことができます。さらに、近所のスーパーが提供するアルカリイオン水を汲みに行く習慣があればそこでもある程度の飲料水を確保できるので、その分ペットボトルで用意する水の量は多少ではありますが減らせます。購入したペットボトルにはその使用期限をダンボール箱の見えるところに書いておきましょう。間際になったら使用して新しいものと替えていくのが理想です。もし消費するのを忘れてしまった場合には、古いものをそのまま処分するのではなく、非常時のトイレ用としてそのままにしておくのもいいですし、庭木の水やり用にしてもいいでしょう。

 災害の中で自宅が無事な場合、深夜電力を使った電気による給湯器を使っている家なら、給湯器が温めた水を溜めるタンクがあると思うので、私がここまで書いてきたように悩みながら水の確保に関して心配する必要もないかも知れません。しかしそれでもタンクが破損するぐらいの衝撃で家が壊れたり、火事で焼けてしまったら飲料水確保の問題はまた最初に戻るわけで、準備するためのプランも多く用意しておくのに越したことはないでしょう。

 用意していた水が全てなくなってしまうような最悪の状況でも何とかするため、非常用の持出袋でなくても、日々持ち歩くバッグの中に1枚でも2枚でも、大きめのビニール袋を入れておき(各市町村の出しているゴミ袋あたりが無難)、もしもの場合に水を入れて運ぶために使うようにしておけば、何かの時にはきっと役立つことだけは確かだと思います。飲料水を得るためには専用のろ過機を使うという解決策もありますが、ありあわせのものしかない場合、汚れた水でも布や簡易ろ過器を作って濾してから火を起こし、鍋などで沸かした水が湯気になったところをビニール袋を広げたものなどで受け、蒸溜したものが落ちてくるのを溜めて飲み水を確保するという手段も考えられます。このように書いていても、普段の生活の中ではなかなかそこまでして水を飲めるようにする機会というのはありませんので、今挙げた方法については各自調べていただくとしても、本当にいざという時のための知識として水を極力使わない生活方法なども含めて、個人個人の生活パターンに合ったもしもの時の水対策を考えてみることが大事です。


スポンサーリンク

災害時の水の用意についての考え方」への2件のフィードバック

  1. てら 投稿作成者

    ノーダウト さん コメントありがとうございました。
    紹介いただいた水タンクは、竹炭が入るようになっているのが日常使いには便利そうですね。水道から直接でなくタンクから水を供給すると、出しっぱなしをしてもタンクの量以上は水が流れないので節水にも効果がありそうです。
    あと、コメント内容には関係ありませんが、雨水を再利用する場合には、これを書いている時点で大変な問題になっているデング熱などさまざまな病気を媒介する蚊の発生源にならないようにきちんと管理することが必要になるでしょう。

コメントを残す